大風量・低温で髪を乾かすダイソンのドライヤーが進化 通常よりも20℃低い温風を出す新アタッチメントを採用


ダイソンは、クリーナーで採用している小型でパワフルな同社独自のデジタルモーターと、羽根のない扇風機で採用したエアマルチプライヤーテクノロジーを活かしたDyson Supersonic Ionicヘアードライヤーを発売しているが、このほど進化した新製品を発表した。

日本で最も速く髪を乾かすドライヤー

9月3日に行われた発表会では、同社のパーソナルケア部門製品開発アドバンスドデザインエンジニアのサム・バロース氏が登壇。「Dyson Supersonic Ionicヘアードライヤーは日本で最も速く髪を乾かすドライヤー。これは本体に内蔵されたセンサーが1秒間に20回、風温を測定して過度な熱とならないよう制御するインテリジェント・ヒートコントロール機能により、髪にダメージを与えずに速く乾かせるのです」と述べた。

Dyson Supersonic Ionicヘアードライヤーの技術を説明するサム・バロース氏

同機能によって髪の艶は17%、髪の滑らかさは11%、自然乾燥と比べてアップするという。さらに、1cm3当たり4,100万個ものマイナスイオンの効果によって、髪のうねりや広がりを28%抑える。

圧倒的なマイナスイオンの放出量によって静電気が抑えられ、髪の広がりやうねりを防ぐ

同氏は「日本人の5人に1人は頭皮に悩みを抱えています。その人たちは、ドライヤーの温度を下げて使っていますが、そうすると乾燥時間は長くなってしまいます」とドライヤーの課題を説明する。

そこで、この悩みを解消するため、新たに開発されたのが、アタッチメントのジェントルエアーリング。頭皮がデリケートな人や髪の毛が細い人、ドライヤーの熱に敏感な人たちに向け、低温のやさしい風でありながらも素早く髪を乾かせるアタッチメントだ。

温風の温度を20℃下げるジェントルエアーリング

ジェントルエアーリングは、一見すると送風口に取り付ける波状の凹凸が付いたリングで、特筆するような形状ではない。しかし、このリングを取り付けることにより、本体に取り込んだ空気を4倍に増幅して風を送ることができるという。アタッチメントなしの場合の増幅率は3倍なので、より多くの空気が取り込めるようになった。

内周に波状の凹凸が付いたジェントルエアーリング
マグネットで本体の送風口に装着する。これだけで空気の取り込み量が非装着時よりも増える

本体に取り込んだ空気は、本体周囲の空気と混合することによって風の温度がジェントリエアーリング非装着時よりも約20℃下がる。低温だが、大風量を実現したことでドライヤーを使用する際の髪へのダメージは軽減され、さらにカラーリングによる色落ちを防ぐ効果もあるという。

実機を使って手のひらに風を当ててみたが、ジェントルエアーリング非装着時は通常のヒーター式のドライヤーよりも温度は低いが、勢いよく温風が当たった。ところが同リングを装着すると、明らかに温風の温度が低くなり、さらに風の当たり方も全く違った。柔らかい風になったのだ。表現は難しいが、直線的な風から丸みを持った風に変わったという感じだ。風量が弱くなったのではなく、風そのものが変わったという印象である。

ニードルプレートを使ったデモでは、どのような風が出ているかが目視できる。左がジェントルエアーリング非装着時で、右が装着時。風が明らかに違う
壁に当たった風の温度比較デモ。右がインテリジェント・ヒートコントロール機能オフで、中央がオン。左はジェントルエアーリング装着時。風が当たった壁の温度が異なっているのが分かる

「Dyson Supersonic Ionicヘアードライヤーは髪を素早く乾かします。しかも低温で、マイナスイオンを放出し、アタッチメントを装着することによって、より健康的な髪の毛を維持します」と同氏は話す。発表会では昨年発売したDyson Airwrapスタイラーの追加アタッチメントも紹介され、男女のモデルが登壇してヘアスタイリストによるデモンストレーションも行われた。

登壇した男性モデルの髪をブローする実演デモ。濡らした髪が速い時間で乾いた

Dyson Supersonic Ionicヘアードライヤーのアタッチメントは新開発のジェントルエアーリングのほか、手ぐしで乾かす時のスムージングノズル、ブローしたい部分に集中して風圧の高い風を送るスタイリングコンセントレーター、均一の風を送ってふんわりと仕上げるディフューザーの4種類が同梱されている。

体感を通して男性客にも積極的にアピールを

ドライヤーは、どうしても女性向けの商品と認識しがちだ。髪をカールするのに最適なスタイラーは確かにそうかもしれない。しかし、男性モデルも登壇させてのデモンストレーションは、同社が女性だけを対象としているのではないことを示しているといえよう。夫婦やカップルのお客に対しては、ぜひとも男性客に対する説明や体感を提案したい。特に、前述のジェントルエアーリングは体験してもらうと明らかな違いを実感してもらえるはずだ。

Dyson Supersonic Ionicヘアードライヤーの発売は9月11日。夏の紫外線でダメージを受けた髪を健康的な状態に戻すという提案もあるし、家電全般のトレンドから速く乾くということでの生活における時短も提案できる。

ドライヤーというカテゴリーで、ダイソンの製品は間違いなく高額商品の筆頭に挙げられる。だからこそ、お客が欲しいと思わせる仕掛けが必要だ。同社は専用什器や特設ステージなどを用いて積極的に自社のコーナーやブースづくりを行い、ダイソンのブランドイメージを高める努力をしている。しかし、白を基調として余計な装飾がないコーナー展開は、整然とし過ぎていて、ともすると誰もが手に取るという体感機会をスポイルする場合もある。

存在感のあるコーナー展開が、ちょっと体験してみようという気軽さを損ねることも

お客が同社のコーナー前で立ち止まって展示商品やカタログを見ていたら、極力、実際に体感してもらうよう努めたい。ドライヤーは夫婦や家族が共用して使用することが多い商品だ。女性客のみならず、男性客にも接客でアピールしよう。