2017年度第3四半期累計は減収増益のヤマダ電機。粗利益率は家電量販企業中で最も高い29.5%に
2017年度第三四半期累計は減収増益に
ヤマダ電機の2017年度第3四半期累計(2017年4月1日~12月31日)の連結決算が発表された。
売上高は1兆1,530億1,100万円で前年同期比4.3%の減収となった。営業利益は468億7,600万円で同8.9%増、経常利益も同13.9%増となり、第3四半期累計では減収増益だった。
減収については、前年度の累計期間に89店に及ぶ店舗の閉鎖を行っていることが影響したという。つまり、この89店の通常営業の売り上げと閉店セールでの売り上げが前年度は計上されており、これが今年度はなくなった分だけ売上高が減少したということだ。
売り上げは4.3%減少した一方で売上原価は前年同期比5.3%圧縮。粗利益額は同1.9%減にとどまり、粗利益率は前年同期から0.7ポイントアップの29.5%となった。
粗利益率は前年同期から0.7ポイントアップの29.5%
この数年、「量から質」への転換を図り、高付加価値商品の販売や住宅関連ビジネスを推進してきた同社。この政策は粗利益率のアップとなって表れており、29.5%という粗利益率は家電量販企業の中で最も高い数値だ。
同社の第2四半期での累計粗利益率は前年同期から0.9ポイント増の28.8%。第3四半期の10~12月は新商品の投入が多く、年末商戦もあることから粗利益率は第2四半期累計よりも高くなる傾向がある。同社の第3四半期の粗利益率は前年同期から0.5ポイントアップの30.9%で、第3四半期累計での粗利益率は前述の29.5%となった。
販管費は前年同期比3.4%圧縮し、その結果、営業利益は同8.9%増。売上高営業利益率も前年同期の3.6%から0.5ポイント改善の4.1%にアップしている。
さらに営業外収益は前年同期比6.7%増で、営業外費用は同24.0%減少したため、経常利益は同13.9%増。売上高経常利益率も前年同期の3.9%から0.8ポイント改善されて4.7%となっている。
総資産は前年度比6.6%増の1兆2,226億7,700万円
総資産については、前年度末から6.6%増の1兆2,226億7,700万円となった。この要因としては、現金及び預金が33.1%増となる104億5,000万円増加したことと、棚卸資産が同18.3%増加したことによるものである。
負債は前年度末から8.9%増となる6,416億9,200万円。この増加要因は支払手形及び買掛金が前年度末比92.2%増の1,536億2,600万円となったことと短期借入金が同26.9%増となったことによるものだ。
ただし、前年度第3四半期末との比較では、支払手形及び買掛金と短期借入金は合わせて約320億円の減少となっている。
利益剰余金は193億5,400万円増加し、その他の包括利益累計額も30億1,300万円増加したことで、純資産は5,809億8,400万円。前年度から4.2%アップした。
この結果、自己資本比率は前期末から1.1ポイント減の45.5%となった。
2017年3月期の連結業績予想に修正はなく、売上高は前年度比1.3%増の1兆6,330億円で、営業利益は同22.8%増の714億円、経常利益は同27.5%増の800億円を予想している。
アライアンスでさらにリフォーム強化へ
同社が第3四半期決算を発表した2月2日、施工実績65万件、売上高279億円のリフォームメーカーであるナカヤマとの業務提携も発表された。
ナカヤマは全国にショールームを100店展開し、建材や商材の開発・生産から販売・物流・施行まで自社で行っている独立系リフォームメーカーである。
ヤマダ電機は子会社に水回りメーカーのハウステックを抱えているが、ヤマナカとの提携で商品ラインアップや建材・設備機器の強化などを図り、相乗効果を狙う考えだ。