ビックカメラAKIBAの売り場構成は1階に土産物、日用品、酒、2階は化粧品、美容家電、コントタクト、トラベル用品など。ソフマップ時代に1階にあったSIM、スマホ関連は3階に移動した。PCは4階、TV、AV、情報機器は5階。白物は6階、最上階は玩具、自転車、ゴルフ関連の売り場となっている。
宮嶋社長と前田店長、出店へのコメント
今回の出店に際し、同社の宮嶋社長はオープン前の記者の囲みに対し次のように答えた。
「お客様から秋葉原への出店に対するご要望を多くいただいており、以前からビックカメラで出店という構想はありました。
今回の出店は、まずソフマップの立て直しという意味もありました。丁度、ソフマップの社長交代というタイミングもあり、この時期となりました。ビックカメラとソフマップが同じグループということを、まだご存知じゃないお客様も少なくありません。今回の”ビックマップ”で、両社が同じグループだということを広く知っていただきたいと思っています。
スマホは指名買いでいらっしゃるお客様が多いですし、契約の時間も必要です。そういう意味では1階でなくてもよいと思い、今回3階にもってきました。また、”パソコンはソフマップがあるからビックカメラに置かなくてもよいのでは”という意見もあったのですが、まずはフルラインアップ揃えることを意識しました。ビックならではの店づくりをして、お客様のご要望を伺いながら売り場を変えてくい考えです」
同店の前田浩則店長は、「秋葉原は、ファミリーや女性のお客様が増えています。子供連れのお客様に配慮をして主導線を広く設置しました。2階の美容家電・化粧品コーナーは、”女性目線”を意識して展示の雰囲気や色使いなどを工夫しました。そのほか、若いお客様の需要が高まっているオーディオ売り場にも力を入れています。サブカルチャーの街アキバを意識した点では、オーディオコーナーの一部にフィギュアを飾るほか、コスプレイヤーの方に人気のカラーコンタクトなども取り揃えています」と話す。
非家電で気軽に立ち寄りやすく
それでは売り場を詳しくみていこう。1階フロアは、羽田空港や成田空港で人気のお土産、酒、ドラッグ、日用品の売り場。壁面にずらりと並ぶ酒樽が印象的だ。レジ決済は現金、クレジットカード、流通系・交通系電子マネーなどのほか、仮想通貨ビットコインにも対応。ビットコインは、中国、欧米で普及が進んでおり、海外旅行客らに喜ばれそうだ。1階では、オムツ、レトルトの離乳食、子供用の歯ブラシなどベビー関連商材も扱う。レジは、ドラッグ用と酒用とカウンターを別に設けた。
2階は、国内メーカーの化粧品、美容家電、スーツケースなどのトラベル用品の売り場だ。化粧品コーナーは鏡を多く配置し、売り場をライトで照らすことで清潔感を演出する。さらに、店内にはカラーコンタクトレンズ、メガネなどの売り場も併設した。展示スペースを広く使用するマッサージチェアの体験スペースは、フロア面積と比べると広く取っている。2階の”誰でもトイレ”には、オムツ替え台、ベビーチェア、車椅子マークに加えLGBTへ配慮した虹印も記載されている。
このほか、最短30分で注文商品を届ける「ビック超速便」の案内を店内に散りばめており、ホテルやオフィスなどへの配送の需要に応える。
7階は玩具、自転車、ゴルフ用品などを扱う。玩具はプラモデルやゲーム類だけでなく、知育系玩具も取り揃える。また、ランドセルの展示や、子供乗せ自転車の訴求なども行っており、ファミリー客の誘引が期待できる。
法人向けアイテム幅広く
3階から6階は家電を中心とした売り場だ。印象的なのはドローンコーナー。品揃えだけでなく、「業務用ドローンのご相談承ります」と大きく表示していた。コピー用紙でまとめ買いによる割引訴求を行うほか、プロジェクター、「Airレジ」の売り場なども目立つ。宮嶋社長が「秋葉原は近隣にオフィス街が広がっており、サブカルチャーの街というだけじゃないですからね。法人需要のお客様のご要望にも応えられる品揃えを意識しました」というように、法人向けアイテムの扱いも幅広い。
エアコン、設置工事情報もしっかり
家電販売に目を向けると、近隣住民の普段使いを意識した店づくりを感じる。店舗入口付近では、手頃な価格帯のエアコンを展示。エアコン売り場では取り付け工事の受付情報をサイネージで表示し、取付工事の流れも写真付きで解説している。テレビコーナーでは天井の照明を落とし、画質の違いを比較しやすくしているほか、壁掛け提案訴求もみられる。
売り場面積の制約があるため、ビックカメラの他店に比べれば独自の展示演出提案などは少なめだ。しかし、商品ラインアップは、手頃な価格帯のものからフラグシップモデルまで揃えており、お客が十分に商品選択できるだけのボリュームとなっている。上りと下りのエスカレーターが背中合わせの位置にあり、導線としてはそれぞれのエスカレーターが始点にも終点にもなっている。主導線の幅は広めに取り、フロアをグルッと一周する形だ。サブ導線はさすがに十分な幅があるとは言い難いが、これがかえってボリューム感を感じさせる要因の一つともなっている。
天吊パネルで商品展示場所を表し、島の配置もフロアに向かって垂直方向につくっているため、目的のカテゴリーがみつけやすい。秋葉原という立地のみにフォーカスすると、インバウンドや観光客向けと考えがちだが、各フロアを回ると、実のところ、近隣住民や企業の普段使いとして考えられた店という印象を受けた。
売り場は見渡しやすいので、歩き回らずとも目的のカテゴリーがみつけやすい。近隣住民や企業の普段使いの店として重宝しそうな印象をうけた。
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