令和の三種の神器は、全自動調理家電、自動ロボット掃除機、プロジェクター


天井に据え付けるプロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」を開発するpopInが、家電の購入をテーマにしたインターネット調査を実施。その結果から、全自動調理家電、自動ロボット掃除機、プロジェクターが令和時代の三種の神器になると報告した。

引っ越しの際に欲しい家電と、生活を変えてくれる家電

popInの調査は、10~70代の男女884名を対象に、2020年1月18日~20日にかけ、「“家電購入”に関する調査」としてインターネットで行われた。

その結果、引っ越しの際に欲しい家電は、昔ながらの定番家電が上位を占め、一方で生活が画期的に変わると思う家電として、1位に全自動調理家電、2位に自動ロボット掃除機、3位にプロジェクターが挙がった。

引っ越しで買い換えたい/新しく欲しい家電(popIn調べ)
引っ越しで買い換えたい/新しく欲しい家電(popIn調べ)
生活が変わると思う今欲しい家電(popIn調べ)
生活が変わると思う今欲しい家電(popIn調べ)

令和時代に拡大するプロジェクター市場

popInでは「生活が変わると思う今欲しい家電」の調査結果をもとに、昭和の三種の神器、平成の三種の神器に続く、令和の三種の神器として、全自動調理家電、自動ロボット掃除機、プロジェクターの3つが挙げられるようになるとまとめている。

三種の神器は言わずもがな、天孫降臨の神話に登場する、八咫鏡・天叢雲剣(草薙剣)・八尺瓊勾玉の総称である。これを踏まえ、1950年代後半「もはや戦後ではない」と言われた頃に、庶民が努力すれば手の届く憧れの生活用品として、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の3つが、三種の神器と呼ばれた。

60年代から70年代に掛けては、カラーテレビ、エアコン、自動車に入れ替わり、2000年代にはデジタル三種の神器として、デジカメ、DVDレコーダー、薄型テレビなども注目された。

この家電にまつわる三種の神器は、特に認定機関がある訳ではなく、平成の三種の神器として話題になる時は、携帯電話やスマートフォン、薄型テレビ、パソコン、自動ロボット掃除機などの名が挙がることが多かった。

全自動調理家電、自動ロボット掃除機、プロジェクターは、いずれも売上を大きく拡大してきているカテゴリーだ。特にプロジェクター市場は、近年参入したpopInとAnkerの2社が牽引役となっており、家庭向けが急速に伸長。popInは2019年は3万台以上を販売し、ホームプロジェクターのトップメーカーとなっている。

ホームプロジェクターの市場は近年大きく拡大している(家電Biz調べ)
ホームプロジェクターの市場は近年大きく拡大している(家電Biz調べ)

天井の引っ掛けシーリングに設置できるpopIn Aladdinは、電源を用意する必要がなく、片付けも不要という手軽さが評価されて、これまでプロジェクターにはあまり興味を持たなかったライトユーザー層に裾野を広げている。

独自のユーザーインターフェイスを備え、児童向けコンテンツも搭載するなど、ハイスペックやローコストを売りにする他社製品と差別化できた点が、プロジェクターを気軽に楽しみたい層に受け入れられる要因になっているようだ。

popIn Aladdin(ポップイン・アラジン)は、テレビや映画、動く絵本を搭載したプロジェクター付きシーリングライトだ
popIn Aladdin(ポップイン・アラジン)は、テレビや映画、動く絵本を搭載したプロジェクター付きシーリングライトだ

余暇を産む家電と余暇を楽しむ家電が伸びていく

家電コーディネーターの戸井田園子氏は、本調査について、1位の全自動調理家電と2位の自動ロボット掃除機はユーザーが「楽(ラク)になる」家電であり、3位のプロジェクターは「楽しくなる」家電だと指摘する。

そのうえで、1、2位の家電を導入すれば、自分たちの時間を産み出す「時産」が可能になり、産まれた時間を楽しむものとして、3位にプロジェクターが挙がるのは納得だとコメント。「今後家電は、家族・パートナー・友達など大切な人と一緒に過ごす時間を充実したものにしてくれる製品が支持されていくでしょう」とコメントしている。

少子高齢化や長引くデフレにより、家電市場は緩やかに縮小し、モノが売れない時代になってきている。だが、そんな環境でも、消費者のニーズを掴んだ商品は確実にヒットしている。令和時代を代表するヒット商品が今後ますます増えていくことを期待したい。