象印がホーロー鍋を採用した自動調理なべを10月に発売


共働きが当たり前の現代では、いかに家事の負担を軽減できるかが重視されている。洗濯機やクリーナー、炊飯器などはまさに家事をラクにするために進化してきたと言っても過言ではない。ここ数年、家事の負担を軽減する家電製品として注目され、需要が急増しているのが自動調理鍋だ。象印は10月21日に自動調理鍋の新製品を発売する。

象印は30~40代の共働き世代や子育て世代に向けた自動調理なべEL-KA23(以下、KA23)を10月21日に発売する。このKA23は同社の『STAN.』シリーズの製品として位置づけられている。同シリーズはデザインにこだわり、共働き・子育て世代を対象とした製品群である。

『STAN.』は象印がサブブランドとして、同社の従来ユーザーとは異なる層への浸透を図るマーケティング戦略から生み出された。同社は100年を超える歴史を持ち、調理家電においては言わずとしれた大手メーカーだ。だが、時代は移り変わり、ユーザーの世代も交替していくにつれ、旧来のブランドイメージは逆に足枷になることもある。

そこで象印のブランドは堅持しつつ、従来とは異なる価値観やライフスタイルを持つ新しい世代に対して、『STAN.』というサブブランドでユーザー層の開拓に取り組んでいるのだ。

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『STAN.』シリーズの製品はIH炊飯ジャーと電動ポット、コーヒーメーカー、ホットプレートの4機種。いずれの製品も余計な装飾やカラーリングを排したスタイリッシュさが際立っている

ニーズは使いやすさとお手入れ、時短などの利便性

同社の推計によると、自動調理鍋の市場は急増しており、購入者の6割近くが共働き・子育て世代の30~40代である。

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自動調理鍋のマーケットは拡大し、2020年は90万台という市場に成長。台数で捉えると501L以上の大容量冷蔵庫よりも多い

同社のユーザー調査によると、購入者が購入時に重視したのは「使いやすさ」「お手入れのしやすさ」で、いずれも約7割が回答。また、購入検討者への調査では自動調理鍋の魅力について、「時短・時産調理ができること」「簡単・おまかせで調理できること」の両回答が約半数にものぼっている。つまり、購入者も購入検討者も自動調理鍋に対しては、その利便性を魅力と捉えているのだ。

レシピサイトでの検索頻度では「簡単」が圧倒的に多く、料理・調理の負担軽減は大きなトレンドといえるだろう

自動調理は7つのコースを搭載し、設定温度の変更にも対応

象印は2014年に発売した圧力IHなべ「煮込み自慢」で自動調理メニューを訴求。2017年に発売した後継機種では「おまかせ自動調理」に加えて無水調理や予約調理、保温などにも対応している。

既存製品は“圧力IHなべ”だったが、新製品では“自動調理なべ”。今回の新製品で搭載した機能もこれらの既存製品からフィードバックしたものと新たに搭載した機能がミックスされている。

新製品EL-KA23の特長は①シンプルな機能でほったらかし調理が可能、②作り置きや副菜の同時調理ができるパック調理対応、③ホーロー鍋の採用、④部品点数が少なく簡単後片付け、などである。

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EL-KA23の外形寸法は幅28.5mm×奥行き31cm×高さ22.5cm。色はホワイトとブラックの2色展開

①では自動調理コースとしてカレー/シチュー、スープ、煮物、米調理、パック調理、温度調理、無水調理の7つがある。パック調理を除く6コースは鍋に材料を入れて液晶表示部からコースを選ぶと自動で調理し、調理時間を変更することも可能だ。

さらにパック調理と温度調理、無水調理は調理温度の設定変更もできる。パック調理では60℃から90℃までで、温度調理は40℃から100℃、無水調理は80℃から100℃まで、10℃刻みで温度変更が可能である。

パックホルダーでパック調理は使いやすく、安全

②のパック調理とは耐熱性のポリ袋に食材を入れ、袋のまま鍋で湯せんする調理方法のこと。調理の際に手が汚れず、湯せんなので鍋も汚れずに洗う手間がなくなるというメリットがある。また、2つのパックを一緒に温める同時調理もできるので調理時間の短縮も図れる。

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副菜だけでなく、主菜も同時に調理可能
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調味料と食材をパックに入れてセットすれば自動で調理を行う
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鍋の内側にパックホルダーをセット。鍋底にパックが触れることがないので安全。パックを入れてパックホルダーカバーをセットすることで、パックが浮かない

パック調理では同じ調理温度のレシピにする必要がある。設定時間が異なる場合は短時間のレシピを設定時間として、時間がきたら一度取り出してから再度、加熱することが必要だ。ここは接客の際にしっかりと伝えたい。

2mm厚のホーロー鍋採用で軽量化を実現

③のホーロー鍋はアルミやステンレスと比較して蓄熱性が高く、煮込み料理に適している。ニオイ移りもなく、腐食もしにくい。しかし、唯一のデメリットは重いことだ。そこで、EL-KA23では厚さを2.0mmと薄くして、重量を約1.7kgと軽量化している。

同社では「開発の際はホーロー鍋の寸法や厚さを調整するのに苦労しました。絶対的な軽さは必須条件だったので、2mmの厚さにこだわり、炊飯器で培ってきた技術を生かして実現しました」と話す。

ホーロー鍋は直火で温めることも可能。ただし、焼いたり炒めたりは不可

調理はラクでも後片付けが大変というケースもあるが、EL-KA23は④に対応。洗いが必要なパーツはたった3点しかなく、調理も後片付けも時短が可能だ。

食洗機には対応していないので要注意。それでも内鍋はコーティング加工されており、洗い物の手間は大きく軽減される

付属のレシピブックとWeb掲載で、約100レシピに対応。12時間の保温機能やあたため直しができる再加熱機能、料理のニオイが気になるときのクリーニング機能なども搭載している。

店頭では何ができるかを説明しよう

自動調理鍋に対するニーズは高い。しかし、できることとできないこと、調理設定、後片付けの手間などについて知らないお客は多いのではないだろうか。参入メーカーや展示製品が増えているからこそ、店頭ではしっかりとお客に説明したいところだ。

象印のEL-KA23は、ユーザーが自動調理鍋に対する期待や要望などを的確に捉え、料理に対するソリューションとして提案する製品である。毎日使えるアシスト家電をうたうEL-KA23。発売は当初の予定よりも後ろ倒しになってしまったが、予約も含めて積極的に提案していこう。