買って失敗した家電 2位は「ミキサー」、1位は?
キッチン家電・家事家電の割合が多い
今回の調査対象とした家電は次のとおりだ。
●映像・音響(TV、レコーダー、オーディオプレーヤー、ラジカセ、イヤホンなど)
●情報通信(カメラ・ビデオカメラ、パソコン、プリンター、携帯電話)
●空調機器(除湿機、加湿器、空気清浄機、エアコン、冷風機、暖房機)
●キッチン家電(ミキサー、ホームベーカリー、電子レンジ、冷蔵庫、コーヒーメーカー、●炊飯器、フライヤー、ホットプレート、ヨーグルトメーカー、トースター、その他)
●家事家電(掃除機、洗濯機、アイロン、布団乾燥機、スチームクリーナー、その他)
●理美容・健康(マッサージ、シェーバー、ヘアアイロン、スチーマー、ヘアドライヤー、歯ブラシ、その他)
複数回答で失敗したと思う家電を選択後、自由解答欄にその理由を記入するという方法で調査した。
買って失敗したと思う家電をカテゴリーごとにみると、「キッチン家電」が29.6%、「家事家電」が25.7%、「空調機器」が13.2%という結果となった。
男女別に上位3分野をみると、女性は「キッチン家電」が33.7%、「家事家電」が27.1%、「空調機器」が14.5%、男性は「キッチン家電」が23.8%、「家事家電」が23.8%、「情報通信」が16.7%という回答になった。
買って失敗した家電1位は掃除機
回答全体で、失敗したとの答えがもっとも多かったのは「掃除機」だ。
以下は代表的な失敗の理由。
「サイクロン式掃除機。かなり手入れが面倒で嫌なので、紙パック式に替えたい」<女性 36歳/専業主婦>
「スティック型の掃除機を購入したが、重いしコードが邪魔なので、もっと軽くてコードレスのほうが良かった」<男性 60歳/無職>
「2台目の掃除機で、たまに使うので安くてもいいと思い購入したが、吸い込みが悪く結局、使用頻度が少なくなっている」<男性 61歳/無職>
「スティック掃除機を買いましたが音が大きすぎて来客のドアホンの音に気がつかなかった」<女性 59歳/自営業>
サイクロン式のお手入れに対する不満が多くみられたほか、本体の重さによる取り回しの悪さに対する不満も多かった。そのほか、吸い込み力の悪さ、充電時間に対する不満もみられた。
余談だが、掃除機は、他の製品に比べてメーカー名を挙げて不満点をコメントする回答者が目立った。メーカー名に憧れを抱いて購入したものの、実際は自分の生活スタイルと合わなかったという人が多かったためと考えられる。
「掃除機」に次いで2番目に回答数が多かったのは「ミキサー」。グリーンスムージーブームで一時期販売台数を伸ばしたミキサー。失敗と感じる理由は次のようなもの。
「ジュース作りにはまっていたが洗うのが、面倒であまり使わなくなったから」<女性 29歳/専業主婦>
「洗うのが面倒でなかなか使わない」<男性 48歳/会社員>
ミキサーに関しては、使った後の手入れが面倒で使わなくなったという意見がほとんどだった。また、グリーンスムージーブームがひと段落し、手作りジュースに対する意欲が低下したという意見も目立った。
3番目に多かったのが「カメラ・ビデオカメラ」だ。
「デジカメ・ビデオカメラ。スマホで充分」<男性 58歳/会社員>
「デジタル一眼レフ。銀塩時代の500mm/f4.5レンズがあったのでカメラを買ったが、あまりの機能と設定項目の多さに閉口。銀塩はISO感度の設定ぐらい」<男性 52歳/会社員>
「デジカメ。スマホのカメラの方が使い勝手が良かった」<女性 30歳/専業主婦>
「ビデオカメラ。子供が生まれて成長の記録を撮ろうと思ったが、充電とかが面倒で結局デジカメで済ませている」<男性 45歳/会社員>
デジカメに関しては、スマホで充分と考える意見が多かった。そのほか、ミラーレスや一眼を購入した人からは「操作性」や「機能を使いこなすのが難しい」といった意見がみられた。ビデオカメラについては、子どもの誕生をきっかけに購入したという意見が多い一方で、スマホやデジカメの動画撮影で充分という意見が少なくなかった。
そのほか、洗濯機では「音がうるさい」「ゴワゴワする」「黒ずむ」という意見が目立つ。音に対する不満は、掃除機、加湿器でも多くみられた。パソコンについては「安いから買ったけど、動きが遅くてイライラ。結局あまり使ってない」<女性 26歳/会社員>など、製品のスペックに対する不満だけでなく、「サポートが最低、すぐ壊れた」<女性 57歳/会社員>などサポートへの不満も少なくなかった。
いつもの生活と家電をどうマッチさせるか
家電を買って失敗した、と感じる理由として多かったのは「使わなくなった」というもの。その理由には「(掃除機が)重かった」「特定機能にひかれて購入したものの、やっぱり真ん中野菜室がよかった」など、購入前に自分の生活スタイルを踏まえて機能を選ぶことで失敗を避けられるものも多い。普段の生活スタイルや家事の仕方を大きく変えることは、なかなかできることではない。そのため、普段の家事の仕方、生活スタイル、重視する機能などをよく思い浮かべて購入することが、家電選びの失敗を防ぐことにつながる。
買い物の失敗は、「マイナス部分も説明してくれたら」「もっとしっかり説明してくれれば」といった、店に対する不満の原因となりかねない。量販店のスタッフは、お客の生活スタイルを整理し、購入後の満足につながるような商品説明が求められる。