洗剤を使って丸洗いできる電気ケトル
グループセブ ジャパンは、5月30日に「ティファール」ブランドの2019年下半期の新製品発表会を開催し、水道水で本体を丸洗いできる電気ケトル「ウォッシャブル 0.8L」などを公開した。6月からの発売で市場想定価格は税別で1万円弱。
小型家電製品プロダクトマネジメント部 部長の島村朋希氏は、2018年の電気ケトル市場において、ティファールは販売台数前年比で6%増を達成したと報告した。拡大の背景にあるのは、多様なニーズに応えるラインアップの広さ。ラインアップが広いということは、提案の数も多いということだ。
島村氏は温度センサーを備え、温度コントールが可能なモデルはコーヒーや紅茶、緑茶など、適温の異なる飲み物を淹れるのに適しており、購入者アンケートの満足度が99%に達するなど、市場に新たな提案ができた一年だったと振り返った。
日本人の高い清潔感に着目
ティファールは2019年も新しい提案を行い、ラインアップを拡大する。ユーザーアンケートにおいて常に高いニーズを示す「お手入れのしやすさ」や「雑菌の付きにくさ」に着目。特に日本人は清潔性を重視する傾向が強いことから、やかんのように洗えるケトルに成長機会があると判断した。
新製品の「ウォッシャブル 0.8L」は特許取得済みの独自技術により、防水規格のPIX5に準拠。キッチンシンクなどで水道水や家庭用洗剤を使用して、鍋や食器と同じように洗える。蓋は取り外し可能で、スポンジなどを使ってケトルの内側まで洗浄できる。
丸洗いできるだけでなく抗菌力の高いAg+(銀イオン)を配合した、抗菌素材「マイクロバン」をプラスチック表面に採用することで清潔さをキープ。さらに注ぎ口もホコリを防ぐ機構になっている。
スイッチには初めて青色LEDを搭載。清潔感の演出に一役買うと言う。
開発に際して試作品をモニターに試用してもらったところ、「いつもきれいにできて便利」などの意見が多くて好評だったそうだ。
発表会の会場では、タッチ&トライコーナーで実際に水と洗剤を使った洗浄が試せた。洗剤は家庭向けに販売されている一般的なものであれば特に制限はなく、ゆすいだ後は布巾などでよく水を切って使ってほしいとのこと。なお、食器洗い乾燥機は使用不可だ。
店頭展示で利点を強調
島村氏によると、ティファールの電気ケトルの店頭と通販の割合は、ざっくりみて8:2程度。店頭は家電量販店がほとんどを占めると言う。家電量販企業の通販サイトで販売される数字をどう捉えるといった部分はあるにせよ、未だまだ店頭での販売構成比の高い商材であることは間違いないと言えるだろう。
店頭では動画を流したり、アクリル製の水をイメージしたPOPを展示したりして、丸洗いできる魅力を訴求する。売り場に実際の水場を用意するのが難しいといった問題はあるものの、「洗う」というのは、決して想像しづらいシチュエーションではないため、消費者に気付いてもらえれば購入意欲につながる商品だとの考えだ。
ちなみに海外展開について尋ねたところ、日本人ほど清潔性を気にする民族は少ないので、海外向けの展示会などで反応を見てからでないと何とも言えないそう。我々日本人からすると不思議だが、海外ではケトルが汚れてもあまり気にしないユーザーが多いらしい。
会場では電気ケトルのほか、衣類スチーマーや、日本市場向けに開発して市場に初参入となるキッチンナイフも披露した。
衣類スチーマーで発表されたのは「ACCESS STEAM」のリニューアルモデルや、「ACCESS STEAM Lite」の新色のロゼ。ACCESS STEAMは平均18g/minの連続スチーム能力を持ち、ヒーティングプレートを加熱して、シワを伸ばす、よりアイロンに寄った仕様となっており、連続利用に使いやすいトリガーロックなどを備える。