パナソニックから洗剤自動投入搭載の縦型洗乾が遂に登場!


パナソニックは5月8日、「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能を搭載する縦型洗濯乾燥機3機種を発表した。発売日は6月25日。

メリットがイメージしやすい商品

店頭で「遂に登場!」「お待たせしました!」と飾り付けしてサマになる商品は、それほど多くない。発売前からある程度の認知があり、市場で期待されていなければならないからだ。パナソニックが6月25日に発売を予定する、縦型洗濯乾燥機3機種はまさにその条件を満たす、誠に売りやすい製品と言える。その魅力のポイントは、同社のななめドラムで好評の「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能の搭載だ。
3機種はいずれもオープ価格だが、定格容量が洗濯10kg/乾燥5kgの「NA-FW100K7」は市場想定価格が税別23万円前後、同じく9kg/4.5kgの「NA-FW90K7」は税別22万円前後、同じく8kg/4.5kgの「NA-FW80K7」は税別21万円前後となっている。

ドラム式で「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能がユーザーから支持されたのは、まとめてセットすればいちいち計量して入れる必要がなく、洗剤や柔軟剤の入れ過ぎや不足が防げ、洗剤容器の置き場で場所を取らないなどの、洗濯の負担軽減がイメージしやすいからだ。

パナソニックのユーザー調査によれば、ドラム式洗濯乾燥機「NA-VX9900」購入者の約85%が、購入時に「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能に魅力を感じ、約83%が使用後に満足していると回答

洗濯時に洗濯洗剤を多めに投入する人は意外とまだ多く、こうした人の多くは投入量が少ないと汚れが落ちないからと考えて多めに入れる。つまり問題の根源は適量が分からないことだと言える。
その点、パナソニックの「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能なら、ユーザーは洗剤の適量を知る必要がない。実際は最初に30Lの水に対する洗剤の適量を、洗剤容器などの記載で調べて設定してやる必要があるのだが、難しい作業ではないし、一度設定すれば忘れてしまって構わない。「考えなくても分かる」「調べなくても正しく使える」「学ばなくても迷わない」といったキーワードは、多くのユーザーが直感的に魅力を感じるはずだ。

店頭やCMなどで気になりながら、縦型しか置けない家庭や、ドラム式は我が家の洗濯スタイルに合わないと考えていた家庭には、まさに「待っていた」商品と言えるだろう。

液体洗剤・柔軟剤 自動投入を搭載したパナソニックのななめドラムは、9~3月の販売実績を前年同期比111%に伸ばした。縦型でも期待する層は多そうだ
5月8日に開催されたメディア向けセミナーで「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」機能を紹介する、パナソニック ランドリー・クリーナー商品課の村中紅巴さん

洗剤や柔軟剤の残量をひと目で把握

自動投入の機構は、ドラム式よりもさらに見やすく使いやすくブラッシュアップされている。ドラム式は本体上部に投入口があり、液体洗剤と柔軟剤のそれぞれで内蓋を上にあげて、上から注ぎ込むように配置されていた。
今回の縦型では、タンクを上蓋を開けた洗濯槽の上奥側に配置し、液体洗剤と柔軟剤のそれぞれで投入口を引き出して上から入れるようになっている。タンクが透明で、残量が常にひと目で見える位置なので、残り少なくなってくればあらかじめ補充の洗剤を買って用意しておける。

タンク容量は液体洗剤用が約390mL、柔軟剤が約490mLとなっており、濃縮液体洗剤・柔軟剤の詰め替え用パウチ1本分が入れ切れる計算だ。なお、洗剤や柔軟剤の銘柄を変えるときなどのために、タンクごと外して洗えるようになっている。

投入口を引き出して注ぐ形式を採用。手動投入口も用意しており、洗剤や柔軟剤を使い分けたい場合に利用する
タンクに残っている容量が視覚的に分かる

槽内の水をダイナミックに動かす

この他の機能としては、洗剤を衣類にしっかり浸透させる「泡洗浄」や、洗濯槽の中を上下内外に素早く撹拌する「パワフル立体水流」を備える。
パワフル立体水流は新設計したパルセーターを採用し、羽根の断面積を大きくすることで水のうねりを高くして、水流を水槽上部まで届ける機能だ。

パワフル立体水流のデモの様子。右が新機種、左が従来機種のスケルトンモデル。50枚の白いハンカチを洗濯している中に、色付きのハンカチ1枚を入れる
上から入れた色付きハンカチはすぐに洗濯槽の底に運ばれ、間を置かず上に戻ってくる。洗濯物が上下に頻繁に動いているのがよく見えた
従来機種のパルセーター(左)と新機種のパルセーター(右)。新機種では羽根が細くスリムになり、中心部まで伸びている

デザインもブラッシュアップした。上蓋を凹凸がなくてお手入れしやすいフレームレスのガラストップにすることで、サニタリー空間への調和を目指している。本体カラーはNA-FW100K7がシャンパン(N)とホワイト(W)の2色、NA-FW90K7がブラウン(T)の1色、NA-FW80K7がホワイト(W)の1色の展開となる。

NA-FW80K7(左)とNA-FW90K7(右)

店頭では上蓋を開け、「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」とともに、洗濯槽の手前が低くて衣類の出しやすい「すっきりフロント」の構造が見せやすい。洗濯機の前に立った自分が、洗濯するシーンを想像しやすいようにディスプレイしたい。パワフル立体水流のデモは、実機ではなかなか見せられないが、パナソニックでは店頭向けの動画を用意してイメージが伝わるようにしていく考えだ。

お洗濯マイスターが教える洗濯のコツ

5月8日に実施したメディア向けセミナーでは、ライオンのお洗濯マイスター 副主任研究員 大貫和泉さんがゲストとして登壇し、「汚れをしっかり落とすコツ」として、洗剤量・柔軟剤量は適量を使用する、詰め込み洗いはしない、洗濯ネットを上手に使うの3点を紹介した。

詰め込み洗いは洗濯槽の中で衣類が動かなくなって洗濯機の機会力が失われてしまうため、洗濯槽の上部5cm程度が見えるくらいを目安にすると良いという。また、洗濯ネットは洗濯物1枚ごとに1つのネットを使い、洗濯物を畳んでネットに入れるのが良く、洗濯が終わった時に畳んだ衣類が崩れていないサイズがちょうど良いとのことだ。こうした洗濯にまつわるテクニックは接客トークの中に上手に折り込むことで、説得力が増し、顧客の好感度も上がる。ぜひ活用していきたい。

「汚れをしっかり落とすコツ」を3つに絞って解説する、ライオンのお洗濯マイスター 副主任研究員 大貫和泉さん