エディオンがAmazon Alexa用スキルを提供 「ハロー エディオン」で今日の情報のお知らせサービスを開始


Amazon EchoやGoogle Homeに代表されるスマートスピーカーが11月から発売され、各種の媒体等での紹介を通して大きな話題となっている。ソニー、オンキヨー、ハーマンカードン、JBLなどのサードパーティーもいずれかの音声アシスタントに対応した商品を市場投入し、市場が急速に立ち上がってきた。そんな中、エディオンはAmazon Alexaに対応したスキル「ハロー エディオン」の提供を12月20日から開始した。

スキルの操作は「アレクサ、エディオンを開いて」

スマートスピーカーの特徴は、操作がボタンやタッチパネルなどによる入力ではなく、音声で指示する点だ。両手が塞がっているときや、手が水で濡れているときでもハンズフリーで操作ができる。ソニーのLF-S50Gはこれに加えて、手をかざすジェスチャーで音楽再生に関する操作が可能となっている。

スマートスピーカーが持つ検索機能はもちろん、家電や住設機器との連動、対話型AIの学習機能によるパーソナライズ化など、スマートスピーカーは消費者の生活自体を変える可能性を秘めている点が大きな話題の要因といえよう。

スマートスピーカーの先駆けとなったAmazon Echo。購入方法はAmazonのサイトから招待制を採用

スマートスピーカーの大きな特徴の一つが、拡張性。音声アシスタントのアプリ経由で、Amazon Alexaではスキル、GoogleアシスタントはActions on Googleからさまざまな企業が提供するサービスを利用できるのだ。株価情報や銀行の残高照会、料理レシピ、交通情報、飲食店検索など、ユーザーが自分に合ったサービスを選んで情報を入手することで、スマートスピーカーをパーソナライズ化できるのだ。

エディオンは12月20日からAmazon Alexaのスキルにサービスの提供を開始。スキルの名称は「ハロー エディオン」。「アレクサ、エディオンを開いて」と呼びかけると、ニュースや天気、今日の運勢、今日起こった過去の出来事や記念日の4つのトピックを音声で知らせてくれるというものだ。

Alexa対応機器で「ハロー エディオン」のサービスを受けるための3ステップ

利用者に合ったその日の情報を音声でお知らせ

ニュースについては政治やエンタメ、スポーツなどの8つのジャンルから知りたい情報を設定することで、スマートスピーカーが気になるジャンルのニュースを読み上げてくれる。

郵便番号を設定することで、居住地域や通勤先の天候や予報などを通知。また、生年月日を設定することで星座によるその日の金運、仕事運などを読み上げる。さらに、過去に起こったその日の出来事や記念日なども音声で知らせてくれる。これらは個々の指示が必要ではなく、4つのトピックが一連の流れで読み上げられる流れだ。

エディオンが想定している利用方法としては、起床後、Alexa対応のスマートスピーカーに話しかけるというもの。その日の情報を音声で知ることができるのだ。朝食の準備や食事中、身支度などをしている時に、“ながら”で情報が取得できるのである。

朝の忙しい時間帯にニュースや天気、運勢などのトピックを音声で読み上げてくれる

新たな販促策としてお買い得情報の提供も予定

今後、これらの情報に加えてエディオンのお買い得情報も提供していく予定であるが、提供開始時期は「現時点では未定」(同社広報)とのことだ。

エディオンは顧客接点の強化に取り組んでおり、同社のアプリによって店舗と自社サイトのマルチチャネル化を推進している。今回の「ハロー エディオン」についても最終的には情報発信をすることで、顧客の囲い込みや店舗、サイトへの送客を想定した新しい販促の手法と考えられる。

スマートスピーカーはネット経由でクラウドにつながり、ユーザーが話しかける内容をAIが学習して、情報をユーザーの志向性に沿った形で提供していくパーソナライズ化が実現できるものだ。

この特徴を踏まえると、エディオンが今後の予定としているお買い得情報の提供も、いわゆる全店統一の情報から個別のユーザーに合った形での情報提供へと進化させることも十分に考えられるだろう。

例えば、「ハロー エディオン」の利用者がユーザー設定の際に生年月日や自宅の郵便番号を登録することで、自宅近くや勤務先近くにあるエディオンの店舗のセール情報を流すことや誕生月の特典などをAlexa対応機器から音声で伝えるという手法もあるかもしれない。

販売促進策としてお客に対する伝達手段はマスを対象としたテレビやラジオのCM、折込チラシや電子チラシなどの他、特定ユーザーに向けた紙およびメールによるDM、アプリのプッシュ通知など、さまざまだ。そこに新しい販促の手法としてスマートスピーカーによるお知らせが加わりそうだ。他の家電量販店に先駆けて、スマートスピーカーという新たなデバイスへの対応をスタートさせたエディオンの今後の展開が注目される。