広いスペースでVRが体験できるツクモデジタル.ライフ館
続々と発売されるVR機器
2016年はVR元年といわれている。アメリカの市場調査会社IDCによると、VRの出荷規模はグローバル市場で2016年が960万台。これが2020年には6,480万台規模になると予測されている。
VRはヘッドマウントディスプレイを装着して仮想空間を体験するもので、3月にはOculus Rift、4月にはHTC VIVE、そして10月にはPlayStation VRが発売となった。
これらはコンシューマーを対象とした商品で、さらに体験できるコンテンツも急増。まさに、2016年はVRが一気に身近な存在となった年といえる。VRは、自分を中心とした360度の全方位が仮想現実空間となる。様々な媒体で取り上げられることが急増したVRだが、実際に体験したことのあるユーザーは極めて少数だろう。なぜなら体験できる場所が少ないからだ。
新橋のツクモ5階でVR体験
東京のJR新橋駅前にあるツクモデジタル.ライフ館では5階のゲーミングパソコン・ワークステーションフロアでHTCのVIVEによるVR体験コーナーを併設し、毎日、無料体験会を実施している。基本は予約制(VIVEのサイトから予約をする)だが、体験者がいない場合は直接、売り場で申し込んでもらえれば対応可能とのことである。
ツクモデジタル.ライフ館の顧客は新橋という立地から、平日はビジネスマンが多く来店し、コンテンツ制作関係やアプリ開発などに従事する顧客も多いという。
スマートフォンからタブレット、汎用パソコン、ゲーミングパソコンなど、パソコン専門店として非常に幅広い商品を揃えているのが特徴だ。
同店の中川大輔副店長は「パソコンは秋葉原というイメージですが、当店はパソコンやパソコン関連だけで6フロアもあり、豊富な品ぞろえとパソコン専門店ならではの専門的な知識を持った販売員がいます。パソコン自体も国内メーカーの一般的なモデルはもちろん、ツクモオリジナルのeX.computerや高性能ゲーミングパソコンなど、秋葉原にも負けない品揃えとなっております」と同店の特徴を話す。
動きも楽しめるVIVE
ツクモデジタル.ライフ館の体験コーナーは約20坪弱と広いスペースを確保している。通常、体験コーナーを設けている店舗でも売り場の中にコーナーを作っており、広さは数坪程度。VRは体験できるが、その場所から動いたりすることは、ほとんどできず、VR本来の没入感や楽しさを体験するには不十分というのが実情だ。
その点、同店の体験コーナーは他の店舗とくらべて非常に広く、VIVEが設定している縦3m、横4mの仮想現実の空間を歩くという貴重な体験ができる。
中川副店長は「VIVEはPlayStation VRと比べると高額商品ですが、様々なタイトルが豊富に揃っています。その場に座って楽しむだけでなく、移動したり歩いたりという動きを楽しむコンテンツもありますので、仮想空間が存分に楽しんでいただけると思います」とVIVEの魅力を語る。
同店で用意している体験用コンテンツは7種類。体験者は2台のベースステーションが対角にあるスペースでヘッドマウントディスプレイを装着し、売り場担当者のガイドによってVRを体験する。
高性能オリジナルモデルを使用
VRを楽しむためには、コンテンツを再生するパソコンにも高いグラフィック処理能力が要求される。体験コーナーで使用しているのは、ツクモオリジナルのゲーミングパソコンであるG-GEARの高性能モデルだ。
体験コーナーは、体験スペースと担当者による操作および順番待ちや同伴者が座っていられるスペースの2つに分けられている。担当者が操作するスペースには大画面のモニターが置かれ、体験者がヘッドマウントディスプレイで見ているのと同じ映像が映し出される仕組みだ。
体験と同時にセットで提案
モニターの下にはVRを体験するのに必要な推奨パソコンやベースステーションを設置するための固定装置、ヘッドマウントディスプレイを装着する際に付けるアイマスクなどが展示されており、体験と同時にセット提案のコーナーも兼ねている。
「提案されている商品も含めてお買上げいただいたお客様もいらっしゃいます」とのことで、体験コーナーが売り場としても機能しているという。
VR体験を機に、よりスペックの高いゲーミングパソコンや大画面モニターに関心を示す顧客もいる。そのような顧客にとってゲーミングパソコンや大画面モニターなどが体験コーナーと同じフロアで展開されているので、VR体験は買い替えや買い増しのきっかけづくりにもなっている。
「今、VRはゲーム用途がメインになっていますが、これからは様々な方面での利用が期待できます。仕事で利用できる、家の中で使用できるという実用性のあるコンテンツが出てくれば、当店でも積極的に体験コンテンツに導入したいと思っています」と中川副店長は今後のVRの普及拡大に期待を寄せている。