エディオンが同社最大規模となるなんば本店出店を発表 2019年初夏オープンで、売場面積は15,000㎡超の超大型店舗
小学校跡地に10フロアからなる超大型店を出店
エディオンは今年の6月29日に大店法の申請を届け出済みだ。計画によると、新設の予定日は2019年5月1日となっているが、同社の発表によると“初夏”のオープン。当初計画の出店日よりもオープンは若干、後ろにズレるようだ。
新店の所在地は大阪市中央区難波3丁目。1995年に閉校となった市立精華小学校の跡地に現在、地下1階、地上9階建ての店舗を建設中で、売り場面積は約15,735㎡。大店法の届け出によると、駐車台数は96台で、駐輪台数は295台。営業時間は9時~24時となっている。
商圏内にはビックカメラやヤマダ電機の旗艦店が出店
なんば本店は難波センター街商店街と精華通りに囲まれたブロックの中にあり、目と鼻の先にビックカメラなんば店が店を構えている。
南海側にある、なんばパークスの突き当りにはヤマダ電機のLABI1なんばもある。さらに日本橋から恵美須町にかけての堺筋には上新電機が複数の店舗を出店しており、でんでんタウンと裏通りの通称“オタロード”にはアニメ系のショップやPCショップなどが軒を連ねるという立地だ。
推測されるリフォームとインバウンド対応強化
エディオンとして、どのような店舗を作るかは、まだ公表されていない。しかし、難波という街自体の特性を考えると、ある程度の推測は可能だ。まず、難波自体は観光目的の来訪者と同時にそこで生活する人々も多数いる街である。従って、家電商品はもとより、同社が力を入れているリフォーム事業においても潜在需要があると考えられる。
次に、難波には観光目的の訪日外国人が多数訪れるようになっている。ビックカメラなんば店にしてもヤマダ電機LABI1なんばにしても、いわゆるインバウンド需要に対して決済方法も含めて積極的に対応している。エディオンでも道頓堀店や心斎橋店で同様の対応をしているため、超大型店舗となるなんば本店でもインバウンド対応をさらに強化するであろう。
さらに難波は若い層も訪れる街だ。飲食店はもとより、ファッションや雑貨などのショップが多数集まり、吉本興業が運営するなんばグランド花月もある。難波の北側にある道頓堀周辺も多くの若者が集まるエリアだ。これらの層に対しては、スマートフォンやイヤホン、単身向けのデザイン家電などの品揃えを厚くしていくことが考えられそうだ。
エディオンがこれまで展開してきた事業や注力している事業を考えると、商材としては家電を柱としてELSの提案強化、玩具やゲーム類の品揃えの充実、訪日外国人や来店頻度促進という面から日用雑貨の取り扱い強化などが予想できる。また、商業地という立地特性から法人営業の強化も行っていくと思われる。
既存店では体験・体感型売り場を推進
売り場づくりという面で、エディオンは売り場からの情報発信による提案を積極的に行っている。15,000㎡超という売り場面積を活かし、体験・体感型の売り場づくりに注力することは想像に難くない。例えば、この1年ほどでIoT連携の家電が急増しているが、このIoTによる家電の利便性向上を具体的に提示する売り場を構築していくと思われる。
蔦屋家電に見られる家電と書籍の融合という形は考えにくい。広島や東京・二子玉川の蔦屋家電よりも多層階であるため、書籍との融合で店舗の滞留時間は伸びるかもしれないが、逆にフロアからフロアの移動をスポイルしかねないからだ。一部の商品カテゴリーでは採用することも考えられるが、効率面から見て全面的に蔦屋家電の手法を採用するのは難しいだろう。
エディオンは2005年に旧ミドリ電化を子会社化したが、店舗ブランドをエディオンとして統一したのは2012年。現在、大阪府では80店弱の店舗を運営するに至っている。2015年に大阪府立体育館をネーミングライツ契約によって「エディオンアリーナ大阪」とし、本年4月に5年間の契約延長を締結。エディオンのブランドを浸透させる取り組みは奏功しているものと思われる。
しかし、これまで大阪では郊外での店舗展開で、ターミナル部や繁華街などは売り場面積が小規模の店舗が多かった。立地や店舗規模からなんば本店は、間違いなく大阪でのエディオンの顔となる店舗だ。それだけにエディオンがどのような店舗を作るのか、それによって難波の競争状況がどのように変化するのだろうか。2019年初夏のオープンを待ちたい。
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