ASUSが示す30年間変わらぬ先進性への強い意志 PC売り場で目を引くフラグシップ「ZenBook Pro Duo」


ASUS JAPANが、ノートパソコンとSIMフリースマートフォンの新製品を発表した。15.6型の「ZenBook Pro Duo」は、キーボード上部に第2のディスプレイを持つ。14型の「ZenBook 14」と、同じく15型の「ZenBook 15」は、タッチパッドが小型のサブディスプレイとなる。「ZenFone 6」は、フリップ式のカメラを搭載した。このほか、30周年記念限定モデルも発売する。

実質19型として使える15.6型デュアルディスプレイ搭載ノート

ASUS JAPANが8月20日、創立30周年記念を兼ねた新製品発表会を開催した。そこでひときわ注目を集めていたのが、キーボード面の上半分にサブの液晶画面を搭載したフラグシップとなる「ZenBook Pro Duo」だ。

登壇したジョニー・シー会長は、「ASUSは創業以来、30年間ずっと先端を走る企業であるよう意識してきた」と述べ、ZenBook Pro Duoが同社の技術力を世に知らしめる野心的なプロダクトであることを力説した。

ZenBook Pro Duoを発表する、ASUSのジョニー・シー会長

ZenBook Pro Duoは、メインディスプレイが4K UHD(3,840×2,160pixel)の15.6型有機ELパネル(グレア)で、セカンドディスプレイは4K UHD(3,840×1,100pixel)の14型ワイドTFTカラー液晶パネル(ノングレア)を採用。いずれもタッチ操作に対応する。作業領域を上に、操作パネルを下に表示するといった使い方ができ、作業ツールの切り替えで作業領域がいちいち隠れるといったストレスがなくなる。2つの画面はアプリケーションのウィンドウをまたいだ表示も可能で、両方合わせて実質19型並の表示面積を持つ。

ラインアップはスペックの違いで2モデル。上位機の「UX581GV-9980」は、CPUに8コア/16スレッドのCorei9 9980HKを採用し、SSD容量が1TB、Windows 10 Proを搭載。下位機の「UX581GV-9750」は、CPUが6コア/12スレッドのCorei7 9750Hで、SSD容量が512GB、Windows 10 Home搭載となる。直販価格がそれぞれ税別466,500円と税別361,500円だ。

文字通り最高峰のモデルであり、高い生産性を求めるクリエイターやトップビジネスマンなら垂涎の一台だが、それだけに中小型も含めたすべての店舗に実機を展示するのは難しい。斬新なシルエットは、店頭に展示したときに来店客に「触れてみたい」と感じさせるに十分なインパクトなので、展開する店舗では来店客の目を引くよう、パソコンコーナー全体のマグネットとして利用しよう。

ZenBook Pro Duoの上下の画面にウィンドウをまたいで表示したところ。タッチパッドは右下に配置。ここはテンキーとしても使える

モバイルの可能性を広げるパソコン

同時に発表となったZenBook 14と、ZenBook 15は、タッチパッド液晶をサブディスプレイとして使えるScreenPadをブラッシュアップした「ScreenPad 2.0」を搭載する。タッチパッド液晶には、好みのアプリケーションを登録でき、Officeの利用頻度の高いツールバーを表示したり、動画や音楽の再生操作に利用したりできる。様々な用途で活用できるモバイルの可能性を広げる製品と言える。

CPUにはCore i7 8565UもしくはCore i5 8265Uを搭載。仕様の違いで4モデルをラインアップする。狭額縁設計により、画面占有率は90%に達し、特にZenBook 14では従来モデルと比べて13%もの小型化に成功している。MIL規格に準拠した堅牢性を誇り、15型でも持ち歩きに不自由さを感じない仕上がりだ。

Office 2019搭載モデルも用意しており、いつでもどこでもパソコンを活用したいビジネスマンや、新しいもの好きの学生など、モビリティ重視のユーザーに注目されそうだ。

タッチパッドがサブディスプレイになっているZenBook 15。ZenBook 14はテンキーを搭載しない。タッチパッドの大きさは、ZenBook 15とZenBook 14で共通だ
タッチパッド液晶に好みのアプリケーションを登録して利用できるScreenPad 2.0
ZenBook Pro Duo、ZenBook 15、ZenBook 14の取り扱い販売店の一覧

自撮りもPro仕様で撮れるSIMフリースマートフォン

パソコンだけでなく、スマートフォンも新機種を発表した。6.4型ワイドIPS液晶搭載の「Zenfone 6」だ。CPUにスマートフォン向けでは現在最高峰と言えるQualcomm Snapdragon 855を搭載。顔認証や指紋認証も備えるほか、2枚のnano SIMと同時にmicroSDカードも利用できるトリプルスロット仕様が目を引く。バッテリーは5000mAhを搭載し、他のデバイスに給電できるリバースチャージ機能も備える。本体カラーはミッドナイトブラックとトワイライトシルバーの2色だ。

一番の特徴はカメラで、ワンタッチでリア(背面)を向いていたカメラレンズが起き上がり、イン(手前)を写せるようになる電動駆動式のフリップカメラを搭載している。リアとインの切り替えは一般的なアイコン操作のほか、本体側面のボタンでも行え、カメラの角度は任意に調整できる。イン側カメラのスペースを解放したことと、超狭額縁の採用により、フロントパネルは画面以外に何もないかのような画面占有率92%を実現した。

Zenfone 6の最大の特徴であるフリップカメラのスペック

カメラは4800万画素で高解像度センサーを持つメインカメラと、1300万画素で125°の超広角レンズを備えたサブカメラのダブルレンズで構成。現在、一般に販売されているスマートフォンは、イン側カメラの性能がリア側のカメラよりも劣る製品がほとんどだが、Zenfone 6では、フリップカメラによって自撮りなどのイン側で撮影する場合も、フルスペックが利用できる。

高画質で自撮りしたい人はもちろん、広角で大勢と一緒の撮影や風景と一緒の自撮りがしたい人には、見逃せない選択肢になりそうだ。

Zenfone 6のディスプレイは画面占有率92%。野外でも明るい600nitsの明るさでデジタルシネマ規格DCI-P3に対応する
フリップカメラを起こして自撮りモードにしたところ。筆者がカメラで捉えられているのはご愛嬌

30周年記念限定モデルも発表

今回は30周年記念で限定販売する13.3型ノート「ZenBook Edition 30」と、「ZenFone 6 Edition 30」も発表した。ZenBook Edition 30が149,030円。ZenFone Edition 30が103,030円。端数の30円は30周年にかけた洒落だという。

ZenBook Edition 30は、ZenBook 14などで採用するScreenPad 2.0を搭載。ホワイトを基調とし、天板には本革を使用する。CPUは4コア8スレッドのCore i7 8565Uで、ディスプレイは13.3型、Windows 10 Pro搭載。

ZenFone Edition 30は、本体カラーにマットブラックを採用し、メモリとストレージの容量拡大などの特別仕様となっている。

いずれも、ASUSの通販サイトやオフィシャルストアのほか、赤坂にあるASUS Store Akasakaで販売する。

ASUS 30周年記念モデルの「ZenBook Edition 30」の出荷は、9月中旬以降の予定
ZenBook Edition 30の天面は金糸のステッチがオシャレなホワイトの本革仕様だ