新生「ヤマダ電機陸上競技部」誕生 CSR活動のさらなる充実を図る
2020年に向けて、企業のCSR活動が活発になると見られる。家電量販企業でもさまざまな取り組みがされていくだろう。CSR活動の一環として2004年から女子陸上部を運営してきたヤマダ電機は新たにメンバーを増員し、名称も変更。活動を強化していくことを発表した。
新生「陸上競技部」誕生
3月17日、ヤマダ電機は株式会社モンテローザの陸上競技部で活動していた選手5名と監督、マネージャーの計7名が4月1日付で同社に移籍することを発表。4月13日に選手のお披露目も含めた記者会見を行った。
従来より活動を続けていた「ヤマダ電機女子陸上競技部」は、新たに「ヤマダ電機陸上競技部」と名称を変更。3月まで女子陸上競技部に所属していた選手は「女子長距離」に、モンテローザからの選手は「トラック&フィールド」に所属し、それぞれの監督のもとで活動することとなった。選手は女子長距離が13名、トラック&フィールドが5名の計18名。
ヤマダ電機の桑野光正代表取締役社長(以下、桑野社長)は、「昨年、東日本実業団連盟の会長を務める当社の山田昇代表取締役会長が、当時モンテローザの陸上競技部であった田中監督から、モンテローザの陸上競技部が廃部になるという報告を受けました。
そこで、優秀な選手の今後の道をつなぐため、今回の移籍という運びになりました」と経緯を語った。
ヤマダ電機が選手を移籍という形で受け入れた理由は、モンテローザの陸上競技部がスポーツ振興への寄与とともに、地域との交流なども積極的に行ってきたことを高く評価し、その活動を継続させたいという思いからだという。
女子陸上競技部の実績
ヤマダ電機は2004年4月、みずほ銀行から女子陸上部を継承し、「ヤマダ電機女子陸上競技部」を創設した。
それ以来、国内外で開催される数々の大会で活躍。直近では、昨年末の全日本実業団対抗女子駅伝で3位、3月の「名古屋ウィメンズマラソン2017 兼 第16回世界陸上競技選手権大会代表選手選考競技会」では、5位入賞という成績を収めている。
桑野社長は、今後の競技活動について、「直近の2020年に開催されるスポーツイベントに向け、さらにそれ以降も頑張ってもらいたい」と話した。
陸上を通じた社会貢献を強化
桑野社長は「当社の陸上競技部は、群馬をはじめとした地域の方々からのご声援をいただいています。陸上競技部は、選手の育成はもちろんのこと、日頃お世話になっている社会や地元に貢献することに注力していきます」と述べ、同社の陸上競技部がCSR活動において重要な役割を果たしていることに言及した。
同社は毎年、高崎市陸上競技協会と「高崎市小学生駅伝競走大会」を共催するなど、陸上競技を通して地域の人々との関りを持ってきた。また、陸上競技部は小中学校での陸上教室などの活動を積極的に行ってきた。
桑野社長は、「小中学生が選手と触れ合ったり、選手が真剣に競技に取り組んでいる姿を実際に見ることなどで陸上競技に興味を持ってもらい、今後の地域の子供たちの育成につなげてもらいたい」と抱負を語った。
モンテローザから移籍し、ヤマダ電機陸上競技部 トラック&フィールドの監督になった田中宏昌氏は、「まずは2020年に向けて選手を輩出できるように強化していきます。また、モンテローザ陸上部は、13、4年間で約36,000名のお子さんを対象にクリニック(陸上教室など)を行ってきました。その活動を今後さらに拡大させ、群馬から全国に活動を広めていきたいと思います」と、競技活動、社会貢献活動の両面で活躍していくと力を込めた。