指名買いされるデザイン ツインバードが扇風機の最新機種を発表


2011年3月11日の東日本大震災直後の夏、エネルギー供給不足から、省エネのために扇風機を利用する人が大幅に増えた。なかでもDCモーターの静音性と“やさしい風”は、成熟商品だった扇風機に新風を吹き込み、市場は拡大した。4月11日、ツインバードは扇風機「コアンダエア」シリーズ最新機種の発表会を開催。お客から指名買いされるような新製品をお披露目した。

「コアンダエア」シリーズの特徴

ツインバードが2011年より販売を開始した扇風機「COANDA AIR(コアンダエア)」は、『赤ちゃんやお母さんが快適に過ごせる空間作り』をコンセプトとしたシリーズ。

DCモーターの静音性と、敏感な肌を持つ赤ちゃんに当たっても心地よくスヤスヤと眠れるような、やさしい風が特徴だ。

2012年に販売開始したコアンダエアシリーズは昨年までに5世代が発売された
2011年に販売開始したコアンダエアシリーズは昨年までに5世代が発売された

従来の一般的な扇風機は、圧力の変化がある機械的な風を送り出す。その風には、人の肌を叩くようなノイズがあるのだという。継続してそのノイズを受け続けていると、人間はその刺激に鈍感になり、慣れてしまう。しかし、ノイズに慣れて感じなくなっても、確実に体は疲労感を覚える。

コアンダエアが作り出す風は、窓を開け放したときに室内に吹き込むような、自然な風だ。その柔らかな風は、同社独自設計の、内側が空洞のハネが生み出す。外側のハネが作り出す気流によって、本体後ろから内側の空洞に空気が誘引され、一気に放出される。それによって、ムラ(ノイズ)を抑えた滑らかな直進の風が生まれるというわけだ。

また、風質以外にも先述のコンセプトに合わせた工夫を施している。妊娠中でお腹の大きな女性や赤ちゃんを抱っこしたお母さんでも操作しやすいように、本体上部にリモコンを取り付けるなどの細やかな配慮がされているのだ。

扇風機選びで、もう「迷わせない」

4月下旬に販売開始の同シリーズ最新機種「EF-E981」は、ブラック(B)とホワイト(W)の二色展開。店頭想定価格は、2万円前後(税抜き)だ。

2011年の販売開始時、お客からは従来の扇風機にはなかった”やさしい風”への興味が高かった。高評価を得つつも、その後5世代まで販売を重ねていくと、もはや、やさしい風は当たり前なものへと変化。

販売開始以来のユーザーの思考の変化
販売開始以来のユーザーの思考の変化

そこで同社は、思いやりのあるやさしい風質はそのままに、新たなベーシックモデルとなるEF-E981を開発。他社との差別化を実現する独自の製品を生み出した。

同製品のデザインの企画を担当したプロダクトディレクション部の我妻ひとみ氏によると、新製品のテーマは「究極のベーシック」だという。

前機種までの風質と利便性へのこだわりに加え、最新機種ではデザインに注力。トレンドを踏まえた理想のデザインに近づけるために、製品構造の大幅な改良を施している。

我妻氏は新製品を企画するにあたり、“欲しくなる扇風機”とはどのようなものかを考えたという。そこで、ユーザーのライフスタイルのトレンドが「シンプルで整った生活」にあることに着目。

ユーザーの生活指向のトレンド
ユーザーの生活指向のトレンド

生活空間を邪魔しない、上質なシンプルを実現した機種の開発に乗り出した。

徹底的に無駄を省くために、前述のテーマに沿った必要な機能と不要な機能を洗い出し、取捨選択。その後、デザイン先行で従来の扇風機の構造を改めて再構築した。

モーター部をコンパクトな形状にするため、モーターをファン部に組み込む構造に変えるときはとても苦労したという。

従来機種(左)と比べて大幅に薄く、コンパクトになったEF-E981
従来機種(左)と比べて大幅に薄く、コンパクトになったEF-E981

また、支柱部分も細くスタイリッシュに。プラスチック素材ではなく、鉄を使用することにより、強度も十分に持たせた。

デザイン性の高さを追及するとともに、コントロール部を本体上部にするという利便性の良さはしっかりと踏襲している。

コントロール部は本体上部。
コントロール部は本体上部。
直感的に操作できるシンプルなリモコン。マグネットなので鉄製の支柱にくっつく。
直感的に操作できるシンプルなリモコン。マグネットなので鉄製の支柱にくっつく。

こうして出来上がった、デザインと機能を兼ね備えたEF-E981。そのスリムでスタイリッシュなデザインは、和室でも洋室でもフィットしそうだ。インテリアにこだわりを持つ消費者が増えている今、売り場での展示では目に止まりやすいコーナー部や端に設置してみる価値のある商品だ。