コジマがシニアを対象とした新しいポイントカードを発行 「アクティブ65倶楽部」カードで認知度と来店促進を狙う


高齢化の進行で、2018年10月1日時点の65歳以上の人口比率は約28%。2025年には30%に達するとみられている。世帯でみると、65歳以上の単独、もしくは夫婦のみの世帯は約1,400万世帯にも達している。この65歳以上を対象として、コジマは新たな施策を打ち出した。

65歳以上を対象にプラスαの特典を付与

コジマは、10月1日から65歳以上を対象とした新ポイントカード「アクティブ65倶楽部」をコジマ全店で発行開始した。これは65歳以上のシニアを対象としたカードで、同カードユーザーだけが受けられる特典を付けたものだ。

新たに発行を開始した「アクティブ65倶楽部」のポイントカード

年齢を証明できる本人確認証を提示すれば、店頭で即時発行が可能で、入会金や年間費は無料。申請者が従来のポイントカードを所有している場合は、新ポイントカード1枚に切り替わり、購入履歴や所有ポイントなども引き継がれるという。しかし、コジマアプリとは連動しておらず、「アクティブ65倶楽部」会員が店頭で商品を購入する際は、カードの提示が必要になる。

「アクティブ65倶楽部」の限定特典としては、①通常ポイントの2%アップ、②税込み3,000円以上の購入で配送料が無料、というもの。①については、あくまでコジマのリアル店舗での購入のため、コジマネットやビックカメラ、ソフマップでの購入時はポイントアップ対象外。②は指定エリアに限っての対応で、配送先によっては別途料金が発生する場合もある。

通常なら持ち帰る商品でも、シニアでは持ち帰りが困難なこともある

11月30日までの期間限定で特典キャンペーンを実施

この新ポイントカードの発行開始と同時に「誕生記念サポート特典」を、11月30日まで実施している。同特典は、社員が自宅を訪問して困りごとを解決する「コジマくらし応援便」導入店舗では通常880円(税込み)かかる電球・取り付けサービスが無料になり、デジタル家電等の相談やアフターサービスの「サービス・サポートカウンター」導入店舗では月額安心サポート(パソコン12か月継続コース)の加入料と初月料金が無料になる。いずれも導入店舗のみの対応だ。

サービス・サポートカウンターは店頭でもカウンターを設けてお客に対応し、訪問サポートもある

現在、「くらし応援便」は全国53店、「サービス・サポートカウンター」は同37店舗で展開。今後、順次対応店舗を拡大する計画だ。この「くらし応援便」はお客の依頼に対して専任スタッフが対応するもので、同社によると、購入商品の配送や電球交換などの利用が多く、依頼したお客からは好評を得ているという。

「コジマくらし応援便」は配送や設置、取り付け、購入商品の使用方法説明、トラブル点検など、さまざまなお客の困りごとを専任スタッフが対応する

シニアの困りごと解決から顧客固定化につなげる

高齢化社会の進展でシニア層の比率は今後、さらに拡大していく。いかにしてシニア層を獲得していくかは、リアル店舗にとっての大きな課題といえよう。前述の「コジマくらし応援便」や「サービス・サポートカウンター」はシニア層の困りごとを解決すると同時に、リアル店舗にとっての課題を解決するための取り組みで、今回はさらに1歩進めた形といえるだろう。

郊外店が多いコジマの店舗はシニアの来店客も多く、「アクティブ65倶楽部」でシニアの利便性を向上させる

来店頻度が高いGMSでは、囲い込みを狙ったシニア限定カードを発行している。小売り以外でも飲食店や映画館、美術館、娯楽施設など、様々な業態でシニア特典を設けるようになった。家電量販店でも期間限定のシニア割引を実施した企業はあるが、恒常的なシニア向け施策の実施は、コジマが初といえよう。今回の「アクティブ65倶楽部」がシニア層の深耕となるか、要注目だ。