【速報】ビックカメラの名古屋駅2店め、JRゲートタワー店がオープン!!


ビックカメラとして37店舗めとなる名古屋JRゲートタワー店が2017年4月7日にオープン。前日の6日に内覧会が開催された。今回の出店でビックカメラは、名古屋駅において10,000㎡を超える超大型店による2店舗体制となった。近接出店によるカニバリズムも十分に考えられ、さらに売り場を埋めるための品ぞろえという点でも超大型店舗ゆえ、品ぞろえでの差別化も難しい。しかし、同社は見事なまでにこの問題をクリアした。
駅のサイネージでもオープンを告知
駅のサイネージでもオープンを告知

売上目標は140~150億円

JRゲートタワー店の売り場面積は約11,000㎡で、JRゲートタワーの9~10階の2フロアを占める。社員は約120名で売り上げ目標は140~150億円。アイテム数は15万アイテムという。

内覧会の挨拶で福岡の天神館から異動した滝田昌克店長は、「ビックカメラは比較的、男性のお客様が多いのですが、上のフロアにはユニクロ、ジーユー、下はゲートタワーモール、そして横には高島屋百貨店。今回のJRゲートタワー店では駅西になかった新しいお客様、特に女性のお客様の新規開拓に注力し、駅西とは共存共栄を考えています」と述べた。

内覧会冒頭で挨拶をする滝田昌克店長。福岡の天神館からゲートタワー店店長となった
内覧会冒頭で挨拶をする滝田昌克店長。福岡の天神館からゲートタワー店店長となった

つまり、周囲の店舗は女性客が非常に多いため、客層自体が既存の名古屋駅西店とは異なる。当然、その立地や環境を生かすということは、女性客を主要ターゲットとして捉えるということだ。では、内覧会での説明を交えて各コーナーを見ていこう。

9階のエントランス部。入ってすぐが酒のコーナー
9階のエントランス部。入ってすぐが酒のコーナー

スポーツウェアの販売を導入

スポーツコーナーでは、スポーツウェアを新たに販売アイテムとして導入した。一方、駅西店ではスポーツウェアの扱いはなく、アウトドア用品を扱っている。駅西店はアウトドアとゴルフと自転車、ゲートタワー店ではゴルフと自転車とスポーツウェアという棲み分けがされているのだ。

スポーツ売り場を見ると、まさにスポーツ用品店のようで家電量販店とは思えない
スポーツ売り場を見ると、まさにスポーツ用品店のようで家電量販店とは思えない

このスポーツウェアの導入について滝田店長は「レストラン街の13階にフィットネスクラブの『コクール ルネサンス』があることと、女性のお客様の来店が相当見込まれますので、新たな挑戦をします」と説明をした。

13階でオープン予定のフィットネスクラブ
13階でオープン予定のフィットネスクラブ

ビックカメラの他店でも多く扱っているUPQ。同店にはUPQの専用コーナーが設けられており、同社の中澤優子社長は「専用のコーナーがあるのは東名阪でゲートタワー店だけ」という。折りたたみ可能な超小型電動バイク『UPQ BIKE me01』を展示しており、女性の購入者が多いと説明をした。

UPQの中澤優子代表取締役
9階に設置されたUPQのコーナー。ヘッドホンやカメラなど同社の製品を展示
9階に設置されたUPQのコーナー。ヘッドホンやカメラなど同社の製品を展示

寝具コーナーの隣にあるのはインテリアコーナー。快眠提案コーナーでは、部屋を模した形で快眠のためのインテリアを提案。家電製品で快眠ではなく、寝具での快眠がテーマ。

売り場の中にインテリアコーナーだが、寝具からの流れで違和感はない
売り場の中にインテリアコーナーだが、寝具からの流れで違和感はない
コーディネートした際の価格もしっかりと提示
コーディネートした際の価格もしっかりと提示

IoTをシーン別に提示して提案

目玉の一つというIoTコーナー。スマートフォンと家電が連携すると、こんなことができるという事例を玄関、キッチン、リビングというシーン別で展示。展示台にスマートフォンを置き、実際にお客が試せるようになっている。

