就寝時は「おやすみ加湿」から「おやすみ快適」に進化
2003年にハイブリッド加湿器を市場投入し、その静音性と国内生産による品質性を誇るダイニチ工業は、ハイエンドモデルのハイブリッド加湿器「LXシリーズ」の2020年モデル2機種を発売した。
発売したのはプレハブ洋室27畳まで、木造和室16畳までのHD-LX1020と、プレハブ洋室33畳まで、木造和室20畳までのHD-LX1220。
同社がモニターアンケートを行ったところ、就寝時に湿度を50%に保つ「おやすみ加湿」に設定していたのは全体の25.8%。51.5%が「おやすみ加湿」ではなく、湿度設定可能モードを選択していたことが分かった。
この51.5%の約半数が「おやすみ加湿」よりも高い60%と70%に設定していたという。この結果から同社では、「自分に合った加湿をしたい」「寝ている間もより快適に過ごしたい」というニーズがあると考えた。
そこで、新製品では新たな設定モードとして「おやすみ快適」を搭載した。就寝時を大別すると“眠りにつくまで”と“眠りについてから”に分けられる。「おやすみ快適」では、この“眠りについてから”の湿度が選択でき、ユーザーは自分に合った設定湿度で快適な睡眠が得られる。
ユーザーに好評の「カンタン取替えトレイカバー」を継続搭載
1,200mL/h(HD-LX1220。HD-LX1020は960mL/h)の高い加湿能力と加湿スピードや2019年モデルから採用した手入れが容易な「カンタン取替えトレイカバー」、給水時のタンクの持ち運びに便利な「タンクWとって」、抗菌加工なども継続機能として搭載している。
機能の横展開で各シリーズの新製品の機能充実を図る
また、「LXシリーズ」以外のシリーズの新製品も発売となったが、いずれのシリーズでも「LXシリーズ」に搭載されている機能が追加搭載されている。各シリーズを簡単に紹介しよう。
6Lタンクを2つ搭載し、約60畳のスペースにおいて45分で湿度を30%から50%にする加湿量の「HDシリーズ パワフルモデル」の新製品3機種(HD-154、HD-184、HD-244)には新たに「カンタン取替えトレイカバー」を搭載。
洋室、和室を問わずインテリアともマッチするスタイリッシュなデザインの「RXシリーズ」の新製品には、「おやすみ快適」と「Ag⁺抗菌アタッチメントEX」を搭載した。
置き場所を選ばないホワイト基調のデザインが映える「HDシリーズ」は就寝時の設定モードがなかったが、新製品では「おやすみ加湿」機能を搭載した。「LXシリーズ」と「RXシリーズ」の従来機に搭載していた機能を「HDシリーズ」に搭載した形だ。
ダイニチの4~7月の出荷台数は前年の倍増に拡大
同社によると、「LXシリーズ」の2019年モデルは2019年度の売上計画に対して約170%の実績値となったという。また、2020年4~7月の同社の累計出荷台数は前年同期比約220%と倍増。加湿器本来の需要期は終わったにも関わらず、新型コロナウイルスの影響で需要は伸び続けているようだ。
店頭において加湿器は実演することが容易ではなく、機能の特徴やラインアップの違いなどがお客に伝わりにくい面がある。ダイニチの新製品で「HDシリーズパワフルモデル」を除くシリーズの最小運転音は13dB。このまま伝えてもお客は分からない。同社では「静かな公園の木の葉が触れ合う音よりも小さい」としており、これならお客は容易に静かさをイメージできる。
湿度の目安を分かりやすく伝えよう
また、温度と異なり、湿度のパーセンテージを示されても分かりにくい。これも目安を示すとよいだろう。同社はホームページで、
・就寝時や室内の結露が気になるときは → 50%
・乾燥が気になるとき → 60% または 70%
としている。
また、一般的に肌の乾燥予防には55~65%、インフルエンザウイルスの予防には50~60%と言われている。
このようにお客に説明することで、新搭載した「おやすみ快適」の湿度選択のメリットが伝わりやすくなる。形として見せられる「カンタン取替えトレイカバー」や「タンクWとって」は実際に取り外してお客に見せることが可能な機能だ。
同社のラインアップは、実は適用床面積で見ると非常に分かりやすい。適用畳数が被るのは「RXシリーズ」と「HDシリーズ」だが、「RXシリーズ」の「ターボ」や「おやすみ快適」に対して、「HDシリーズ」では「ターボ」が非搭載で、「おやすみ加湿」という運転モードの違いがある。
高気密住宅が増え、さらにウイルス予防として換気の重要性が広く知られるようになった現在、需要が増加している加湿器をしっかり説明して拡売していこう。
■関連リンク
ダイニチ工業株式会社
・加湿器:LX SERIES