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2018年度 家電需要予測・白物家電編
キッチン家電、家事家電とも伸長するが、伸長率は微増予想


季刊誌「家電Biz」春号では、特集記事として2018年度の家電需要予測を掲載。メーカー出荷ベースで2018年度の10分野74商品の家電の出荷台数・出荷金額予想を取り上げている。2018年度の全体出荷金額は7兆8,633億円で、2017年度比101.3%と予想。
ここ数年間、情報通信機器やAV機器の需要が停滞していたが、家電需要を支えてきたのが白物家電だ。2018年度も伸長率こそ落ち着きそうだが、前年実績は上回るとみられる。

販売が好調な白物家電。キーワードは「時短」

白物家電は大別して、主にキッチンで使用されるキッチン(調理)家電と飲食以外の家事に使用される家事家電とに分けられる。キッチン(調理)家電で予測を掲載している商品は冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター、ホームベーカーリー、ガスコンロ、トースター、コーヒーメーカーなど14商品。家事家電は洗濯機、アイロン、クリーナーの3商品である。

家電量販店の販売実績をみると、白物家電の販売は好調だ。大容量化や高機能・多機能化とともに新用途提案などが奏功し、需要のほとんどが買い替えであるにも関わらず、販売においては昨対でプラスとなる実績を上げている。

また、キッチンにおいてインテリアとの親和性という面から外形や素材、カラーリングなどのデザイン性を重視した製品も多数市場投入されている。消費者の嗜好が多様化する中で、機能オリエンテッドではない製品のあり方というものが改めて見直されているといえよう。

調理家電にもデザイン要素が重視され、カラーバリエーションも増えている

これら白物家電に共通するキーワードとしては、時短が挙げられる。これは単純に動作時間の短縮化もあれば、手間をかける時間を短縮する省力化もある。いずれにしても目的は、家事時間を短縮することだ。白物家電が好調に推移しているのは、この時短という観点でのメーカーサイドのモノづくりと販売サイドの売り方が消費者に受け入れられているからであろう。

冷蔵庫は大容量、鮮度保持で買い物にかける時間を短縮

501L以上の大容量冷蔵庫の台数は全体の20%近くに

大容量化が進む冷蔵庫は2018年度の出荷台数が408万台で、出荷金額は約4,465億円と予想。大容量省スペースというトレンドは続き、501L以上のタイプの台数は全体の約19%を占めるとみる。

メーカー各社とも大容量帯のラインナップを拡充

401~500Lは約100万台で、2017年度比で横ばいだが、単価はややダウンしそうだ。また、単身世帯が増加していることから300L以下の台数は同101%だが、大容量帯も増加することで台数構成比は約4割のままでとどまると予想する。

電子レンジはオーブン、単機能とも台数・金額がアップ。オーブンは2017年度比で台数が102%、金額も102%で単価は横ばい予想。単機能は台数が120万台と伸長し、金額も155億円で同2桁増となるとみられる。単身世帯の若い層を対象とした単機能の伸長で、単機能の台数構成比は2017年度よりも高くなる。そのため、電子レンジ全体の平均単価はダウンするとみる。

オーブンレンジはメニューの豊富さだけでなく、手間いらずという面での機能強化も進んでいる

炊飯器は台数・金額とも2017年度と横ばい予想

炊飯器は2017年度比で台数・金額とも横ばい予想。台数構成比で7割以上を占めるIHタイプは、2017年度の台数見込みが2016年度比で96%とダウンし、2018年度は横ばい。一方でマイコンタイプは2017年度見込みが2016年度比で105%と伸長。マイコンでも玄米や雑穀米、米の銘柄による炊き分けメニューを搭載したモデルが増え、それが需要増加につながっている。しかし、成熟市場であることから、さらなる需要増は期待できず、2018年度の台数は2017年度横ばいと予想。

成熟市場で需要が横ばい予想の炊飯器。炊き上がりの美味しさをいかに伝えられるかが、売りのポイントとなる

IHクッキングヒーターはガスコンロからの買い替でビルトインが2017年度、2018年度とも伸長予想。据え置きタイプも含めたIHクッキングヒーター全体に占める台数構成比は約79%となるが、単価は微減で推移しそうだ。

IHクッキングヒーターはグリル部も進化。天板同様、メンテナンス性を向上させたモデルが増加

IHクッキングヒーターへ買い替える流れがあるガスコンロだが、市場の台数規模はIHクッキングヒーターよりもはるかに大きく、一定の需要はある。2018年度の台数は325万台で、2017年度比99%とダウン。ただし、グリル機能の強化や掃除しやすい天板の採用などで単価はアップし、金額は同100%とみる。

トースターはデザインやカラーのバリエーションが増えていると同時に焼きムラをできにくくしたり、コンパクト化や多機能化など、多種多様のモデルが混在している。台数は2017年度横ばいだが、バルミューダに代表される高単価商品の投入が増加するとみて、金額は同101%を見込む。

洗濯乾燥機はタテ型とドラム式の台数が半々に

洗濯機全体は台数が473万台、金額は約3,400億円。2017年度比で台数はほぼ横ばいで、金額は101%とみる。台数構成比は洗濯乾燥機が約22%で、17年度と特に大きく変化はしない。ただし、17年度はタテ型の台数がドラム式を上回っているが、18年度は半々の構成比になると予想する。

洗濯物の乾燥という点では、構造上、ドラム式の方がより乾燥に適しているといえる。設置スペースの課題はあるが、洗浄力もタテ型と同等になってきており、高級感のあるデザインのモデルも増えることでドラム式は伸長するとみた。

ドアパネルに操作部を配置したシャープのドラム式洗濯乾燥機。ハーフミラーのドアパネルが特徴的だ

乾燥機能のない全自動洗濯機は台数・金額とも横橋で推移する。また、一定の需要がある二槽洗も横ばい予想。平均単価は洗濯乾燥機がアップするが、全自洗、二槽洗とも2017年度と横ばいと予想した。

スティッククリーナーは続伸と予想

クリーナー全体の出荷台数は2017年度比100%で、金額は101%と若干だが、単価はアップ。クリーナーはキャニスター、スティック、ハンディ・ふとん掃除機、ロボットと大きく4つに分けられるが、伸長するのはスティックとロボットで、キャニスターとハンディ・ふとん掃除機は減少しそうだ。

スティックはネックだったバッテリーの改善や吸引力の強化、付属ノズルやヘッドの利便性などで、これまでの2台め需要からメインのクリーナーとして使用されるようになってきた。各社のラインナップ強化もあり、スティックは伸長するとみられる。

連続稼働時間や多用途に対応したスティックは引き続き伸長すると予想

ロボットはこのところ、需要に一服感があったものの、スマホ連携によるIoT化や参入メーカーの増加により、出荷台数が増加すると見込む。キャニスターとハンディ・ふとん掃除機は、スティックが主用途をカバーするため、需要は減少する。

ロボットクリーナーもIoT化でスマホと連携。日立minimaruの新製品はスマホでスケジュール予約やリモコン操作が可能

クリーナー全体に占める台数構成比ではキャニスターが約49%で、スティックが約29%、ハンディ・ふとん掃除機が約17%で、ロボットが約5%と予想。金額構成比ではキャニスターが約43%、スティックが約33%、ハンディ・ふとん掃除機が約12%で、ロボットが約12%と見込む。