アイリスがエアコンに参入 Wi-Fiルーター搭載で導入ハードル下げる


4月13日、アイリスオーヤマがエアコンの新製品を発表した。今回発表した製品はエアコン4機種。今後は、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電市場にも新規参入を予定している。

新製品は2.2kW、2.8kWで計4機種

今回アイリスオーヤマが発表したのは家庭用ルームエアコン4機種。Wi-Fi機能と人感センサーを搭載するシリーズと、シンプルなシリーズの2シリーズ。どちらも6畳用10畳用で、寝室や個室向け製品だ。

【Wi-Fi・人感センサー搭載シリーズ】
・6畳用(能力2.2kW、冷房6~9畳/暖房5~6畳)
「IRW-2217C」参考価格7万9800円(税別)
・10畳用(能力2.8kW、冷房8~12畳/暖房8~10畳)
「IRW-2817C」同9万9800円(税別)
【Wi-Fi・人感センサー非搭載スタンダードシリーズ】
・6畳用(能力2.2kW、冷房6~9畳/暖房5~6畳)
「IRR-2217C」6万9800円(税別)
・10畳用(能力2.8kW、冷房8~12畳/暖房8~10畳)
「IRR-2817C」8万9800円(税別)

4月28日に4機種を発売
専用アプリ「Net Home Plus」で「オン・オフ」「運転モード変更」「温度調節」「睡眠モード」などの設定が可能。オン、オフタイマーは、外出や帰宅などのスケジュールにあわせた自動設定もできる
専用アプリ「Net Home Plus」で「オン・オフ」「運転モード変更」「温度調節」「睡眠モード」などの設定が可能。オン、オフタイマーは、外出や帰宅などのスケジュールにあわせた自動設定もできる
「睡眠モード」ではアプリのグラフを操作して温度を設定することで、自分にとって快適な温度設定を作ることができる
「睡眠モード」ではアプリのグラフを操作して温度を設定することで、自分にとって快適な温度設定を作ることができる
冷房は青、除湿は緑、暖房はオレンジというように操作画面の背景の色が変化する
リモコンも備える

Wi-Fiルーター内蔵で導入しやすく

同社の家電事業部 統括事業部長の石垣達也氏は、「現在のエアコン市場は高機能な商品は存在するが、価格設定が高いのが現状。現在の日本の世帯構成の現状に対応し、単身・少人数世帯向けの製品を発売し快適で省エネな暮らしを包括的に提案していきたい」と話す。今回発売するエアコンは家電量販チャネルを中心に販売を行い、来年4月までに15万台の販売を目指す。製造は中国の協力メーカーに委託する。

今回の製品の特長は、Wi-Fi機能を搭載してスマホで簡単にエアコンの操作ができるという点だ。他社製品でも同様の機能を備えているものはあるが、アイリスオーヤマではWi-Fiルーターを内蔵することで、導入のハードルを下げる戦略をとっている。

「調査をして驚いたが、高齢のお客様でもスマホを使っている方が予想以上に多かった。スマホの操作には抵抗がない一方で、Wi-Fiルーターの設置については難しいと感じる方が少なくない。そこで、ルーターを内蔵することで広く利用していただけるようにした。遠方に住む子どもが、親世帯のエアコンの利用状況の確認することも可能なので、見守りの手段として活用していただくことも期待できる」(石垣氏)。

今後ラインアップの拡充も検討

エアコンは、参入メーカーが多い上に、各社が発売するシリーズが多いカテゴリーだ。新規参入のアイリスオーヤマが家電量販店の売り場を確保するのに、4機種では少し心許ない気もする。それに対し石垣氏は「売り場をどのように確保していくかは来年以降の課題となっています。今後、大型のものや、独自のおもしろい機能を搭載したエアコンなどラインアップの拡充も検討している」と答える。初年度は、サーキュレーターなど既存の商材とのミックス展示などで売り場での存在感を高めていくようだ。

サーキュレーターとのミックス展示例

2017年の家電事業の売上計画は730億円

アイリスオーヤマは、2009年に家電事業に本格参入し、最重点事業と位置づけ、品揃え拡充している。2010年に100億円だった年間売上は2016年には485億円、アイリスオーヤマ全体の売上の約40%を占めるまで成長したという。2017年には730億円を計画している。同社では「シンプル」「リーズナブル」「グッド」の3つを備え、シンプルな機能と生活の不満を解消するソリューションを融合した「なるほど家電」をコンセプトとして製品を開発。同社では商品企画段階で販売価格を設定し、それに合わせて必要な機能を絞り込むという開発手法を採用し、「値ごろな価格」で提供できるようにしているという。