需要高まる家電アドバイザー・エンジニア、スマートマスター 家電製品協会主催の全国統一試験に12,000人以上が受験


家電に携わる人の必須資格である家電アドバイザー・エンジニアとスマートマスターの試験が9月1日と4日に実施された。毎年、9月と3月の2回、試験が行われ、今回は第37回目の試験となった。いずれの資格も業界の注目度は高く、今回も多数の受験者が受験した。

顧客対応のプロフェッショナルを認定

家電製品協会が主催する資格制度は3つの認定資格がある。一つは家電製品の販売員や営業および接客のプロフェッショナルのための家電アドバイザー資格。もう一つは家電製品の設置や修理、トラブル対応のプロフェッショナルのための家電エンジニア。3つ目が2016年の9月試験から資格制度が開始されたスマートマスターだ。これは住宅におけるエネルギーの有効活用とIoT化が進む家電などを組み合わせたスマートハウスの普及と拡大を担うプロフェッショナルのための資格だ。

年に2回、それぞれの試験が実施され、直近5回の平均受験者数は1万3,000人ほど。第37回となる今回の統一試験は9月1日に全国22カ所、9月4日は全国28カ所で開催され、約1万2,300人が受験した。

9月4日の試験会場となった拓殖大学の文京キャンパス。当日は北海道から沖縄の28会場で試験が実施された

ネット社会だからこそプロが求められる

消費税率引き上げの1カ月前での開催ということもあり、受験者は大幅に減少するのではないかと同協会では考えていたが、ふたを開けてみると予想以上の受験者数となった。同協会では、この活況といえる受験申請状況に対して、以下の3つの理由があるのではないかと分析をする。

①お客に対して、正しく、ありきたりでない情報が求められているため。②家電のネットワーク連携に伴い、家電単体の知識のみならず、クラウドやIoT、AIなどの新しい知識習得が必要になっているため。③家電、住宅、エネルギー、通信などがネットワーク化されることで、ボーダーレスな知識の必要性が高まり、異業種間競争が始まっているため。

2016年からスタートしたスマートマスターは、すでに資格保持者が6,000人を突破。住宅、エネルギー、家電、通信など各業界から注目されている資格だ

家電アドバイザー、家電エンジニア、スマートマスターでは、それぞれの対象分野自体は異なるが、共通するのは、人がお客に対して対応するということだ。対応の目的は、お客の暮らしがより快適に、より便利に、より効率的になること。そのために、お客に対応する者は必要な知識を習得し、古い情報をアップデートしなくてはならない。

ネットを使えば、いくらでも情報は収集できる。しかし、その情報は玉石混交。間違った情報や古い情報も含まれている。しかし、お客は判断できない。だからこそ、正しい知識を取得したプロフェッショナル、すなわち認定資格保持者が必要とされるわけだ。

プロフェッショナルとはありきたりな情報ではなく、お客の悩みや課題を解決できる情報を提供し、適切なアドバイスを行える者を指す。ネットでの情報収集が当たり前になっている今の時代だからこそ、そのような人材が必要とされ、企業側でも資格取得をバックアップしているのだ。

ネットでは得られない情報提供やソリューション提案がリアル店舗の強みだ

「マイスタディ講座」で資格所持者の継続学習を支援

試験後の主なスケジュールは以下のとおりだ。次回第38回統一試験は2020年3月に実施予定で、申請受付は12月1日から2020年1月25日。詳細については家電製品協会のホームページを参照いただきたい。また、同協会では今回試験の合格者を含む資格保持者が継続的に学習できる「マイスタディ講座」をホームページ内に設けている。パスワードでログインする資格保持者のみが閲覧できるコンテンツなので、こちらにもアクセスしてみよう。