オイルヒーターのデメリットを克服したNOILHEATを発売 コロナが全く新しいオイルレスヒーターを市場投入


コロナは暖房商品の新規事業として、外観はオイルヒーターだが、オイルを使わないオイルレスヒーター「NOILHEAT」を市場投入した。オイルヒーターの構造のメリットを活かしながらも、オイルレスにすることによってオイルヒーターのデメリットをなくした。

冬の生活の不満1位は「暖房による乾燥」

コロナが20~60代の男女1,000人に「暮らし」と「暖房」に関する意識調査アンケートを実施したところ、冬の生活の不満として挙げられたのは、「暖房のせいで乾燥して困る」(52.2%)、「家の中の温度差がイヤ」(50.9%)、「朝、起きたときが寒い」(47.8%)。回答者のほぼ半数が、この3つについて不満を感じていることが分かった。

高気密住宅が増えてきたため、暖房による乾燥で困るという消費者が増加している
高気密住宅が増えてきたため、暖房による乾燥で困るという消費者が増加している

石油やガスの燃焼系暖房は燃焼時に水分を放出するが、温風による電気暖房は室内を乾燥させてしまう。冬場の暖房にもエアコンを使用する傾向が強くなっており、乾燥を気にする消費者は増えているようだ。

また、前述のアンケートで、自宅で一番安心・リラックスするシチュエーションも聞いたところ、「睡眠時」が45.0%で最も多かった。

睡眠時は、家にいる時で最もリラックスできるシチュエーションと考える消費者は多い
睡眠時は、家にいる時で最もリラックスできるシチュエーションと考える消費者は多い

通常、睡眠時は無防備になりやすく、暖房をオンにしていると乾燥、オフにすると冷えるという状態になりがちだ。そこで、最もリラックスしたい睡眠時に快適な暖房と考えた結果、オイルヒーターの開発に至ったとコロナでは説明する。

オイルヒーターが消費者に選ばれる理由は静か、風がない、安全、空気が汚れない、など。その反面で電気代が高い、本体が重い、暖まるのが遅いというネガティブ要素もある。コロナでは、このオイルヒーターの長所を活かすとともに、短所となる部分を改善しようと試み、その結果、オイルを使わない新しい暖房機器を開発した。それがNOILHEATだ。

従来のオイルヒーターにはメリットとデメリットが混在していた
従来のオイルヒーターにはメリットとデメリットが混在していた
NOILHEATはこれを改善した
NOILHEATはこれを改善した
NOILHEATの見た目は、まさしくオイルヒーター。しかし、オイルは使用していない
NOILHEATの見た目は、まさしくオイルヒーター。しかし、オイルは使用していない

シーズヒーターとアルミダイキャストを高密着

ラインアップは2機種。消費電力1,500WのDHS-1519と1,200WのDHS-1219の2モデルだ。NOILHEATとは、NO OILの略。上の写真のように製品外観はほとんどオイルヒーター。しかし、オイルを循環させる代わりに、シーズヒーターとアルミダイキャストを密着させたFIXAL(フィクサル)ヒーター構造により空気を暖めるというものだ。

1,200WタイプでホワイトシルバーのDHS-1219(左)と1,500WタイプのDHS-1519(右)はグレイスブラック
1,200WタイプでホワイトシルバーのDHS-1219(左)と1,500WタイプのDHS-1519(右)はグレイスブラック

具体的には、シーズヒーターの熱がアルミダイキャストに伝わり、周囲の空気を暖める。その温められた空気は本体パネルから輻射熱として放出されると同時に、天板のメッシュ部から対流熱となって室内を暖める。シーズヒーターとアルミダイキャストを密着させているため、熱がロスせず、効率の良い暖房を実現している。

アルミとシーズヒーターを高密着で成形することで放熱ロスがない
アルミとシーズヒーターを高密着で成形することで放熱ロスがない
シーズヒーターの熱が熱伝導率の高いアルミダイキャストに伝わる
シーズヒーターの熱が熱伝導率の高いアルミダイキャストに伝わる
本体側面。最下段は上2段とわずかにズラしたオフセット構造で、最下段で暖められた空気は上段のフィンに当たって空気がかき混ぜられ、対流を起こす
本体側面。最下段は上2段とわずかにズラしたオフセット構造で、最下段で暖められた空気は上段のフィンに当たって空気がかき混ぜられ、対流を起こす

オイルヒーターは肝心のオイルが暖まるまでに時間がかかるが、シーズヒーターは電気ストーブの熱源になっていることから分かるとおり、即暖性に優れている。さらにアルミの熱伝導率は鉄の約2.5倍といわれており、この2つの組み合わせにより、オイルヒーターの短所であった暖房スピードを大幅に改善した。

ECOモードなら6カ月、1日17時間使用で年間6,700円も節約

オイルを使っていないメリットは、まだある。オイル自体の重さがないことだ。1,500WのDHS-1519が11.3kg、1,200WのDHS-1219は9.7kgと、他社のオイルヒーターと比べても軽い。4輪キャスター付きなので部屋から部屋に移動させる際も楽だ。

電気代についても室温が設定温度に達した後は、設定温度よりわずか下の温度をキープする控えめ運転に変わるECOモードを搭載。通常運転時よりも消費電力を25%抑え、1シーズンで約6,700円の節約になるという。

使い勝手では、3パターンのプログラム設定ができる独自のプログラムタイマーを搭載している。1日の中で運転のオンとオフを自由に設定できるだけでなく、運転開始時間を予約できる「入タイマー」機能もある。24時間を円周で表示し、設定時も分かりやすい仕様となっている。

視認性と操作性に優れた操作パネル部
視認性と操作性に優れた操作パネル部
タイマー部は24時間表示で生活パターンに合わせた設定が可能だ
タイマー部は24時間表示で生活パターンに合わせた設定が可能だ

新しい暖房機器として売り場で訴求しよう

今の時期は、夏向けから冬向け暖房に切り替えるタイミングだ。安全性や空気を汚さないという特長からオイルヒーターのコーナーを訪れるお客は、徐々に増えてきているという印象がある。しかし、展示商品を比較しようとしても、ガイドとなるようなものがない。また、オイルヒーターは電気代が高そうというイメージもある。

NOILHEATは前述のとおり、オイルヒーターの短所を克服した製品だ。それだけにオイルヒーターのコーナーで展示する際は、全く新しい暖房機器として訴求することが重要である。外観だけで見たら、従来のオイルヒーターと間違えられる可能性があるため、商品POPや手書きPOPなどで、しっかりとお客にNOILHEATの特長を伝えよう。また、同社で作成したパンフレットスタイルの『NOILHEAT 徹底解剖ブック』も活用したい。

寝室に設置するエアコンを求めに来たお客に対しても、睡眠時の快適性という観点から、就寝時にエアコンをオフにして、NOILHEATに切り替えるという使い方も提案できる。その軽さや設定の容易さなどを体感してもらうため、できるだけ実機に触れてもらうことも必要だ。

エアコンにおいての空清機能や内部クリーン機能、石油系暖房の消臭機能など、暖房機器では室内の空気を汚さず、快適な室内環境を維持することが長期的なトレンドとなっている。NOILHEATは、まさにこのトレンドに合致した製品といえるだろう。安全性や心地よい暖かさを訴求し、積極的にお客へ提案しよう。