2020年度第1四半期の決算が発表 ヤマダは大きく利益を改善 エディオンは販管費増加で赤字決算に


ヤマダ電機、エディオン、ノジマの2020年度第一四半期決算が1日に発表された。ノジマの1Qは売上高、粗利益額とも前年同期比2桁増と好調に推移。ヤマダ電機の売上高は同1.9%増だが、営業利益額は同173%増と利益額が大きく改善した。その一方でエディオンは利益面で損失を計上した。

ヤマダ電機は営業利益額が前年同期比173%増と伸長

ヤマダ電機の2020年度1Qの売上高は、3,764億3,500万円で前年同期比1.9%増。粗利益額は1,085億8,100万円で同8.0%増と伸長した。テレビや白物家電は、特に高付加価値商品の販売が好調に推移し、エアコンも早期販売の成功と5月の暑さによって堅調に推移したという。さらにPCも2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了に伴う買い替え需要が顕在化し、堅調に推移したとしている。

この結果、前述のように粗利益額が伸長。販管費比率も前年同期比で0.6ポイント増となったが、営業利益額は同173%増と大きく改善された。営業利益率は1.6%で、前年度の1Qと比較すると1.0ポイントものアップとなった。

営業利益額ほどの伸びではないが、経常利益額も前年同期比43.5%増となり、経常利益率は前年度の1Qから0.6ポイントアップの2.0%となっている。

ノジマは売上高が11.0%増、粗利益額も17.9%増

家電専門店とキャリアショップの2つの軸で店舗展開を進めるノジマの2020年度1Qの売上高は、1,296億8,800万円で前年同期比11.0%増と2桁伸長。キャリアショップやインターネット事業の売上高は前年割れとなったが、家電専門店事業は好調に推移し、同セグメントの売上高は同107.9%と伸長した。

粗利益額は345億4,600万円で、売上高の伸長率よりも高い前年同期比17.9%増を記録した。この粗利益額の伸長によって粗利益率は26.6%。前年同期から1.5ポイントのアップである。その一方、販売管理費も前年同期比18.0%増となり、販管費比率は23.8%で前年同期から1.4ポイント増加した。

営業利益額は前年同期比16.3%増となる36億5,800万円。営業利益率は2.8%で、前年同期から0.1ポイント増となった。経常利益率は3.2%で、営業利益率と同じく前年同期から0.1ポイントのアップとなっている。

売上高8.6%増のエディオンは販管費も16.1%増

エディオンの2020年度1Qの売上高は、1,707億4,200万円で前年同期比8.6%増と伸長した。粗利益額も同7.3%増の507億4,900万円で、粗利益率は29.7%と高いレベルを維持しているが、前年同期から0.4ポイントダウンした。

今期はなんば本店を含む2店舗の出店と広島本店の建て替えオープンがあったため、販売管理費は前年同期比16.1%と大幅に増加。販管費比率は前年同期から2.0ポイントアップとなる31.4%と、30%を超えた。

この販売管理費の増加が利益面に影響し、28億9,800万円の営業損失、26億7,900万円の経常損失と、1Qは赤字決算となってしまった。

しかし、1Qは増収であることと超大型店の出店による販売管理の増大のため、赤字決算は一時的なものと考えられる。ただし、下期は消費税が引き上げられ、消費活動の停滞が懸念されるところだ。7月は全国的に気温が低く、期待していたエアコンも空振りに終わったといえよう。

この8~9月の2カ月で上期が終了する。現時点で駆け込み需要が活発化している印象はない。良くも悪しくも1Qは通過地点。上期という直前のゴールに向けた各社各様の取り組みを注視していきたい。