Blueairがフラグシップの新シリーズ3モデルを発売 新フィルターの採用により3大生活臭を5分で99%以上除去


日本人はニオイに敏感な国民と言われている。消臭芳香剤の市場は、直近の5年間で約120億円も拡大しているとの調査もある。メーカー各社も単体の脱臭機を市場投入し、需要は増加傾向。空気清浄機はホコリや汚れ、微粒子などを補修・分解するものの、ニオイはなかなか取りにくい。Blueairが11月28日に発売するClassic X90iシリーズは、高い空気清浄性能を維持しながらも非常にスピーディー、かつ高い脱臭能力を備えたモデルだ。

Blueairが製品開発で重視する3つのポイント

Blueairの日本総代理店であるセールス・オンデマンドは11月26日、Blueair Classicの新シリーズであるX90iの新製品発表会を開催。現在の空気清浄機のユーザー動向について、同社の代表取締役社長でマーケティング本部本部長である室崎肇氏が解説した。

周知のとおり、Blueairはスウェーデンの空気清浄機専業メーカーで、世界60カ国以上で販売。独自技術の「HEPASilent®テクノロジー」で高い除去性能とハイスピード清浄を誇る空気清浄機だ。約6カ月でフィルターを交換することにより、高い清浄機能を低下させることなく維持するという。

Blueairは1996年創業、日本では2010年から販売をスタートした

「製品開発でBlueairが大事にしている3つのポイントがあります」と室崎氏は語る。その3つとは、Performance、Design、Connected Experience。Performanceでは消費電力や騒音を抑制するとともに、多くの空気をより早く供給することを重視。Designは目障りにならず、住居スペースにフィットした高品質で安心感をもたらす。Connected Experienceは単にスマホとつながって便利というだけでなく、住居環境を安全・快適に保つためにスマホとつながるということ。「Blueairは最高のユーザー・エクスペリエンスを実現するために、これらのポイントを大事にして製品の開発と改善を続けています」(室崎氏)

Blueairの理念は、次世代のためにキレイな空気を。そのために3つのポイントを重視して製品開発を行っているという

今年の5月下旬から6月初旬にかけて空気清浄機ユーザー約3,000名にアンケート調査を実施したところ、ユーザーの約7割が加湿機能付きを購入し、5万円以上の売価帯を購入したユーザーは13.8%であった。Blueairの特長をこの結果に当てはめると、「Blueairのセグメントとしては、市場全体の4%程度しかないことになり、この数値が販売シェアの上限になってしまう懸念がありました。売価帯が5万円以下のBlue Pureというシリーズもありますが、フラグシップはClassicシリーズなので、改めて考えなくてはいけないと思いました」と室崎氏は語った。

加湿機能なしの空気清浄機を購入した割合は28.8%。諸外国と比べて日本市場は特異という

ユーザーのニーズは消臭脱臭>加湿機能

同じ調査で空気清浄機に求める機能を聞くと、94.6%が「空気清浄機能」で、次が「加湿機能」ではなく、「消臭脱臭機能」であることが分かった。この結果を受けて、「高い「空気清浄機能」はそのままに、より「消臭脱臭機能」に優れた製品を提供できれば、当社のシェアをアップさせることができるのではないか、と考えています」と述べた。

求める機能を優先順位で聞くと、加湿機能よりも消臭機能が高い結果となった

室崎氏に続いて登壇したマーケティング本部マーケティンググループマネージャーの荒井加奈子氏は、3大生活臭について解説。3大生活臭とは、排泄臭、ペット臭、タバコ臭の3つだ。

生活臭とは日常生活の中で発生するニオイで、近年、メディアで取り上げられることも多くなっている

高齢化社会が進み、高齢者の介護が社会問題となっている。施設であろうが、自宅であろうが、介護者にとって排泄臭は大きなストレスとなる。また、昨今はペットを家族として一緒に暮らす生活スタイルが増加傾向にある。ペットは生物であるため、ニオイを発する。それがペット臭と呼ばれ、その対策用にさまざまなペット用消臭剤が販売されている。

喫煙者は減少傾向にあるが、嗜好品としてタバコを吸う層は一定数いる。最近は煙やニオイが出にくい電子タバコもあるが、裏返すとタバコのニオイはもともと好まれるニオイではないということだ。

ニオイの除臭に特化したフィルターを新搭載

Classic X90iシリーズは、性能がさらに向上したセンサーと、ニオイ除去に特化したデュアルプロテクションフィルターを搭載している。このデュアルプロテクションフィルターは、環境にやさしいココナッツカーボンを砂粒のように砕いてフィルターに配合し、除臭効果を高めたもの。これにより、市場ニーズの高い3大生活臭を5分で99%以上除去することができるという。

デュアルプロテクションフィルターに使用されているココナッツカーボンはミクロの孔でニオイを吸着する

デュアルプロテクションフィルターはダストフィルターとココナッツカーボンフィルターの2層構造になっており、「ココナッツカーボンフィルターでニオイを除去し、ダストフィルターでは従来どおり、ウイルスレベルの微粒子まで除去することが可能です」と荒井氏は説明する。

