「真ん中」野菜室シリーズを新たに追加、三菱電機の冷蔵庫新商品


三菱電機は2月26日、野菜室を真ん中にレイアウトした同社の冷蔵庫「置けるスマート大容量」MXシリーズを発表した。発売は3月30日。ラインアップはMR-MX57D(定格内容積572L)、MR-MX50D(定格内容積503L)。価格はオープンで、店頭予想価格はMR-MX57Dが税別40万円前後、MR-MX50Dが税別36万円前後だ。

冷蔵庫市場は、共働き世帯の増加に伴い大容量のニーズが高まっている。一方で、集合住宅などの住宅事情により、さほど広くないスペースにも置ける大容量冷蔵庫を望む声が多いという。さらに三菱電機の調査によれば、外形寸法、容量に次いで購入者が重視しているポイントは冷蔵庫のレイアウトだという。

鮮度保持機能よりもレイアウトの重視度が高い

買い替え対象となる10~13年前に冷蔵庫を購入したユーザーへの同社の調査によると、過半数は野菜室が真ん中にある冷蔵庫を使用しており、次に買い替えたい冷蔵庫も同じレイアウトを希望する人が約6割を占める。買い替え時には、使い慣れたレイアウトを望む声が多いということだ。

買い替え対象のユーザーは、野菜室が真ん中にあるレイアウトを使用している

同社の静岡製作所冷蔵庫営業統括部長の高山博夫氏は、「各メーカーとも省エネ目標値を達成するために、冷凍室や製氷室などの同じ温度帯の部屋を近接させて冷却効率の向上を図った結果、冷凍室が真ん中のレイアウトが主流となった」と説明する。

つまり、ユーザーは野菜室が真ん中のタイプを求めているのに対し、市場でのラインアップが少ないため、選択の余地がないという状況がおきている。そこで、同社は現行の冷凍室を真ん中にレイアウトしたラインアップに加え、野菜室を真ん中にレイアウトしたMXシリーズを市場投入し、お客のニーズに対応する考えだ。

現在は冷蔵室が真ん中にあるタイプが主流

古くて新しい「野菜室真ん中」の進化ポイント

野菜室を真ん中にレイアウトすると、断熱材の配置によって省エネ性能の悪化と、庫内容量の減少という2つの問題が持ち上がる。それを解決したのが、同社独自の薄型断熱構造「SMART CUBE」の採用だ。真空断熱材とウレタンを合わせて使用することで、扉や外壁などを薄型化しつつ、高い省エネ性能を実現した。MR-MX50Dの場合、年間消費電力はWXシリーズのMR-WX52Cと同等の250kWh/年で、野菜室容量の98L、冷凍室容量の89Lも同じ。容量が同じなので、好みのレイアウトで商品を選べるというわけだ。

野菜室のカットモデル
SMART CUBEで真ん中野菜室でも省エネと大容量を実現

中POPなどで区別をつけやすく

同社ではWXシリーズとMXシリーズというレイアウトが異なる2つのシリーズをW展示して、お客にアピールしていきたいと話す。冷蔵庫は、接客を受ける前に、お客が自分で扉や引き出しを開閉することが多い。引き出しを開けたとき、野菜室なのか冷凍室なのか、判断する手助けになるのが中POPだ。

筆者が以前接客を受けた店舗では、野菜室にアイスクリームの空き容器が入っていたり、冷凍室に野菜のモックが入っていたことがあり、一瞬混乱してしまったという経験がある。レイアウトが混在する容量帯では、お客が扉を引き出した時に、どの部屋なのか直感的に分かるよう、庫内のPOPに注意しよう。

真ん中に野菜室と冷凍室という異なるレイアウトのシリーズを揃えた三菱。野菜室重視、冷凍室重視のどちらのニーズにも対応できるラインナップの強化は販売員にとって提案の際の大きなアドバンテージとなる。お客にニーズをしっかりとヒアリングして接客に臨もう。