ケーズの2017年度第3四半期は増収増益。粗利益率は前年1ポイント増の26.8%に
2017年度第3四半期は増収増益
ケーズホールディングスの2017年度第3四半期累計(2017年4月1日~12月31日)の決算が発表された。
売上高は4,987億1,000万円で前年同期比2.3%の増収。営業利益は183億1,400万円で同17.2%増、経常利益も234億300万円で同14.8%増と、増収増益となった。
粗利益額は1,334億8,000万円で、粗利益率は26.8%。前年同期から約1ポイントアップした。
販管費も約49億6,000万円増加したが、売上高販管費比率は前年同期の22.6%から0.5ポイント増の23.1%に抑制したため、売上高営業利益率は3.7%で前年同期から0.5ポイントの上昇となった。
営業外収益は63億7,400万円で前年同期比3.1%増、営業外費用は12億8,500万円の同9.2%減少となり、売上高経常利益率は4.7%で、前年同期の4.2%から0.5ポイント改善された。
競争の変化で粗利益率が改善
2月2日に開かれた決算説明会で、同社の遠藤裕之代表取締役社長兼CEO兼COOは、「粗利益率改善の理由は、競争関係の変化。安売り合戦をしなくなったことが大きい。また、安い商品を安く売っても売れなくなってきた。お客は価格重視ということではなく、自分にとって価値のある商品だったら購入するという考えに変わってきた。このあたりは粗利益率アップの要因と考えている」と説明した。
既存店売上高は前年比98.7%
ケーズホールディングスは、既存店の落ち込みを出店の売り上げでカバーするという戦略を取ってきたが、この既存店の落ち込みについて遠藤社長は「売り上げ自体は下ると想定。うまくいって横ばいと考えている。
消費マインドが劇的に変化するとも考えにくいし、大ヒット商品が連発するとも思えないので、既存店の業績アップは難しい」という見方を示した。
同社によると、全体の売り場面積は前年同期比103%で、全体の売上高は102%。既存店売上高は同98.7%で、「既存店の販売状況は、ちょっと弱いと考えている」とのことだ。
商品の販売動向についてはテレビなどの映像商品が前年同期比105.1%と伸長し、白物を含む家庭電化商品も同103.4%、季節商品も同105.3%と伸びた。
遠藤社長は「お客様はついでに購入する趣味的な商品は特に重視せず、生活に密着している商品は購入する。それが顕著に出ているのが白物」と分析し、この傾向はこれからも続くだろうと述べた。
また、メーカーの商戦政策については、カテゴリーやラインアップを縮小して収益を上げようという姿勢が見られるとのことだ。
同席した遠藤義行上席執行役員商品本部長兼家電・季節商品部長は「メーカーの商品戦略は付加価値の高い商品にシフトしている。
少子高齢化によって少人数世帯が増えているので、冷蔵庫だと300Lクラスのゾーンの高付加価値モデルを厚くしている。
大容量一辺倒ではなく、今のニーズに合ったゾーンに付加価値商品を投入するという流れが強まっている」と解説した。
営業利益額は14%増を見込む
同社の第4四半期も含めた連結の通期計画では売上高が前年同期比7.0%増の6,890億円、営業利益は同14.0%増の248億円、経常利益は同4.8%増の300億円を見込んでいる。