ケーズデンキの7月売上は前年同月比8.7%増 後半の天候不順でエアコンは前年同月7掛けにダウン
前半は好調に推移したが、中旬以降は天候不順が影響
ケーズホールディングスが発表した月次の売上速報で、2020年7月の販売実績はグループ計で前年同月比108.7%となった。5月は同121.9%、6月も同140.5%と大きく伸長したが、7月は前年実績を上回ったものの、成長は鈍化している。
夏商戦を牽引するエアコンは前年同月比74.4%と落ち込んだ。比較対象の2019年7月実績が非常によかったかというと、そうではない。2019年7月は月の平均気温が低く、全国的に日照時間も短く、地域によっては大雨特別警報が出されたところもあった。その結果、2019年7月のエアコン販売は前年同月比で58.1%と低迷。従って比較対象となる前年同月の実績が好調だったわけではないのだ。
7月のエアコンの落ち込みについて、同社の経営企画室では「7月の前半は好調で、取付工事が1カ月待ちという状態もありました。ところが、中旬になると天候不順で大雨による被害なども発生しました。梅雨がなかなか明けず、低い気温が続いたことが販売に大きく影響してしまいました」と話す。
巣ごもり需要とリモート需要は引き続き好調に推移
その反面、コロナ禍で巣ごもり需要やリモート需要の関連商品は好調さを維持。パソコン・情報機器は前年同月比126.6%で、前年の7月も125.3%と伸長しており、さらなる底上げが見られたといえよう。同社では「集計には含まれていませんが、パソコンの他にモニターやWebカメラは相変わらず好調に推移しています。また、自宅で書類などをプリントアウトするためにプリンターもこの時期としては珍しく販売が好調。一部の複合機プリンターは品切れになったときもありました」と説明する。
巣ごもり需要では調理家電に注目が集まっているが、ホットプレートやホームベーカリー、たこ焼き器などの販売も好調だったとのことだ。また、在宅時間が長くなったのはビジネスマンだけでなく、子どもを含む家族にも該当する変化だ。そのため、電子ピアノの販売も好調に推移したという。
今年は沖縄を除いて梅雨明けが例年以上に遅く、先週が梅雨明けだった地域が多い。これからが本格的な夏となり、全国的に気温が高い地域が多くなるとの予報が出されている。新型コロナウイルスについては特に大都市圏で再び感染者が急増している状況で、店舗スタッフの感染も多くの家電量販店で報告されている。スタッフとお客の安全・安心に注意しながら、提案を活発化させて8月の販売に取り組んでいこう。
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