ケーズホールディングスの9月売上高は前年同月比96.7%。上期累計では前年同期比91.2%


新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は9月30日をもって解除となった。これらの措置や感染の脅威はは上期末まで影響を及ぼし、来店客数がコロナ以前に戻ることはなかった。ケーズホールディングスは9月の売上速報を発表。POSデータによる速報値ではあるものの、上期は予想よりも厳しい状況となった。

月次速報によるケーズホールディングスの9月売上高は前年同月比96.7%。一昨年の9月は翌10月から施行された消費税増税による最終の駆け込み需要が発生した月で、その反動によって前年9月の一昨年同月比は65.1%と落ち込んだ。

この昨年9月の反動減を考慮すると、本9月は前年同月プラスになってもおかしくはなかった。しかし、緊急事態宣言の延長とともに台風や秋雨などの天候不順も重なり、店頭での営業活動としては決して良好な状態とはいえなかった。その結果、9月の速報値による売上高は先述のとおり前年同月比96.7%となり、7~9月の第2四半期は前年同期比93.0%で、上期累計は同91.2%となった。

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上期で前年同月をクリアしたのは4月と7月のみで、第2四半期、上期ともに前年割れとなった

エアコンの上期累計は前年同期比88.5%で前年2桁ダウン

9月の商品別売上ではテレビと洗濯機、調理家電、理美容・健康器具が前年プラスとなったが、その他は前年実績を下回った。特にエアコンは前年9月が一昨年同月比で61.2%と大きくダウン。本9月も天候不順の影響などで前年同月比74.5%。厳しい結果となった。

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上期累計では主要商品が軒並み前年割れとなり、クリーナーも前年2桁減と低迷している

同社は第1四半期の決算短信で、上期の売上高を前年同期比94.5%と予想しているが、速報値ベースでは予想を下回った可能性がある。

緊急事態宣言解除後は需要を捉えて取り組み強化を

緊急事態宣言は全国的に解除となったが、第6波が懸念されているのは周知のとおりだ。昨年は特にパソコンや調理家電の需要が大きく伸長した。ポストコロナではなく、ウィズコロナがこれからの生活スタイルになりそうで、巣ごもり需要やテレワーク需要自体がなくなるわけではない。

昨年の好調さは需要を前倒ししたためと捉えることもできるが、それは買い替えのケースであり、新たに生まれた需要やコロナ禍で急伸長した需要もある。

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緊急事態宣言解除後初の週末は繁華街の多くで人出が増加。第6波の懸念はあるものの、今後来店客数は増加が期待される

パソコンではプログラミング教育やeスポーツによる新たな需要の高まりをプラスと捉え、店頭での訴求や販売に結びつけたい。Windows11のリリースもパソコン需要にとっては追い風といえるだろう。

調理家電では参入メーカーが増加し、市場が90万台規模に成長した自動調理鍋は今後、さらなる市場拡大が望める。また、外出や旅行の機会が増えることで理美容やモバイル家電の需要が高まる可能性も十分にある。

リアル店舗の良さは実物の製品に触れられることと販売員による説明やアドバイスが提供されるところにある。それと同時に、店頭はお客にとって新しい製品との出会いの場でもある。お客の多寡を問わず、成約率や単価のアップを図るためにはお客のライフスタイルがどう変化しているのか、さらに今後どう変わっていくかを推測・分析することが肝要だ。そのうえで、お客に響く展示や提案とは何かを考え、来店することのメリットを提供していこう。