キレイにこだわり、ドア部にハーフミラーを採用

10月19日発売のタテ型洗濯乾燥機「ＥＳ-ＰＵ11Ｂ」は月産4,000台で、市場想定価格は税抜き22万円前後。洗い上がりと家事の時短を重視するファミリー層を主なターゲットとしている。

11月９日発売のドラム式洗濯乾燥機「ＥＳ-Ｐ110」は月産3,000台で、市場想定価格は税抜き33万円前後。主なターゲット層としては、家事や育児で毎日が忙しく、洗いから乾燥まで一度に済ませたい子育て共働き世帯である。

両タイプとも扉部にハーフミラーガラスを採用し、デザイン性の高いモデルになっている。このデザインにこだわった背景について同社では、洗濯機の置き場が変わってきたことを挙げる。

同社のメジャーアプライアンス事業部 副事業部長兼洗濯機商品企画部部長の檜垣整氏は、「今までの洗濯機を置く場は洗面所で、狭い空間の隠れた場所に置いていた。しかし、最近の傾向としてはサニタリー空間という形で、割りと広い空間に置かれるようになってきた。また、キッチンからサニタリーという動線のため、デザイン性も求められるようになってきた」と説明する。

サニタリーにマッチする「キレイさ」と、洗濯物を「キレイにする」の両者を兼ねる意味で、「キレイにこだわる」をコンセプトとして商品企画を行ったという。その「キレイ」が具体的な形となって表れているのが、扉部に採用したハーフミラーだ。「ＥＳ-Ｐ110」は家具のような佇まいをイメージしてデザインされた。ハーフミラーを採用しながらも、グラデーション印刷を施し、足元に向かって色が薄くなっていくことで圧迫感を軽減した。

「ＥＳ-ＰＵ11Ｂ」も天板のガラス部をタブレットに見立てて操作部を配置。天板部を前方に傾斜させた設計で、非常にスタイリッシュなデザインとなっている。両モデルとも極力、凹凸がないデザインにこだわり、さらに電源オフの状態では、操作部に何も表示されないが、電源をオンにすると表示部が光って浮かび上がる仕組みだ。

「温水極め洗いコース」を新たに搭載

「ＥＳ-Ｐ110」の大きな特徴は４つ。①全面ガラストップ＆光るタッチナビ。②シャープ独自のマイクロ高圧洗浄と、その洗浄を活かした「温水極め洗い」コース。③ハイブリッド乾燥方式と、その乾燥で新たに搭載した「シワ抑え」乾燥コース。④プラズマクラスター搭載、である。

①については前述のとおり、電源をオンにすると表示部が浮かび上がり、洗濯ではどのコースが使用できるのかがひと目で分かる。デザインにこだわった今回の新製品で新たに搭載した機能だ。

②のマイクロ高圧洗浄は、2014年度モデルから搭載されている同社独自の洗浄方式。微細な水滴を勢いよくシャワーとして衣類に吹きかけて汚れをはじき飛ばし、固形の汚れもシャワーの勢いではじき飛ばすという。今回、新たに「温水極め洗いコース」を採用。これは洗剤が最も活性化するといわれている30～35℃の温水を使用することで、より汚れを落としやすくしたコースである。

③のハイブリッド乾燥は、15年度モデルから採用している乾燥方式。ヒートポンプ乾燥にサポートヒーターを併用することで仕上がりの良さと省エネを実現したもの。乾燥の最初にサポートヒーターを使って槽内を暖めることでヒートポンプをアシストし、ヒートポンプのみの使用よりも消費電力を抑制する。また、乾燥の最後にもサポートヒーターを使用することで、カラッとした仕上がりを実現した。

今回、新たに搭載したコースは、「シワ抑え」乾燥コース。乾燥中にドラムのタンブリングを２倍の速さにして、大風量の風でシワを伸ばすという。

メンテナンス性についても改良。乾燥フィルターは毎回、手入れが必要だが、新製品では乾燥フィルターをダブルで搭載し、前後両方のフィルターが外せることで、お手入れ性を向上させている。

超音波ウォッシャーを本体に付属し、専用コースも

タテ型洗濯乾燥機「ＥＳ-ＰＵ11Ｂ」の大きな特徴は、４つ。①全面ガラストップ＆光るタッチナビ。②超音波ウォッシャー搭載と、活用する一つの提案として10分洗濯コースを搭載。③シャープだけの「穴なし槽」。④プラズマクラスター搭載、の４つだ。

①の全面ガラストップ＆タッチナビについては前述のとおり、電源オフの状態では天板部には何も表示されていないが、電源をオンにすると操作キーが明るく浮かび上がってくる。

②は2016年９月に発売された「超音波ウォッシャー」を付属として搭載したもの。「超音波ウォッシャー」は汚れた部分に先端の超音波ホーンを当てることで、毎秒38,000回の超音波振動が汚れを落とす仕組みである。洗面ボウルなどに衣類を浸し、部分汚れを落とすのに効果がある。

超音波ウォッシャーは「ＥＳ-ＰＵ11Ｂ」のガラストップ後方に格納されており、必要なときに取り出して使用する。格納することで充電状態になるので、特に充電のための専用台などを必要としない。

単体の超音波ウォッシャーの購入者アンケートでは、約８割のユーザーが「超音波ウォッシャー」の購入を他人に勧めたいと回答。「汚れ落ちが非常に良い」「面倒だった部分洗いが楽になった」「生地を傷めない」という部分が評価されているという。今回の新製品では、この「超音波ウォッシャー」を利用した後、10分間の洗濯をすることで通常の洗濯よりも時短でキレイにする「10分洗濯コース」を搭載した。

③の穴なし槽はシャープが洗濯機に採用してから約25年経つという。新製品では11kgタイプで1回あたり35Ｌ、年間で風呂の浴槽のお湯張り2カ月分に相当する節水ができるとしている。また、内ぶたがなく、投入口が広くなっており、さらに取り出しやすさにも配慮して11kgタイプでもローボディを採用した。

④のプラズマクラスター搭載では、「ハンガー乾燥」と「ハンガー消臭」機能を搭載している。「ハンガー消臭」は、ジャケットやブーツなどの洗いにくいものでも消臭・除菌ができる機能だ。

デザインとともに、細かい部分にまで配慮し、「ＥＳ-ＰＵ11Ｂ」の天板はダンパーの力で非常に軽く開けられ、かつ、勢い良く開かないようにバネに逆トルクを掛け、絶妙なバランスでガラストップの天板が開くようになっている。

槽内にネイチャーテクノロジーを採用

また、「ＥＳ-Ｐ110」ではシャープがさまざまな商品で採用しているネイチャーテクノロジーを用いた。ドアの裏側のガラス部には、ひまわりの種の配列を応用した凹凸が付いており、これを『ひまわりガラス』と命名。この凹凸部に洗濯物が当たることによって、こすり洗いの効果が出る。極端な凹凸ではないので、衣類の痛みもなく、高い洗浄効果が得られる仕組みだ。

さらにドラム槽内側に突起物が付いている。ドラム槽は斜めに配置されているため、洗濯物は自然と下向きに傾いている槽の奥に集まりがちになる。洗濯物が突起物に当たることで、槽の奥に集まることを防ぐ仕掛けだ。

スタイリッシュなデザインで、売り場の中でも目立つ存在になるであろうシャープの新製品。洗濯機は機能の説明はさることながら、槽内を開けて説明することは、あまりない。しかし、同社の新製品はドアを開けて説明することができる部分が多い。売り場では、ぜひ槽を開けて説明をしよう。

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