シャープがコードレススティッククリーナー4機種を発売 用途に合わせて軽量、ハイパワー、スタンダードをラインアップ


今やクリーナーのメインストリームはコードレススティッククリーナーになっているのは周知のとおりだ。このところのトレンドは軽さと吸引力。しかし、両者は二律背反するところがある。シャープの新製品は単純にランクの上下ではなく、お客が重視する機能に合わせて選べるラインアップとなっている。

吸引力と軽さ、運転・充電時間が購入の重視ポイント

シャープはコードレススティッククリーナーRACTIVE AirとRACTIVE Air POWERの新製品を8月6日に発売する。軽量ボディのRACTIVE AirシリーズはEC-AR5とバッテリーを2個同梱するEC-AR5X、スタンダードタイプのEC-FR5の3機種。ハイパワーで高い吸引力を誇るRACTIVE Air POWERシリーズのEC-SR5と合わせて計4機種を2020年度の新製品としてクリーナー市場に投入する。

シャープが同社のCOCORO MEMBERSを対象としたアンケート調査で、コードレススティッククリーナーの購入時に重視するポイントを聞いた結果は次のグラフのとおりだった。

重視ポイントでは吸引力、軽さ、運転および充電時間が上位を占めた

この結果を受けて軽いものはさらに軽く、吸引力の高いものはさらに強力にという考えで開発されたのが新製品の4機種だ。

業界最軽量の約1.2kgを実現したEC-AR5/AR5X

RACTIVE AirのEC-AR5/AR5Xのカラバリは左のピンク系と右のゴールド系の2色展開

EC-AR5は徹底的に軽さを追及し、本体の重量は業界最軽量の約1.2kgを実現。新構造のドライカーボンパイプにより、2019年モデルのEC-VR3S(以下、従来機)よりもパイプの重量を約45%軽量化した。

手前右が従来構造のドライカーボンパイプで、手前左が新構造のドライカーボンパイプ

本体部も部品点数や素材を見直すことで樹脂量は従来機より約5%軽くなった。さらにモーターも軽量高効率ファンモーターを採用して吸引力は維持しながら従来機より約32%軽量化に成功。EC-VR3Sも約1.3kgと業界最軽量をうたうほど軽かったが、EC-AR5はさらに軽くなった。

EC-AR5Xは前述のとおりバッテリーが2個同梱されたモデルだ。バッテリーは着脱式で2個を連続使用した場合の最長運転時間は約100分。

新開発の高効率モーターを採用したため、バッテリー自体は変えていないが、運転可能時間は従来機よりも長くなった

EC-SR5の訴求ポイントはRACTIVE Air史上最強の吸引力

RACTIVE Air POWERのEC-SR5はピンク系とシルバー系の2色展開

RACTIVE Air史上最強パワースティックと訴求するEC-SR5は25.2Vの大容量バッテリーを搭載し、新開発の高出力モーターで吸引力は2019年モデルのEC-SR3S(以下、従来機)より約40%アップした。

左がSR5に搭載されている新開発の高出力モーターで、右はAR5に搭載されている軽量高効率モーター。高い吸引性能を引き出すため、モーター自体が大きいのが分かる

吸引力をアップするとともに、パワーヘッドを回転させるモーターにも新たに開発されたネオジウム磁石モーターを採用。ブラシの回転数は従来機の約2倍になったという。

ビーズをごみに見立てて毛足の長い絨毯に撒き、従来機で吸引(右)。その後でSR5で吸うと絨毯の奥に隠れていたビーズもしっかり吸引した(左)吸引したビーズの上にあるのがヘッドの前方に付けられている「くし歯状バンパー」
ヘッド部に付けられている「くし歯状バンパー」
自走式パワーブラシを回転させるモーターには新開発のネオジウム磁石モーターを採用(左)。磁力が強く、ブラシの回転数アップに貢献

使い勝手を考えると単に吸引力を追及するだけでは実用性が低下する。そこで軽量化にも取り組み、AR5と同様に新構造ドライカーボンパイプの採用や本体の部品点数削減などで重量は従来機よりも300gほど軽い約1.6kgになっている。

EC-FR5はRACTIVE Airのスタンダードタイプという位置づけだ。重量は約1.5kgで従来機のEC-AR3Sと変わらないが、運転時間は最長約45分と13分ほど長くなった。あまり予算をかけられないが、手軽に使いたいという層に最適なモデルだ。

スタンダードタイプのEC-AR3Sのカラーはブラックのみ

お客のニーズをしっかりと聞いて売り分けにつなげよう

今回の新製品についてシャープではフラグシップという位置づけに一石を投じてみたいと話す。最軽量モデルのEC-AR5/AR5Xと最強吸引力モデルのEC-SR5をランク付けするのではなく、お客のニーズに合ったモデルを選べばよいというスタンスだ。

そこでシャープが提案する売り分けは、以下のとおり。

住居の広さやニーズに合わせて最適な機種が選択できるラインアップとなっている

参入メーカーが多く、ラインアップも拡大しているコードレススティッククリーナーの購入ではお客が迷ってしまう場面も見られる。シャープが提示する売り分けはお客にとっても分かりやすく、購入機種選定の目安となりそうだ。お客にしっかりとヒアリングをして、ニーズに合ったモデルを推奨しよう。