現在開発中のBS/CS 4Kチューナーは録画にも対応
東芝映像ソリューションは3月22日、2018年度レグザについての発表会を行い、今年度の商品戦略のポイントとして「高画質技術を駆使したこだわりの高画質の追求」「日本の視聴スタイルのためのスマート機能の強化」「BS・110度CSでの4K放送対応モデル商品化の加速」を掲げた。
また、12月から新たにスタートするBS/110度CSでの新4K放送にも対応するため、単独チューナーの開発とチューナー内蔵テレビの開発についても商品化を加速させていく方針で、まだ開発中のプロトタイプも発表された。
あくまで開発中ということでの主な仕様として、チューナー部はBS/110度CS 4Kチューナーで、8Kチューナーは搭載していない。端子はHDMI出力端子とUSB端子、LAN端子、そしてBS/110度CSの入力/出力アンテナ端子となっている。USB端子については録画用HDDへの接続用である。
チューナーで受信したTV番組の録画も接続したHDDで対応することを想定しているが、この番組録画のコピー制御については放送局側で正式にコメントを発表していないこともあり、現段階では不確定な部分がある。
HLG方式のHDRフォーマットに対応
発表した同社のテレビ専用ではない単独のチューナーのため、メーカーを問わず4K対応テレビに接続すれば新衛星放送の視聴が可能となる。周知のとおり、新衛星放送では新たに左旋円偏波も使用されて放送波を送信するため、すべての放送を視聴するには対応アンテナはもちろん、分波器や分配器などの交換も必要となる。しかし、BS右旋の4K放送だけ視聴したいというのであれば、チューナーと現状の受信設備で視聴が可能だ。
また、映像の輝度の範囲を拡大し、より肉眼で見る映像に近い画質を実現するのがHDR(High Dynamic Range)技術。このHDRではHDR10と、Dolby Vision、そして新4K8K放送で採用され、HDR非対応のテレビでも互換性によってコントラストの高い表示が可能なHLG(hybrid Log-Gamma)方式という3つの方式がある。
東芝映像ソリューションのレグザX910、Z810X、BZ710X、M510XはいずれもHLG方式のHDR対応になっており、これらとBS/CS 4Kチューナーを組み合わせることによって、4K放送のリアルな映像が存分に楽しめる。さらに、このBS/CS 4Kチューナーは接続するテレビに合わせて、自動的に最適なフォーマットを出力する仕様となっている。
チューナー開発についてはピクセラと東芝映像ソリューションが発表
4Kチューナーに関しては、PCやモバイル向けのUSB接続TVチューナー、液晶ディスプレイ、プレーヤー関連アプリなどを発売しているピクセラが開発をしており、4月に東京で開催される4K・8K機材展にも出品する予定。現時点でメーカーとしてチューナー開発の動向について発表したのは、このピクセラと東芝映像ソリューションのみである。
店頭でお客から新衛星放送対応4Kチューナーについて聞かれても、何も答えられないという状態が続いていたが、今回の東芝映像ソリューションの発表でお客にアナウンスできる情報は増えた。もちろん、前述のとおり現段階では開発中なので、最終的な商品化までに変更する部分もあるかもしれない。だが、それをお客に伝えたうえでの情報提供は可能だ。
4K放送の情報をお客へ発信することで購入意欲を刺激しよう
4K放送がスタートしなくともNetflixやamazonプライムビデオ、dTV、U-NEXTなど、4K画質のコンテンツを配信しているサービスはある。テレビの新しい楽しみ方として、これらを訴求するのは当たり前だ。
しかし、これはあくまでテレビの付加機能としての楽しみ方の一つ。やはりテレビを購入するお客のほとんどは、TV番組の視聴が目的だ。そのような観点からも4Kチューナーの動向についての情報は非常に重要である。
これから他社もチューナーについてリリースしてくるだろう。その情報をしっかりキャッチして、お客の疑問に対してしっかりと対応したい。4K放送への関心を高めることで、お客の購入意欲が高まる。情報の把握と活用を4Kテレビの販売に活かそう。