ダイニチ工業が加湿器のハイエンドモデルを発売 従来機よりも加湿の量、スピードがパワーアップ


エアコンの普及率は2人以上世帯で90%を超え、1世帯あたりの保有台数は2.9台。冬場の暖房にエアコンを使用するのは一般的となっているが、冬場のエアコン暖房で気をつけたいのが、乾燥。そこで活躍するのが加湿器だ。ダイニチ工業は加湿量・スピード、そして使いやすさに優れた加湿器の新製品を発表した。

事業所向けモデルを使用しているユーザーの7割は家庭で使用

全国の有力家電量販店で6年連続して加湿器の販売シェアトップを誇るダイニチ工業は、ハイブリッド式加湿器の新製品LXシリーズを2機種、9月下旬から発売する。

HD-LX1019はサンドホワイトとモスグレーの2色展開。どのような部屋にも合うデザインだ
HD-LX1019はサンドホワイトとモスグレーの2色展開。どのような部屋にも合うデザインだ

昨今はエアコンの機能や能力がアップしたことで、エアコン暖房が普及してきた。しかし、エアコン暖房は室内を乾燥させてしまう。そこで、加湿器の出番となる。加湿機能付き空気清浄機もあるが、給水タンクの容量や加湿量を比べると、やはり単体の加湿器に勝るものはない。

ダイニチの調べによると、同社の900mL/hの家庭向け最大モデルは、適用床面積が木造で14.5畳、プレハブ洋室では24畳。ところが、木造住宅でみた場合、80%のユーザーが適用床面積以上の場所で使用していたという。

適用床面積以上の場所で使うと、設定湿度に達するまでに時間がかかる、湿度が上がりきらない、という状態になる。

ダイニチの一般家庭用RXシリーズのユーザーアンケートでは、適用床面積よりも広い部屋で使用しているユーザーが8割もいた
ダイニチの一般家庭用RXシリーズのユーザーアンケートでは、適用床面積よりも広い部屋で使用しているユーザーが8割もいた

逆に、加湿量が1,500mL/hの同社の事業所向けパワフルモデルは、事業所向けにも関わらず、一般家庭での使用が72%だった。加湿量を優先して事業所向けを一般家庭で使用すること自体は問題ないが、事業所向けということで、デザインや本体サイズが一般家庭のリビングには合っていない面がある。

事業所向けのパワフルモデルは、ユーザーの72%が一般家庭のリビングで使用している

LXシリーズは「パワフル」「使いやすさ」「スタイリッシュ」を実現

同社の加湿器ユーザーの声をWebアンケートで募集したところ、「水を入れるタンクが持ちにくい」「タンクの下のトレイの掃除がにしにくい」「気軽に場所を動かしたい」などが挙げられ、使いやすさの改善を求める声が多かったという。

そこで、ダイニチ工業では「パワフル」「使いやすさ」「スタイリッシュ」をキーワードとして、この3つを兼ね備えた加湿器の開発に着手し、LXシリーズの発売にいたった。

新製品のLXシリーズは3つのキーワードを軸にして開発。機能はもちろん、デザインや使い勝手にもこだわった
新製品のLXシリーズは3つのキーワードを軸にして開発。機能はもちろん、デザインや使い勝手にもこだわった

LXシリーズは2機種。加湿量が最大960mL/hのHD-LX1019と最大1,200のHD-LX1219だ。LX1019の適用床面積はプレハブ(洋室)が27畳までで、木造住宅では16畳までだ。LX1219はプレハブ(洋室)が33畳までで、木造住宅では20畳までと、かなり広いリビングでも十分に加湿することができる。

位置づけとしては一般家庭用と事業所向けの中間に当たり、これまでの空白ゾーンを埋める形だ。一般家庭用向けで適用床面積がプレハブ(洋室)24畳のHD-RX919と比べると、設定湿度までの到達時間を約30%短縮。これまで、あえて事業所向けを家庭用で使用していたユーザーにも満足できる加湿スピードと加湿量といえるだろう。

これまでの空白ゾーンをカバーし、一般家庭でも十分な加湿量を室内に放出する
これまでの空白ゾーンをカバーし、一般家庭でも十分な加湿量を室内に放出する

使い勝手にもこだわった。7.0Lの大容量タンクにはタンクの上下にとってを付けた「タンクWとって」を採用。これにより、給水時にタンクを両手で持って持ち運びができるようになり、スムーズな給水作業が可能となった。また、本体を移動させる際に片手で動かせるように「カンタン持ち運びハンドル」も搭載した。

給水タンクを両手で持てる「タンクWとって
給水タンクを両手で持てる「タンクWとって」
天板部中央に「カンタン持ち運びハンドル」を付け、給水時や移動時の操作性を改善
天板部中央に「カンタン持ち運びハンドル」を付け、給水時や移動時の操作性を改善

運転音は最小で13dBと、意識しないと聞き取れないレベル

タンクの水を貯めるトレイは水アカなどで汚れやすくなる。通常は、水洗いをして汚れを落とすが、LXシリーズではトレイにピッタリとフィットした樹脂製のトイレカバーを採用。このカバーは取替えが可能で、交換の目安は1シーズン。汚れたら新しいカバーに交換するだけで、トレイに汚れが付く心配がない。

業界初となる樹脂製の交換式トレイカバーにより、トレイの手入れが非常に楽になる
業界初となる樹脂製の交換式トレイカバーにより、トレイの手入れが非常に楽になる

加湿能力が高くなると運転音自体も大きくなりがちだが、最小運転音は13dB。これは一般家庭用のRXシリーズの最小運転音と同じで、ターボ運転時を除く最大音も34dBと非常に静かだ。発表会当日はテントで遮音をした体感コーナーを設けていたが、耳を澄まさないと音が聞こえず、操作パネルの設定が赤く点灯していたことで運転をしていることが分かったほど運転音は極めて小さかった。

売り場では機能と使い勝手を説明しよう

ハイブリッド式加湿器は、立ち上げてから設定湿度に達するまでは温風を使って急速に加湿し、設定湿度に達したらヒーターをオフにして風による加湿を行う方式。非常に合理的で効率的な加湿により、省エネにも貢献する。売り場での接客では、まず、このハイブリッド式のメリットを説明しよう。

続けて、本来は事業所向けのモデルを使用する家庭が約7割もいることを伝え、一般向けモデルの加湿量では足りないと考えているユーザーが多いと知ってもらおう。このことをしっかりと伝えることで、LXシリーズの加湿能力が大きなアピールになる。

操作パネルを示しながらの説明では、湿度が1%刻みで表示され、運転停止中も表示が可能なため、室内の乾燥状態が常に分かる。操作部はシンプルで、運転モードや設定湿度の表示も一目瞭然で分かりやすい。

運転時は操作パネルの各モードのインジケーターが点灯。シンプルな表示になっているので、設定自体を確認しやすい

「ターボ」は設定湿度に達するまで加湿量を約15%アップする機能で、帰宅時や運転を停止していた起床時などに素早く加湿ができる。「おやすみ加湿」はボタンを押すと約1時間、13dBの最小運転音で運転し、その後は静音運転にする機能。運転音がほとんどしないレベルなので、音を気にすることなく快適な入眠が可能。また、入眠時の刺激をなくすため、最小運転時は操作パネルの明るさも自動的に抑える。これらの機能は、実機を示しながらしっかりと説明したい。

夏場に体感温度を下げるため、除湿モードにするのと逆に、冬場は室内の湿度を上げることで体感温度が高くなる。この加湿をうまくコントロールすることで、暖房時の省エネにもつながることも説明し、積極的にLXシリーズを提案しよう。