上新電機が出張修理の電話による24時間受付をスタート


家電製品を使用している限り、故障や不具合などのトラブルは付きもの。家電量販企業では電話はもちろん、Webやメールなどの方法で修理受付に対応し、購入後の安心を担保している。しかし、デジタルを不得手とする層もいる。電話受付にしても対応時間の制約がある。上新電機は9月16日から新たに電話応対AIサービスを活用した出張修理の夜間受付対応をスタートさせた。

上新電機は、LINEのテクノロジーブランド『LINE CLOVA』が提供する電話応対AIサービスLINE AiCallを9月16日から導入した。LINE AiCallはLINE CLOVAのAI技術である音声認識と音声合成、会話制御によって、AIによる自然な対話応答を実現したソリューションサービスだ。

上新,Joshin,LINE,AI,CALL,音声,対話,修理
LINE AiCallは音声を聞き取って認識し、話す内容を制御して音声合成により対話形式で応対する

上新電機ではすでにWebによる出張修理の24時間受付を実施している。もちろん、オペレーターによる電話受付にも対応しており、修理受付体制は整っている。

上新,Joshin,出張,引取,持ち込み,修理,LINE,Web,受付
出張修理と引取修理はWebを通して24時間受付に対応(左)。持ち込み修理でもLINEで見積りに対応している(右)

しかし、PCやスマホを所有しておらず、Webへのアクセスができないお客もいる。内閣府の2021年3月の消費動向調査では、2人以上世帯のスマートフォンの普及率は88.9%。単身世帯では75.6%で、60歳以上の単身男性世帯は62.8%、60歳以上の単身女性世帯は63.7%。年齢が高くなると普及率も低下しているのが実状だ。

Webでの受付ができなくても電話による受付という方法がある。PCもスマホも所有していなくても、あるいは操作が苦手であっても電話で依頼することは可能だ。だが、オペレーターによる電話受付は受付時間が定められている。上新電機の場合、電話による受付は9時から19時までで、19時以降は翌日まで待って電話をかける必要がある。

PCやスマホを使わず、夜間でも受付対応を可能とするのが、LINE AiCall。上新電機では同じ電話番号にかけると、9時から19時まではオペレーターが対応し、19時~翌9時まではLINE AiCallでの受付に切り替える。これによりWeb受付と同様に電話受付も24時間対応を可能とした。

型番とトラブルの症状を対話形式で聞き取り、依頼を受付

今回のサービスではあらかじめ100万を超える製品の型番がシステムに登録されており、依頼者は自身の電話番号と型番、トラブルの症状を伝える。すると、AIが依頼者と対話をしながらその内容を聞き取り、依頼を受け付ける。

受付の際には、折り返し用の電話番号と品名・型番およびメーカー名を伝える。受付の完了は電話終了後に上新電機のLINE公式アカウント「ジョーシンお客様サポート」で確認できる。

電話受付時に必要なのは製品情報やトラブルの症状で、人による電話受付と同じ

LINEを利用していない場合、翌日の9時以降に同じ番号に電話をかければオペレーターが出るので、そこで受付されているかの確認ができ、依頼内容の変更も可能という。

上新電機が導入した24時間修理受付対応はあくまで受付であり、その場で訪問日時を確定するわけではない。しかし、製品によっては修理依頼が集中する繁忙期があり、電話で依頼しようとしても混雑のために受付すらできない場合もある。

上新,Joshin,修理,出張,受付,引き取り
出張修理は時間がかかり、場合によっては引き取りでの修理が必要となる場合もある。受付が遅くなれば、それだけ対応も遅くなってしまう

電話受付時間に間に合わず、翌日に電話をしてもつながらないという場合、結果的には実修理の遅れとなってしまう。その意味で夜間でも受付対応ができるのはアフターサービスの利便性向上につながる。

アナログ(電話)にデジタル(AI)を付加

一般的に出張修理では受付時にお客からメーカーと型番、そしてトラブルの症状を聞き、故障の原因を推定する。その情報は修理を担当する部署や業者と共有され、改めて依頼者に連絡をしたうえでリペアパーツなどを持参して修理に赴く。受付時の一次対応は重要なのだ。

お客にとってWebでなくても24時間受け付けが可能なので利便性が高まる。上新電機にとってはAIが対応することでコストを抑えつつ、CS向上と実修理までの流れを効率化できるというメリットがある。

世の中のDX化の流れは加速している。だが、その陰でデジタルに取り残される層もいる。いわゆるデジタル・デバイドの問題だ。ある意味で上新電機の取り組みはDXの推進の一つだが、お客にとっては電話というアナログ手段での対応拡大である。

DXを採用することで、デジタル、アナログを問わず、より多くのお客にメリットを提供する今回の24時間受付対応は、まさにアフター”サービス”といえるだろう。