IoTを各シーンで分け、設置してあるスマホで体感ができる
IoTを各シーンで分け、設置してあるスマホで体感ができる
リビング編として、IoTで何ができるのかを分かりやすく提示
リビング編として、IoTで何ができるのかを分かりやすく提示
スマホを操作すると、カーテンが自動で開閉。タイマーでの操作で太陽光での目覚めを提案
スマホを操作すると、カーテンが自動で開閉。タイマーでの操作で太陽光での目覚めを提案

照明器具売り場の中に「Akari BAR」を配置。これはシェードと電球、ソケットをお客が自分で選んでオリジナルの照明器具が作れるというもの。滝田店長は「照明器具は既存品のみの取り扱いしかなく、部屋のインテリアや好みに合わないというお客様もいらっしゃいます」とのことで、これはいわば照明器具のセミオーダー。「当店がビックカメラの中で初導入したもの」である。

天井から下げられた「Akari BARのサイン
天井から下げられた「Akari BARのサイン
シェード、電球、ソケットを自分の好みで選んで組み立てられる
シェード、電球、ソケットを自分の好みで選んで組み立てられる

冷蔵庫とエアコンのカラーオーダーが可能

冷蔵庫とエアコンが自分好みのカラーで着色できるカラーチェンジサービスコーナー基本は48色で、最大600色までオーダーが可能。現行品であれば7~8割の製品で色の変更ができるという。

市販のエアコンや冷蔵庫にはないカラーもオーダーだからできる
市販のエアコンや冷蔵庫にはないカラーもオーダーだからできる

ビューティーコーナーでは家電とともにコスメも試せる。鏡と椅子を配置し、女性客が座って試せるような環境を作った。コスメとドラッグ、美容家電の連動で女性客を売り場に誘引する。

コスメや家電を試せるコーナー
コスメや家電を試せるコーナー
手書きPOPも添えて、体験を促す
手書きPOPも添えて、体験を促す

入り口の近くには酒のコーナーを設けている。目につきやすい場所には半額ワインを紹介し、お客を誘引する。特に上層階はオフィス階のため、そこで勤務する女性を意識してワインの品ぞろえを強化した。998,000円のロマネ・コンティも用意。

以前から力を入れていただけあって品ぞろえはリカーショップと同等以上
以前から力を入れていただけあって品ぞろえはリカーショップと同等以上

ビックカメラで力を入れているドローンのコーナー。初級・中級・上級という形でそれぞれのドローンを展示。

業務用のドローンも展示
業務用のドローンも展示

レンズの品ぞろえはフルラインアップ。他店にはない超望遠レンズもカメラ本体に装着して体験が可能にしている。

超望遠タイプのレンズも展示。本体に粗着しているので、その大きさがひと目で分かる
超望遠タイプのレンズも展示。本体に粗着しているので、その大きさがひと目で分かる

携帯・スマホは売り場を色分け

SIMフリーとキャリアを明確に色分けした携帯・スマートフォン売り場。座って体感ができるコーナーも設置し、購入を検討していないお客でも入りやすいコーナーとなっている。

黄色がSIMフリー、木目調がキャリア。区別しやすい配置だ
黄色がSIMフリー、木目調がキャリア。区別しやすい配置だ
キャリアのスマホを体験してもらうコーナー
キャリアのスマホを体験してもらうコーナー
スマホコーナーでもIoTを訴求
スマホコーナーでもIoTを訴求

イヤホンやヘッドホンはすべて試聴ができる。通常は立っている状態で試すが、椅子を配置してお客が座って試すことができるように配慮されている。

座ってイヤホンを視聴できるコーナー。ウェットティッシュなどもしっかりと用意されている
座ってイヤホンを視聴できるコーナー。ウェットティッシュなどもしっかりと用意されている

かいつまんで紹介をしたが、もちろん、これだけではない。ちょっとした工夫や提案の仕方などが随所に盛り込まれ、スキのない店舗という印象だ。名古屋駅西店とは明らかに違う店舗になっており、商品構成比なども異なるため、カニバることはなさそうだ。

JRゲートタワー自体の注目度も非常に高く、ビックカメラが入る9階からレストラン街の13階までが第一期開業。これからアパレルショップが多数入る下層階もオープンすると、女性客を中心として多数の来店客が期待できる。
売り場を見る限り、駅を挟んだ2店舗体制に懸念を抱いたのは杞憂だったようだ。