山梨県初出店となるマルチメディア甲府
ヨドバシカメラは4月28日、山梨県甲府市に「マルチメディア甲府」をオープンする。新店オープンは2015年10月のマルチメディア名古屋松坂屋店以来、5年6カ月ぶり。同店はJR甲府駅南口という駅前立地で、建物は地下4階地上5階建て。売り場面積は13,800㎡の超大型店だ。
駅前で4,000坪超という都会型店舗にとっては理想的な立地だが、その建物はかつて山交百貨店として営業していた。山交百貨店は2019年9月に閉店し、その跡地と建物をヨドバシホールディングスが取得。リニューアル工事を経て今回の出店となった。
売り場は4フロアで石井スポーツを併設
全9フロアのうち地下2～4階はバイクを含めて300台収容可能な駐車場で、これは山交百貨店時代と同じフロア構成だ。売り場は地上1～4階の4フロア。4階にはヨドバシホールディングスの子会社の石井スポーツと、その子会社であるランニングやフィットネス用品専門店のアートスポーツが入る。
現時点で地下1階と最上階の5階の用途は決まっておらず、「開店後の動向を見ながら判断していきたいと考えています」と同社では話す。
また、同店は新型コロナウイルスの感染対策として山梨県が独自に設けている「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の認証を予定している。
売り場の照明には、既存店でも置き換えが進んでいる加賀電子が開発した除菌・脱臭機能付きLED照明器具を導入。換気については法定量の1.8倍以上の換気量となるシステムを採用することで、コロナ禍でも安心して来店してもらうための策を講じている。
エディオン京都四条河原町店は地元のお客を想定
エディオンは4月29日、新店となる「京都四条河原町店」をオープンする。立地は阪急京都線河原町駅直結の複合商業施設「京都河原町ガーデン」内で、同施設のキーテナントとしての出店だ。
この京都河原町ガーデンは、1976年に四条河原町阪急をキーテナントとしてオープン。2010年の閉店後は京都マルイとして運営されていたが、2020年5月に閉店。今回、京都河原町ガーデンとして外観もリニューアルしてのオープンとなる。
MakuakeやAnker Storeのコーナーも導入
地下1階、地上8階建てのうち、地下1階から地上6階までの7フロアを使用し、売り場面積は9,553㎡である。地下1階にはおもちゃやゲームなどのネバーランドと電動自転車売り場を配置し、1階のモバイルライフフロアにはなんば本店に次いで2店舗目となる「Anker Store」、2階のデジタルライフフロアには応援購入サービスの「Makuake」も併設している。6階はリフォームフロアで、7～8階はレストラン街である。
河原町という観光客が多く集まる立地での出店だが、同社では「地元のお客様に向けた店舗で、インバウンドも含めた観光客向けではありません。イメージとしてはなんば本店よりも広島本店に近いかもしれません」と話す。
奇しくも両店舗とも居抜き物件で、直前は百貨店として営業されていた。百貨店の売上高は減少傾向で推移しており、2020年暦年はコロナ禍の影響もあって前年比73.3％と低迷。今後、百貨店に代わって家電量販店が入店するケースは増えていきそうだ。
しかし、コロナ禍での集客とＥＣの普及拡大でターミナルや繁華街立地のアドバンテージは従来よりも低下していると考えられる。また、鉄道よりも車が主要な移動手段である地方都市において、駅前立地の優位性は都会ほどない。このような状況下でヨドバシカメラとエディオンがどのように店舗を運営していくか注目していきたい。
※本記事の掲載後、4月24日にエディオンは新型コロナウイルスの感染症拡大および、緊急事態宣言の発令により京都四条河原町店のオープン延期を発表。4月28日時点でオープン時期は未定となっている。
