上新電機がドラッグストア店舗を営業譲渡 大阪・奈良のマザーピア6店をウエルシア薬局に
中期経営計画の一環でマザーピア単独店を譲渡
上新電機の新たな中期経営計画「JT-2023経営計画」では、各種販売チャネルの融合を基本方針として、販売形態の有機的な統合・再編で本業に一層の磨きをかけるとしている。収益計画では高シェアの地域・事業ドメインに資源を集中し、販売・収益力を強化するという。
この計画の一環として現在、単独店舗として営業を行っている大阪府と奈良県のマザーピア6店舗を11月2日にウエルシア薬局に譲渡することを決定した。
マザーピアはドラッグストア事業として1995年に開設。現在は単独店と上新電機のインショップ店の2つの形態で営業を行っている。今回の営業譲渡については単独店が対象で、インショップ店については今後の検討課題という。
また、営業譲渡する店舗の閉店については現段階で明確な閉店日は決まっていないが、11月2日の譲渡予定日までにクローズする予定だ。
ウエルシアは近畿地区のドミナント強化目指す
ウエルシアホールディングスは2019年度の連結売上高が8,682億8,000万円で、ドラッグストア業態の売上高トップに立つ企業。子会社のウエルシア薬局は国内で1,818店(2020年5月末時点)を展開している。
コロナ禍でドラッグストアは全体的に好調な業績で推移している。その一方でM&Aによる業界再編も進んでおり、ウエルシアサイドでは近畿地区でのドミナントの強化を目指す目的からマザーピアの譲受を決定したという。
マザーピアで取り扱っているのは。いわゆる非家電商材だ。集客という観点からみると、非家電商材の取り扱いは多くのお客の来店動機につながるもの。しかし、その集客効果も単独店舗では家電販売への波及効果が限定的となってしまう。
つまり、業態の再編と資源の集中によって、特に家電販売事業の底上げを図る上新電機と展開店舗の拡大を目指すウエルシア薬局の意向が一致し、今回の店舗譲渡に結実した形といえよう。バリューチェーンの再構築と強化を図る上新電機が、どのような形でリアル店舗網の拡充や販売形態の再編を行っていくのか、今後の展開を注視していきたい。