アイリスオーヤマ 家庭用掃除機を主力カテゴリーに


アイリスオーヤマは中期経営計画として「2022年グループ売上高1兆円」を目標に掲げている。この目標を達成するため、総合家電メーカーとしての事業拡大に力を入れるとしており、まずは6月20日から家庭用掃除機の新製品を順次発売する。

クリーナーを主要カテゴリーへ

アイリスオーヤマ 執行役員家電事業部統括部長の石垣達也氏は「今後、家庭用掃除機、大型白モノ家電など、家電製品のアイテムを増やしていきます」と話す。中でも6月20日から順次新製品を発売する家庭用掃除機は、「当社の家電製品の中で内製化率が高いカテゴリーの1つ。ここ1~2年で主力事業にしていきたい」と期待をかける。同社では現在、メーカー別シェア第5位のところを、新製品の投入で2018年に3位まで上げたい考えだ。

2018年中にメーカーシェアアップを目指す

家庭用掃除機は、参入メーカーが多いカテゴリーの1つだ。同社はこの競争が激しいカテゴリーにおいて、「吸込仕事率の数字競争は本当に必要か」と商品のあり方に疑問を投げかける。

「土足で過ごす国の場合、部屋の中のゴミは砂が多くなり、しかも部屋の中には毛足の長い絨毯を敷いています。絨毯の奥に砂が入り込むので高い吸引力が必要になります。一方、日本の場合は、繊維からでるホコリなどが多いので海外ほど高い吸引力が必要とは限りません」と石垣氏は話す。

店頭で「吸込仕事率」の数値は、家庭用掃除機同士を比較するときの指標の1つとなっている。しかしクリーナー本来の「ゴミを吸い取る」という目的は、吸込仕事率、取り回し、ヘッドの性能など複数の性能が組み合わさって達成されるものだ。

「吸引力を上げようと思うと、高コストのモーターを搭載することになります。当社は、高い吸引力にコストをかけるのではなく、日本の家屋に必要十分な吸引力を発揮できる性能を担保しつつ”軽量化”や使い勝手などの機能にコストをかける方向で開発しました」(石垣氏)。

ハンディモップ付きのコードレススティッククリーナー誕生

6月20日に同社が発売した「極細軽量スティック家庭用掃除機」KIC-SLDCP5は、まさに使い勝手にこだわった製品だ。スティッククリーナーにナイロン製のハンディモップを搭載した。

「極細軽量スティック家庭用掃除機」KIC-SLDCP5。店頭予想価格は26,800円(税抜)

モップには帯電しやすいポリプロピレン素材を採用し、付属しているナイロン製のモップ帯電ケースで静電気を発生させてホコリを吸着。掃除機だけでは取り切れなかったゴミ、テレビなどに付着したホコリ、エアコンなど高所のホコリなどを手軽に掃除ができる。吸着したホコリはスタンド部で除電し、さらに本体をスタンドに立てたままでモップに付いたホコリが吸引できる仕組みとなっている。

これは6月21日にテレビ東京系列で放映されている「カンブリア宮殿」でも紹介された機能で出演した同社の大山健太郎会長も自信を持ってテレビクルーに説明していた部分である。

このほか自走式「サイクロンパワーヘッド」を搭載。前方のパワーヘッドでカーペットなどに絡まった細かいゴミを書き出し、後方では高速回転するサイクロン気流を発生させて比重の思いゴミを吸引する

ハンディモップのホコリはスタンドで除電して吸引できる
軽くてやわらかいホースを搭載した「軽量紙パック家庭用掃除機」KIC-BTP2も7月上旬から発売する

年内中に洗濯機のラインアップを拡充

同社では1月から洗濯機と冷蔵庫のテスト販売を開始した。年内中に洗濯機のラインアップを拡充させる考えという。

「洗濯機は皆様に”なるほど”と言っていただけるような面白い製品が開発できました。年内中に発売したいと考えています」(石垣氏)