アメリカ Besy Buy社の2023年1月期決算
アメリカのBest Buy社の2023年1月期の通期決算が2023年3月2日に発表されました。
1.売上
売上は、46,298百万ドルと日本円にすると6兆187億円(1ドル=130円換算)となり、前年対比では、10.6%の大幅な減収となりました。
売上減収の要因としては、既存店が前年比-9.9%と大きく落ち込んでいる事がありますが、力を入れているEC販売もアメリカ国内で-13.5%と大きく落ち込んでおり、新型コロナの巣ごもり需要の反動とアメリカの景気後退の影響が続いています。
ちなみに2022年1月期の通期売上は51,761百万ドルでした。昨年は巣ごもり需要などにより既存店は+10.4%の高い成長率がありましたが、この成長が無くなり元に戻りました。
2.粗利益
23年1月期の粗利益額は9,912百万ドルとなり前年より14.8%減少。粗利率は21.4%と前年度の22.5%から1.1%低下しました。
粗利益が低下した主な要因としては、粗利率の高い白物家電やホームシアターといった商品の売上が低下したことと、売上の伸びたゲームやタブレット等の粗利率が低かったことがあります。製品の販売による粗利率の低下をサービス売上でカバーしようとしましたが、埋めきれませんでした。
一方、オンラインの売上は前年よりも低下しましたが、オンラインの収益はアメリカ国内の収益の38%と依然として高い水準を保っています。
3.販売管理費及び一般管理費
23年1月期の販売管理費及び一般管理費は7,970百万ドルとなり前年度の8.635百万ドルから低下しました。
販売管理費及び一般管理費比率は17.2%となり、前年度の16.7%より0.5%上昇しました。人件費やインセンティブ収入、広告費の削減に努めましたが、インフレ等の影響は大きく販売管理費の上昇を食い止めることはできませんでした。
4.営業利益
23年1月期の営業利益は販管費にプラスしてリストラ費用等を加えたために1,795百万ドルとなり売上対比3.9%と大きく低下しました。
前年度の営業利益は3,039百万ドルでしたので、前年比41%ダウンという結果になりました。売上減、一般管理費の経費増の結果、営業利益は大きく減少する結果となりました。
5.純利益
23年1月期の純利益は1,419百万ドルとなり、前年度の2,454百万ドルから42%ダウンする結果となりました。
純利益率は3.1%となり、前年の5.8%から大きく低下しました。
6.2024年1月決算の見通し
2024年1月期の売上見通しについては、売上が3〜6%程度減少するとの見通しを発表しています。
営業政策としては、既存の家電製品の売上は伸び悩むものの、サービス売上により粗利率を向上させて前年度より高い収益を確保する予定です。