ヤマダホールディングスが第三者割当による資本業務提携でナイスの筆頭株主に


5つのセグメントで「暮らしまるごと」事業を推進しているヤマダホールディングス。2021年3月期連結決算において住宅事業における売上高は1,905億9,400万円で前年比152.5%と伸長し、セグメント利益は同1,549.3%となった。これまでエスバイエルやレオハウス、ヒノキヤグループなどの住宅関連企業を子会社してきたが、このほど建築資材事業や住宅事業を展開するナイスと資本業務提携を締結した。

木材や建築資材事業と戸建てやマンションなどの住宅事業を手掛けるナイスは7月16日にヤマダホールディングスと資本業務提携を行うと発表。ナイスが210万株の新株式を発行し、第三者割当という形でヤマダホールディングスがこれを引き受ける。この結果、ナイスの株主構成においては、ヤマダホールディングスの持ち株比率が18.3%となり、ヤマダホールディングスがナイスの筆頭株主となる予定である。

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ナイスは7月16日、ヤマダホールディングスと資本業務提携を発表するリリースを発行した

ナイスは1950年創業で建築資材事業や住宅事業などを展開している。2021年3月期連結業績では売上高の73%を建築資材事業が占め、住宅事業は22%、その他事業が5%という構成である。

2019年には金融商品取引法違反により、同社の株は一時、特設注意市場銘柄に指定されたこともあったが、ガバナンスやコンプライアンスの強化で2021年3月期には一連の対応が終了。2022年3月期が創業70周年を迎える年でもあり、新創業の年と位置づけている。

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ナイスは9月中旬に木質繊維断熱材や自然由来の木材保存処理剤を採用したモデルハウスを、日本最大級の総合住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」に出展予定。同社のリリースより

共通する経営理念から資本業務提携に発展

社会の変化に伴い、新設住宅着工件数は今後減少が予測されるとともに、足元は世界的な木材不足とこれに起因する木材の高騰によるウッドショックという状況下にある。ナイスでは今後の事業展開を推進していくうえで、ヤマダホールディングスが掲げる「暮らしまるごと」とナイスの経営理念である「お客様の素敵な住まいづくりを心を込めて応援する」は根源的な理念が同じということから、今回の提携に至ったという。

もともとナイスの主要事業である建築資材事業ではエスバイエル以前の旧・小堀住研時代から取引実績があり、ヤマダホールディングスの他のグループ企業とも継続的な取引があった。つまり、もともとヤマダホールディングスの住建セグメントと関係があったことが今回の業務提携につながったわけだ。

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建築資材専門商社として、建築に使われるあらゆる部材を供給。同社はオリンピックのために建て替えられた国立競技場にも材料の提供と工事を行った。ナイスのホームページより

ナイスとヤマダホールディングスでは住生活領域事業での親和性が高く、多くの事業領域で両社のシナジーが見込めるとナイスでは判断。2020年8月からヤマダホールディングスと交渉を進め、今年度になって両社で本格的な協議を進めてきたという。

建築資材の提供だけではないシナジー効果

ヤマダホールディングスの住建セグメントには住宅の建築や施工、販売、建築後の維持管理などを主な事業領域とする各企業が含まれている。しかし、建築資材の供給まで行っている企業はなく、その点では確かに提携によるシナジーが期待できる。

また、ナイスは首都圏や仙台を中心としてこれまで80棟の免震マンションを供給。ナイスの子会社でマンションやビルの管理業務を行うナイスコミュニティーは神奈川、東京を中心に約67,000戸の管理実績がある。

ヤマダホールディングスからのステートメントはリリースされていないため、今後の両社がどのような形でシナジーを発揮していくかは未定の部分がある。だが、先述の建築資材だけでなく、ナイスの戸建てや集合住宅での実績もヤマダホールディングスの住建事業にとって、補完という観点でシナジー効果が期待できそうだ。