今年のトレンドは黄ばみ抑制
同社の調査によれば、洗濯機購入者が最も重視するポイントは「洗浄力」。中でも襟や袖の黄ばみ汚れを気にする向きが多いという。
衣類の黄ばみの原因となるのは、普段の洗濯で落としきれなかった繊維に残った皮脂の酸化だ。黄ばみを抑えるには、衣類の皮脂汚れをよく落とし、皮脂の蓄積を抑えることだ。
各社とも衣類の黄ばみの抑制に注目しており、パナソニックの縦型洗濯乾燥機「NA-FE100S5」は、衣類に温風を吹きかけ、衣類を温めながら洗浄する「温風つけおきコース」を搭載。日立の縦型洗濯乾燥機「BW-DX120B」は、洗剤液を浸透させた衣類に温水ミストを吹きつけて衣類を温め、洗剤の酵素を活性化させる「温水ナイアガラビート洗浄」を備えている。シャープの縦型洗濯乾燥機「ES-PX10B」も、衣類と洗濯水を温めて洗剤を活性化させる「温風プラス洗浄」を用意している。
東芝は標準コースで黄ばみ抑制
東芝の縦型洗濯乾燥機も、これまで温風を使った洗浄コースを備えていたが、今年はこうした専用コースではなく、標準コースで黄ばみを抑制すべく「ウルトラファインバブル」技術に注目した。
「ウルトラファインバブル」は、直径1マイクロメートル未満のナノサイズの微細な泡のこと。すでに、業務用として農業や医療などの分野で活用されている技術だ。
非常に微細な泡なので、繊維の奥まで入り込むことができる。また、浮力の影響を受けにくいので水中に長時間留まるという特性も持つ。
発表会会場では水あめを使った比較実験が行われた。ウルトラファインバブル水と水道水の洗浄力実験をみると、ウルトラファインバブル水のほうが、汚れが落ちていることが分かる。
また、布に擬似的な油汚れをつけ、超音波洗浄機にかける実験も行われた。こちらの実験でも、ウルトラファインバブル水を使った方の汚れ落ちがよかった。
ウルトラファインバブルが界面活性剤と結びつくことで活性化し、洗剤の効果を高める。さらに、微細な泡が運び役となって、繊維の奥まで入りこみ、界面活性剤を届けることから洗浄能力がアップするというわけだ。
ウルトラファインバブルによる洗浄では、皮脂汚れのほか、ケチャップやコーヒーなど色が濃いシミや、ラーメンの汁のように油っぽいシミもよく落ちるという。
また、「水温5℃の洗浄でも、従来の水温15℃での洗浄と同等の汚れ落ちが期待できる」とのことだ。
ウルトラファインバブルを発生させる仕組みは単純だ。水道水を専用のノズルに通し、水道水の圧力を利用してウルトラファインバブルを生成する。新製品では、濃縮洗剤ケースの背面にウルトラファインバブル発生装置を搭載した。東芝では、「ウルトラファインバブル」を活用した新方式の洗い方を「ウルトラファインバブル洗浄」としている。
「ウルトラファインバブル洗浄」は3つの工程に分かれる。
まず、ウルトラファインバブルと洗剤を結びつけ「ウルトラファインバブルの洗浄液」を作る。次に、循環水量が従来比約2倍の「大流量シャワー」で衣類全体に浸透させる。そして、独自のDDモーターとパルセーター「ザブーンパル」による「ザブーン水流」で汚れを落とす。
課題はウルトラファインバブルの伝え方
「ウルトラファインバブル」自体は、業務用にも使われている技術だが、残念ながら目視することができないので、イメージがつかみにくいところが店頭での課題となるだろう。繊維とウルトラファインバブルの大きさを身近なものに例えたり、動画を活用するなどして接客でイメージを伝えるとよさそうだ。
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【東芝 洗濯機】AW-10SV6 機能紹介「ウルトラファインバブル洗浄」