米国「シャークニンジャ」日本発売 掃除機シェア拡大の鍵は店頭支援か


アメリカの家電メーカー、シャークニンジャが日本向けの新製品を発表した。アメリカではダイソンを抑えて高いシェアを持つ同社。今回発表する新製品EVOFLEXシリーズのモデルは2機種で「S10」店頭予想価格59,800円前後(バッテリー1つ)と「S30」店頭予想価格69,800円前後(バッテリー2つ)のコードレススティッククリーナーだ。
コードレススティッククリーナーの新製品「EVOFLEX」

同社は北米で2008年から10年間で累計5000万台以上の掃除機を売り上げ、全米売り上げNo.1と位置づけられているメーカーだ。その人気の理由を同社の担当者は「高性能なのに他社の同等レベルの製品よりも手頃な価格設定」と話す。

2018年夏に日本で発売する「EVOFLEX」は、日本のユーザーの掃除習慣を綿密にリサーチ。「ゴミを取り除く能力への不満」「家具の下の掃除のしづらさへの不満」「収納への不満」「稼働時間や充電の不安」といったコードレススティッククリーナーの不満を解消すべく開発を行った。さらに、試作機を用いて日本の家庭50世帯で6週間にわたる試用テストを3回実施した上で発売する運びとなったと解説する。

シャークニンジャのゴードン・トム社長は、ダイソン日本法人の初代社長、エレクトロラックス日本法人社長などを務めた人物だ
左側の青いモデルがアメリカで発売しているモデル。右側の日本向けと大きさなど、細かい仕様が異なる

たたんでコンパクトに収納できる

EVOFLEXは、ボタン1つでパイプを曲げられる。コンパクトになるので押入れなどにも収納しやすい。また、パイプを曲げれば家具の下までヘッドが届きやすいので腰をかがめなくても掃除がしやすい。

ボタン1つでパイプが曲がる。コンパクトに収納でき、ソファなどの下にヘッドが届きやすいという特徴を持つ
ヘッドにはフロントローラーとブラシローラーの2種類のローラーを搭載

ごみ捨てはダストカップのボタンを押して行う。本体をパイプから外さないと開かない設計なので誤ってゴミを散らかす心配がない。

電源のオン・オフ、モードの切り替えなどは一箇所に集まっているボタンの操作で行える。バッテリーは着脱式だ。

操作ボタンは親指で操作しやすい
「充電時間は3.5時間、連続運転時間は標準モードで33分」とシャークニンジャ担当者
ヘッドには、家具の下などを掃除する際に便利なライトを備えている

日本メーカーとは違う訴求ポイント、店頭で魅力をどう伝えるか

EVOFLEXの販売チャネルは、家電量販店、ECサイト、TVショッピングQVCジャパンなどを予定している。さらに、7月11日~24日までの期間限定で、伊勢丹新宿店本館5階で期間限定のスペシャルストアをオープンする予定だ。

メディア向け説明会で実際にEVOFLEXに触ってみた。パイプの曲げ伸ばしや、ダストボックスの操作などは、スタッフによる説明を聞いてからのほうが使い方がよく分かる。また、モードによってローラーの回転数が変わるのだが、自分で操作しているとわかりにくいので、説明員に操作してもらいながらローラーの動きを見せてもらう必要があった。テレビショッピングのように使い方を説明する機会があれば魅力が伝わりやすいが、家電量販店の店頭にただ展示するだけでは、商品の魅力は伝わりにくいという印象を感じた。

ダイソンが日本市場に参入したばかりの頃、TVCMと平行して店頭支援にも力を入れた。説明スタッフを店頭に配置するだけでなく、販売員向けの集合研修を実施するなど、店頭教育に力を入れ、販売スタッフのファンづくりに力を入れたのだ。

コードレススティッククリーナー市場は参入メーカーが多く、特にダイソンが高いシェアを占めている市場だ。その市場でシャークニンジャがシェアを高めるには、実際に店頭で商品の魅力を伝えるスタッフの教育や店頭施策が鍵を握りそうだ。

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