ニコンが「お家でEnjoyニコン!」をホームページで公開 外出自粛でも自宅で撮影を楽しむためのコンテンツをピックアップ


コロナウイルスの影響で不要不急の外出を控えることが求められている。アウトドアでの撮影に最適な時期であるだけに、カメラマニアやカメラを始めたばかりの人にとっては撮影やスキルアップの機会が失われる形だ。ニコンは、家の中でも楽しめる撮影アイデアなどをまとめたコンテンツを7日からホームページで公開した。

CP+2020の中止でアピールの場が消失

ここ数年、デジタルカメラ市場は縮小基調にある。2019年の国内向け出荷統計では総出荷台数が前年比81.4%、総出荷金額も同86.1%で、台数・金額とも2年続けてダウンしている状況だ。

たった2年かと思うかもしれない。だが、タイプ別という視点でみてみると、全体的に長いスパンで需要が減少していることが分かる。需要減少の最大の要因は、やはりスマホの内蔵カメラによる代替だ。そのため、デジカメメーカー各社はスマホとの差別化や連携などを打ち出し、ユーザーの開拓に注力している。

ところが、2020年はコロナウイルスの影響で、2月下旬に予定されていたCP+の開催が中止となった。一般ユーザーに対する新製品披露の場でもあり、近年は特に女性のエントリー層に向けたイベント等も積極的に行い、カメラユーザーを開拓する場でもあったのだが、その場がなくなってしまった。

昨年開催されたCP+2019では、4日間で約7万人が来場。まさにワールドプレミアムショーだった
昨年開催されたCP+2019では、4日間で約7万人が来場。まさにワールドプレミアムショーだった

さらに春の行楽シーズンで、アウトドアでの写真撮影に最適な時期であるにも関わらず、不要不急の外出を控えることが求められている。穏やかな天候なのに、屋外での撮影体験や撮影テクニックの向上の機会がなくなっているのだ。

そこでニコンは、ニコンイメージングジャパンのサイトでキュレーションページである「お家でEnjoyニコン!」を公開した。

「Enjoyニコン」でカメラや撮影の楽しさを伝える

ニコンは、従来から自社サイト内に撮影テクニックやカメラの楽しさを伝えるコンテンツを集めた「Enjoyニコン」というページを開設している。

「Enjoyニコン」は、一般向けのフォトテクニックやフォトライフに関するコンテンツが満載
「Enjoyニコン」は、一般向けのフォトテクニックやフォトライフに関するコンテンツが満載

この「Enjoyニコン」から、特に家の中でも楽しめるコンテンツをセレクトしたのが、「お家でEnjoyニコン!」。家で過ごす時間が増えているからこそ、じっくりとカメラや写真と向き合う時間にしてほしいとの同社の思いが「お家でEnjoyニコン!」につながっているのだ。

家の中でも楽しめる「お家でEnjoyニコン!」

『撮影を楽しむ』では、「花・グッズ・イメージフォト」「料理・スイーツ」「ペット」「ひと・ファミリー」と被写体別の撮影テクニックを集めている。

家の中での撮影というテーマで集めた被写体別のテクニックは、すぐに応用可能だ
家の中での撮影というテーマで集めた被写体別のテクニックは、すぐに応用可能だ

また、カメラやレンズなどについての知識を学ぶためのコンテンツや写真の整理の仕方、星空案内など、自宅にいながら楽しめるコンテンツをまとめて提供している。

自宅にいても「お家でEnjoyニコン!」からカメラやレンズに関する知識を学べる
自宅にいても「お家でEnjoyニコン!」からカメラやレンズに関する知識を学べる

4月7日の夜に7都府県で緊急事態宣言が出されたことを受け、同社では「お家でEnjoyニコン!」を8日から公開。特に限定公開ではないという。

お客への情報伝達に注力しよう

前述のとおり、デジカメは市場の縮小が続いている。カメラメーカーや周辺・関連商材メーカーの喫緊の課題は、なんといっても需要の開拓だ。その意味で、1人でも多くの人がアクセスしてくれればと、コンテンツをまとめて提案する同社の取り組みは評価できる。

休業や営業時間の短縮などで販売サイドも十分な営業活動ができず、実際に来店客も少ない。しかし、だからこそこのようなときに来店したお客には、しっかりとした対応を行おう。

特にデジカメ売り場に来たお客には、CP+2020で予定していた各種のコンテンツが各社のホームペーにアップされていることを伝えたい。メーカー・販売サイドとも今、できることをお客にしっかりと伝え、デジカメによる撮影や写真の楽しさ、魅力を伝える努力を継続していこう。