大塚家具の会長にヤマダ電機の三嶋社長が就任 取締役9名中、ヤマダ電機からの取締役が4名占める


大塚家具は2019年2月にヤマダ電機との業務提携を発表。人材交流や商品供給等を通して両者の相乗効果を図ってきた後、12月に新株式の第三者割当によってヤマダ電機の連結子会社となった。株主総会を7月30日に控えた6月24日、大塚家具は新役員体制として、ヤマダ電機代表取締役社長の三嶋恒夫氏が代表取締役会長に就く役員人事を発表した。

社外取締役を除く新任取締役は全員がヤマダ電機

大塚家具は6月24日、代表取締役の異動と役員人事を発表した。正式には7月30日開催予定の株主総会とその後の取締役会で決定となるため、現段階では内定という位置づけである。

発表された代表取締役の異動では、ヤマダ電機代表取締役社長の三嶋恒夫氏が大塚家具の代表取締役会長に就任する。また、合わせて取締役の員数の上限を7名から9名に変更する定款の一部変更も発表された。

大塚家具の新会長に就く三嶋恒夫氏と大塚久美子代表取締役社長。LABI1日本総本店のリニューアルオープン時

新取締役5名のうち、三嶋氏を含む4名がヤマダ電機の在籍者となる。三嶋氏を除く3名は清野大輔氏と村澤圧司氏、名取暁弘氏。取締役9名中、4名がヤマダ電機在籍者という新体制になるわけだ。

前述したように、これまで両社は双方の事業を相乗効果として活かすために人材交流や商品供給を通して家電と家具のトータル提案を推進してきた。それはヤマダ電機の家電住まいる館やLABI1日本総本店などで実際の形となって現れているが、ヤマダ電機での取り組みに偏っていた。

しかし、大塚家具でも2020年3月に有明本社ショールームで家電の展示販売を本格化させ、6月19日からは新宿や横浜みなとみらいなどの全国7店舗でも同様の取り組みをスタート。シーン別に家具と家電を組み合わせた提案で、顧客開拓や売上アップを図っていく。

ヤマダ電機とのコラボを強調し、折込チラシでは新しい大塚家具をうたう

直近決算は4期連続の赤字で赤字幅は過去最大

大塚家具の決算月は12月だったが2018年12月期を最後に、決算月を4月に変更。6月19日に発表した2020年4月期は、2019年1月~2020年4月までの16カ月の変則決算だ。12カ月対16カ月であれば当然、売上高や利益の絶対値は高まるはずだが、そうではなかった。

大塚家具の2020年4月期売上高は前年比93.2%と減収。新型コロナウイルスの影響があったにせよ、非常に厳しい数字だ。利益面では最終損益が約77億円の4期連続赤字決算で、この約77億円は過去最大の赤字幅である。

このままだとジャスダックの上場廃止も想定されるため、早急に業績改善を実現することが必須の課題となる。ヤマダ電機のテコ入れで大塚家具がどのような形になっていくのか。三嶋氏をはじめとするヤマダ電機からの新役員に課せられたハードルは決して低くない。