6畳で100インチのフルHD投影を実現した、プロジェクター一体型LEDシーリング「popIn Aladdin 2」
より大きな画面での投影や映写角度の拡大に対応
popIn Aladdin 2の発表は、新型コロナウイルスの影響を考慮し、オンライン発表会で実施となった。本稿ではオンライン発表会の様子を交えて、新製品の内容を紹介する。
プレゼンターの程 涛(テイ トウ)代表取締役社長は「2018年11月に従来機を一般販売し始めてから累計46,000台を販売し、2018年と19年の二年連続でホームプロジェクター市場の1位を獲得した」と言う(popIn調べ)。
初代機の「popIn Aladdin」は、天井に取り付けることでプロジェクターの出し入れの手間をなくし、生活の導線にも影響しない斬新なアイデアと、自宅の壁に様々なコンテンツを投影できる「未来の壁」というコンセプトにより、ユーザーから大きな共感を得た。
SNSでは「#popInAladdin」のハッシュタグでの投稿が5,000件以上にのぼったそうだ。絶対数で見ると驚くほどの数字ではないが、ユーザーの10%以上が投稿というアクションを起こしたと考えると、他のスマート家電ではなかなか見られない数字と言える。
ただし、従来機では部屋が狭いとあまり大きな画面で投影できない、壁の下の方への投影が難しいといった課題が残った。新製品ではこの課題を解決した。
LEDシーリングとしても妥協のない進化
popIn Aladdin 2を開発するうえで重要なキーとなったのが、専用の短焦点レンズの搭載だ。新製品では、従来機と同じ投影距離で比べた場合、画面サイズは2.8倍になるという。具体的には、正面の壁に真っ直ぐ投影したときに、4畳間で60インチ、4畳半で87インチ、6畳(投影距離1.56m)で100インチの大画面が映し出せる。
投影する映像の解像度も、従来のHDから、フルHDにグレードアップした。投写方式は単板DLP方式で、明るさは700ANSI、光源はRGB LEDといったあたりは従来機同等だ。
また、壁に斜めに投影される場合の台形補正(水平垂直各40度)は従来機でもできたが、上下の投影位置については、従来の18度から32度に拡大しており、画面の調整範囲が広くなっている。天井付近に梁や柱があって、大きく映し出すと梁や柱に掛かってしまうといった環境でも、それらを避けて投影可能になった。
程社長は「壁に投影された画面に子供が触れたがったとき、手が届く位置に投影でき、親子のコミュニケーションがますます進む」と述べる。
harman/kardonのスピーカーは従来の1基から2基に増やし、本体の両側に配置することで、より立体感のある音を再生可能になった。最大出力は8W+8Wとなる。
LEDシーリングとしての機能も向上し、調光と調色がそれぞれ100段階で可能になり、1万通りの調光調色が設定できる。照明としての明るさは、従来機と3,800lmで変わらない。
外形寸法はW476×D476×H145mm。従来よりも24mm薄い145mm(従来比14%減)を実現し、インテリア性も高めた。
部屋の壁が表現の場となる生活ネイティブコンテンツ
ソフトウェアも進化している。
popIn Aladdinが当初から掲げる「未来の壁」というコンセプトはそのままに、「生活ネイティブコンテンツ」の充実を目指している。部屋の壁の表現力を拡大し、インテリアや教育、エンターテイメントの場として、より大きな魅力を持たせようという試みだ。
新たに搭載する「Aladdin Timer」は、ユーザーの生活リズムに併せて設定することで、毎日の生活リズムを自然に整えていく機能。「おはようタイマー」「おやすみタイマー」「Aladdin Mode」の3つから構成されており、このうち「Aladdin Mode」は従来から備える機能を拡張した形となる。
おはようタイマーでは、毎朝の起床時間に併せて、目の覚める照明、爽やかな風景の映像、鳥の声などの自然音を演出することで、気持ちの良い朝が迎えられる。おやすみタイマーはこの逆で就寝時間になると、暗く明滅する明かりや、ヒーリングミュージックにより、心地よく入眠できる。子供向けに絵本の読み聞かせも可能だ。
ホーム画面で一定時間操作しないときに設定したコンテンツを自動的に表示するAladdin Modeでは、指定した時間に任意のコンテンツを自動表示できるようになった。朝はニュースを表示し、昼はフォトメモリーズの表示、子供の帰宅時間になるとひらがな表などの学習コンテンツを表示するといったことが可能だ。
このほか、プロのインストラクターによるヨガ指導が受けられる「おうちヨガ」のコンテンツに、リアルタイムのライブレッスン「おうちフィットネス」が新たに追加となる。なお、これらの新しいコンテンツは、システムのアップデートによって従来機でも利用可能だ。
商品の伝え方、売り方にアップデートが求められる時代
popInでは、新製品の一般販売を6月とアナウンスしているが、これは新型コロナウイルスの影響とのことだ。
新型コロナウイルスは、製品の開発、物流、販売、プロモーション、サポートなど、あらゆるところで大きな影響を及ぼしている。顧客に商品の魅力をどう伝え、どう買ってもらうか、メーカーも流通も従来の導線を見直す必要に迫られていると言える。
程社長も、今回は計画していたCMの撮影もできなかったと嘆いていた。
従来機のpopIn Aladdinは、ネットリテラシーの高いイノベーダーとアーリーアダプターをメインターゲットにしていた。新しいpopIn Aladdin 2は従来の層で、部屋の条件が合わずに導入できなかったユーザーに加え、もう少しリテラシーの高くない層にもアピールできる製品になっている。
取り付けは簡単で難しい設定もなく、Wi-Fiを導入している家庭であれば、実はかなり手離れの良い商品だ。映像商品でありながら、テレビとバッティングすることもない。ただ、同類の商品が存在しないため、ユーザーの認知がなかなか進まず、「面白そう」と感じても自分で使いこなせるか躊躇う人もまだまだ多い。
アフターコロナ、もしくはウィズコロナな世の中で、そういう商品をどう販売していくのか。同社のこれからの戦略に注目していきたい。
■参考リンク
popIn Aladdin 2
popIn株式会社