ビックカメラが都内に2店舗を新規オープン 六本木とソラマチに小型店を出店し、幅広い客層に対応


新型コロナウイルスの影響が直撃した首都圏・東京。約1カ月半以上続いた緊急事態宣言が解除となったタイミングで、ビックカメラは都内に新店を2店オープンすることを発表した。新規オープンの店舗はいずれも小型店だが、六本木とスカイツリータウンという人が集まるロケーションだ。

駅直結の「セレクト六本木駅店」は売り場面積480㎡で4フロア

6月1日にオープンするのは「ビックカメラ セレクト六本木駅店」。東京メトロ・日比谷線、都営地下鉄・大江戸線の六本木駅4a出口と直結しているメトロシティ六本木に出店する。店舗は1~4Fの4フロアで、売り場面積は約480㎡。店舗スタッフは14名。営業時間は午前11時から午後9時までである。

駅直結で4フロアの六本木駅店は、ビック酒販による酒類売り場に1フロアを当て、来店頻度を高める

同社の『セレクト』は小型店ながら、地域の特性や環境に合わせて取扱商品を選んだ店というコンセプト。これまで東京の原宿店と京都の京都四条河原町店の2店があり、今回は3店目になる。

セレクト原宿店は、その立地からコスメや理美容家電など、女性客を意識した品揃えだった

オフィスワーカーと近隣住民の利便性を向上

六本木駅直結で六本木交差点近接という立地は、繁華街であると同時に周囲にはオフィスも多くある。1Fにパソコンや情報系の商品を配置したのは、同社によると「近隣のオフィスワーク需要に対応するため」という。2F以上の上層階については「近隣にお住まいの方々に、日常的な利用をしていただくための品揃え」とのことだ。

また、同社で積極的に取り組んでいるネット取り置きについては4Fにサービスカウンターを設置し、対応。既存店では「ネットで取り置き」カウンターを入り口から近い位置に配置しているが、4Fに設置した理由について、同社では「4Fはハード商品を展開しており、取り置きされた商品の関連アイテムをお客様にご案内できるため」と説明する。

既存店の取り置きカウンターは出入り口近くのレジ横というパターンが多かったが、六本木駅店は関連商品との効果を狙い、4Fに配置

Air BIC Cameraの7店舗目が東京ソラマチにオープン

5月29日には、東京スカイツリーの足元にある商業施設の東京ソラマチ タワーヤード3階に「Air Bic Camera 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」をオープンする。

新店は細長い東京ソラマチの中央部、タワーヤードの3階に出店。東京ソラマチには300以上のテナントが入店している

同店を運営するのは、ビックカメラと日本空港ビルディングが共同出資するAir BIC。2016年4月オープンの羽田空港を皮切りに、成田空港や中部国際空港など、空港内出店とともにアクアシティお台場、ダイバーシティ東京という観光地の商業施設への出店も進めてきた。Air BIC Cameraとして今回の出店が7店舗目となる。

2016年にオープンしたAir BIC Camera羽田空港(現在は移転して名称も変更)は当時の状況に合わせてインバウンド需要の刈り取りがメインだった

「Air Bic Camera 東京スカイツリータウン・ソラマチ店」の売り場面積は約220㎡で、スタッフは8名体制。取り扱い商品は家電、カメラ、時計、ゲーム、日用品など。売り場が小さいため、品ぞろえに関しては人気商品のセレクトショップという位置づけだ。

国内外からの観光客だけでなく日常的な買い物も想定

東京ソラマチは東京スカイツリーの直下で、浅草からも近いため、外国人も多く訪れる。新型コロナウイルスの影響はあるが、収束後にはインバウンド需要も期待できる。多言語対応スタッフは配置していないが、既存店で導入しているソースネクストのポケトークを活用して対応するという。確かに観光地ではあるが、周辺は住宅も多数存在するエリアで、地域住民の日常使いニーズにも応える考えだ。

東京ソラマチは東京スカイツリーのまさに足元にあり、タワーを挟む形で左右に店舗が伸びている構造だ

売り場面積の関係から展示商品は限られるが、「セレクト六本木駅店」と同様、「ネットで取り置き」サービスにも対応し、取り寄せや配送でニーズに対応するという。

今回、出店する2店は繁華街や観光地であるものの、店舗規模としては小さく、ビックカメラの売上高に大きく貢献するとは考えにくい。しかし、同社が推進しているオムニチャネルという観点で捉えると、観光客やビジネスマンなど、人が集まる立地ならではの波及効果が期待できそうだ。