テレワークで働き世代の31%が身体に不調を感じている オフィスとは異なる姿勢の作業で負担が「肩こり」「腰痛」に


コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言により、在宅でテレワークを行う人が急増している。オムロンヘルスケアではテレワークとなった働き世代の男女約1,000人に緊急アンケートを実施。約3割がテレワークによって何らかの身体の不調を感じていることが分かった。

男性の4人に1人、女性の3人に1人がテレワークで不調を自覚

オムロンヘルスケアは、新型コロナウイルス対策のために週3回以上在宅で勤務をし、デスクワークを行っている20~50代の男女1,024人にインターネットによる緊急アンケートを実施した。調査期間は4月22~24日で、アンケートの内容は、テレワークによって感じている身体の不調やその度合い、対策方法などである。

『テレワークを開始後、身体に不調を感じますか?』の問いでは、31%が感じると回答。男女別でみると、不調を感じている男性は男性全体の25%に対して、女性では36%。男性の4人に1人、女性の3人に1人がテレワークによって身体の不調を感じているという結果だった。

さらに、その不調を感じている回答者に『テレワークによってどんな不調を感じていますか?』と質問したところ、最も多かったのは「肩こり」。約7割が挙げている。次いで多かったのは約6割が挙げた「精神的なストレス」で、3番目に多かったのは「腰痛」という順である。

テレワークはオフィスと異なる作業環境のため、身体への負担がオフィスよりも増大しがち

猫背やスマホ首が「肩こり」や「腰痛」の発症原因か

具体的な不調を男女別で見たのが、次のグラフである。女性が感じる不調の1位は「肩こり」で、4人に3人が認識している。一方、男性は「精神的なストレス」が最も多く挙げられ、男女の違いが表れている。

肩と腰、目が男女共通で不調と感じる箇所だが、不調と回答した男女の約6割が「精神的なストレス」も感じている

テレワーク中の姿勢では約7割が「机、椅子を使用している」で、約3割は「床に座っている」と回答。机や椅子が仕事時の体勢や体型に合っていない等で姿勢が悪化すると「猫背」や「スマホ首(ストレートネック)」になりやすく、「肩こり」や「腰痛」の発症リスクが上がることが考えられるとオムロンヘルスケアでは警鐘を鳴らす。

不調を感じている回答者のテレワーク期間を調べると、2週間程度から不調を感じる人が増加していることが分かる。回答者の割合が最も多かったのは「3週間未満」で、26.5%。オムロンヘルスケアでは、今後、現状が中長期化すると、不調を感じる人がさらに増加することが予想されるとみている。

不調を感じている割合は全体の約30%だが、調査実施から1週間が経過した現時点では、この割合が増加していることも考えられる

オムロンが推奨する腰痛予備軍セルフチェック

オムロンヘルスケアでは現在、腰痛でなくても今後、テレワークを続けることで腰痛になる可能性があるため、以下の腰痛予備軍セルフチェックをして予防することを推奨している。下記の項目で5項目以上当てはまると、腰痛予備軍とのことだ。

●長時間同じ姿勢を続けている
●気が付くと猫背になっている
●椅子に座ったときについ足を組んでしまう
●片足に重心をかけて立ってしまう
●床に座ると、いつも決まった方向に横座りをする
●前のめりの姿勢でスマホを操作している
●寝転んでテレビを見ることが多い
●床に座って作業をすることが多い
●机と椅子の高さが自分の体型にあっていない気がする
●休憩時にストレッチやマッサージをすることはほぼない

同社では肩こり腰痛などの対策およびケアのため、各種の治療機を発売している。コードレス低周波治療器HV-F602Tは、腰などの大きな筋肉にも沿いやすいパッドの形状で、痛い部分をしっかりカバー。専用アプリをダウンロードしてスマホで操作できる。

ひざ電気治療バンドHV-F710は、ひざの下に装着することで、周波数の異なる電気信号を流して歩行時のひざの痛みを和らげる。触覚神経を刺激して鎮痛効果が得られ、歩行をサポートするというもの。このほかにも「こり」や「痛み」を軽減するための電気治療器、低周波治療器のラインナップを揃えている。

オムロンヘルスケアのコードレス低周波治療器 HV-F602T
オムロンヘルスケアのひざ電気治療バンド HV-F710

一歩先の提案でお客に気づかせ、需要を喚起しよう

企業のテレワーク導入により、ノートPCはもちろん、Webカメラやマウスなどのテレワーク需要が急速に立ち上がった。しかしこのアンケート結果で分かるように、テレワークによって身体的・精神的不調を感じる向きは少なくない。外出自粛の今だからこそ、お客に対して体調ケアを提案したいところだ。

ただ、シニアを除くと自発的に健康家電コーナーを訪れるお客は決して多くない。また、大抵の場合、健康家電とテレワークで用いる製品とは売り場が遠く離れている。であるなら、コト軸でテレワーク関連商材と同社の肩こりや腰痛対策商品を群展示して提案してみてはいかがだろうか。または、エントランスでテレワークの注意点を張り出し、来店客に気づきを与えるという手法もある。

顧客とのタッチポイントが店舗だけだと、外出を控えるムードが漂う中ではなかなかリーチしにくいのが実情だ。SNSを活用したり、地域のCATVなどと連携して情報を発信している店舗であれば、来店に頼ることなく情報発信が可能だ。営業時間の短縮や店内のクリンリネス徹底などで営業的に厳しい状況下だが、消費者ニーズの変化には注意し、提案に結びつけたい。