黒色はココナッツカーボンフィルターで、白色はダストフィルターからなる2層構造になっている
デュアルプロテクションフィルターはダストフィルターよりも早い時間で除臭効果を発揮する

脱臭機市場は拡大トレンドにあり、メーカー各社では単体の脱臭機を市場投入している。空気清浄機でもニオイは取れるのだが、完璧ではない。逆に脱臭機はニオイこそ除去するが、空気の微細な汚れやホコリは除去できない。「現行の商品において、空間の空気清浄と除臭の両者を求めるとなると、2台必要になります。価格はもちろん、設置スペースも2台分必要となります。Blueair X90iシリーズであれば、空気清浄と除臭が1台でできます」と訴求する。

Classic 490iと焼き肉のタレを使ったデモンストレーションでは、焼き肉のタレを入れたボックス内に臭気計を入れると700近い数値だったが、運転を開始するとわずか1分程度で数値は50ほどに下がった。ボックス内の実験ではあるが、非常に早いスピードでニオイが90%以上除去され、その効果のほどがデモンストレーションで実証された。「Blueairは除臭に特化した新製品の投入により、日本の生活ニーズに応える快適な空質環境を提供していきたいと考えています」と荒井氏は抱負を述べた。

デモンストレーションではボックス内に充満したニオイが1分で90%以上除去された

畳数に合わせて選べる3タイプをラインアップ

新ラインアップは、アメリカ家電製品協会が定めるCADR値に基づく推奨フロア面積で44畳(日本電機工業会のJEM1467規格では75畳)までのClassic 690i、24畳(同33畳)までのClassic 490i、16畳(同25畳)までのClassic 290iの3モデル。いずれも発売日は11月28日。Classicシリーズは、現行の605、405、205と合わせて6モデルとなる。

11月28日発売のX90iシリーズ。価格は新フィルターの搭載により、現行よりも若干高くなっている

Classic 690iと605の違いは、室内の空気の状態を検知するセンサー。690iはセンサー内蔵だが、605には内蔵していない。また、690iは前述のデュアルプロテクションフィルターを初期搭載しているのに対して、605はダストフィルターという違いもある。これは400番台と200番台にも共通の仕様だ。

これまでのニオイフィルターは終売となり、デュアルプロテクションフィルターに置き換わる。だが、「既存のClassicシリーズと互換性はありますので、既存シリーズのユーザーはフィルターをデュアルプロテクションフィルターに替えてもらうことで、これまで以上にニオイ除去の効果を発揮します」と荒井氏は語る。

デュアルプロテクションフィルターは既存のClassicシリーズとも互換性がある

新シリーズの発売に合わせてセールス・オンデマンドではWチャンスキャンペーンを展開する。一つはInstagramでBlueairの公式アカウントをフォローして、“いいね!”を付けた中から1名にJTB旅行券50万円をプレゼント。もう一つは2020年1月13日までに対象製品を購入すると、購入したモデルに搭載のフィルターをもれなく1個プレゼントするというものだ。

室内の空気やニオイに悩むお客にソリューション提案

Blueair Classicは、他社と比較すると高価格帯製品であることは確かだ。それゆえ、取り扱いはしていても店頭展示されていないケースも少なくない。しかし、逆に捉えると空気清浄機の単価アップ商材としては最適な製品といえるだろう。フィルターの定期交換によるランニングコストアップにしても、初期性能を維持するという観点からすると理にかなっている。

アメリカ家電製品協会によるCADRは、部屋の空気をどれだけ早くキレイにできるかにフォーカスした規格。昨今の集合住宅は個室をあまり広く取らず、その分、リビングをワイド化している。部屋が広くなればなるほど、清浄スピードが求められる。BlueairはCADR値で最高値以上を取得。空気清浄機を購入するお客は、自宅の空質に何らかの課題を抱えているため、ハイスピードでウイルスレベルまで除去するBlueairの接客では、まず、その本質である空気清浄機能を訴求したい。

Blueair600シリーズはCADR値で最高値以上を取得している

今回搭載したデュアルプロテクションフィルターは除臭効果に優れるという。おそらく一般の多くは、空気清浄機と脱臭機との違いをしっかりと理解しているとは言い難いので、接客の際は、この違いを説明して1台のみの設置による省スペース性も提案しよう。

また、現行のClassicシリーズの6モデルは、いずれもWi-Fi対応で無料アプリのBlueair Friendに対応している。電源のオン・オフはもちろん、ナイトモードの設定や室内空気のモニタリングもできる。このモニタリングでは、室内のPM2.5や総揮発性有機化合物も確認できるので、室内の空気を「見える化」して空質改善に役立てられることも伝えておきたいポイントだ。

Blueair Friendのダウンロードで、外部からの操作や室内の空気を「見える化」できる

デュアルプロテクションフィルターで従来よりもニオイ物質の除去能力が向上した新しいBlueair Classicシリーズ。ペット臭などによる室内のニオイ対策で脱臭機を求めに来たお客にも推奨できる。空気清浄機、脱臭機の双方のお客に対して売り場でのソリューション提案を行おう。