ビックカメラの代表取締役社長にコジマの木村一義社長が就任 コジマの新しい代表取締役社長にはコジマ出身の中澤裕二氏
15年間代表取締役社長を務めた宮嶋氏は取締役副会長に
ビックカメラの決算月は8月で、今月が決算月に当たる。2019年8月期連結決算は増収減益で、直近の2020年8月期第3四半期の累計連結決算では減収減益であり、2期連続して減益となる。月次の売上情報でも2019年9月~2020年7月は前年比88.5%と前年2桁減で、予想を下回る可能性もある。
このような経営環境の中、ビックカメラは8月27日に代表取締役の異動人事を発表。9月1日付けで代表取締役社長の宮嶋宏幸氏に代わり、新しい代表取締役社長にコジマの代表取締役の木村一義氏が就任するというものだ。
今回の異動については、「2005年の就任以来15年間代表取締役社長を務めてきたことと、2期連続しての減益となることから勇退の申し出があった」と同社では説明する。現在、ビックカメラは創業者の新井隆司氏が取締役を兼ねない会長で、宮嶋氏は取締役副会長に就任する。
7年間コジマの社長を務めた木村氏から中澤氏にバトンタッチ
ビックカメラの新社長になる木村一義氏は証券業界出身で、ビックカメラの顧問を経て2013年にコジマの代表取締役会長兼社長に就任。この4年間は増収増益で推移している。2020年8月期は増収減益予想だが、この減益については親会社のビックカメラとの役務提供に関する費用約19億円の支払いを反映したためのものだ。
また、木村氏のビックカメラ代表取締役社長就任に伴い、コジマの代表取締役社長には
中澤裕二氏が就任する。中澤氏は1995年コジマに入社後、店長や本部のマネージャーを経て、2018年に常務執行役員営業本部営業企画・管理部長に就任している。
コロナ禍で都市型店舗のあり方が変わるか
今回の異動は新陳代謝を促す意味もあるだろうし、コロナ禍によって都市型店舗と郊外型店舗のポジションが変化した表れと見ることもできよう。これまではビックカメラのノウハウをコジマに移植してきたが、これからはコジマが推進している地域密着という視点も都市型店舗には必要になっているのかもしれない。
このほどヨドバシカメラでも代表取締役社長が代わった。奇しくも都市型での展開を推進してきた2社の社長が同時期に代わったということは意味深い。大都市圏のターミナル立地で不特定多数を集客するこれまでのビジネスモデルが、コロナ禍の影響で新たな方向性を見出すことが必要になってきたと見ることもできる。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、新しい価値観や変革が求められている。今後のビックカメラとコジマがどのような形で時代にフィットさせていくのか、注視していきたい。
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