9月の家電アドバイザー試験はパソコンによる方式を採用 解答はマークシートの記述からマウスによる操作に変更
家電アドバイザー試験にCBT方式を導入
一般財団法人家電製品協会(以下、家製協)では、家電アドバイザー、家電エンジニア、スマートマスターの3つの資格試験を実施、運営している。毎年3月と9月が試験の実施月だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月の試験は中止となった。
この中止の理由は、定められた試験会場に受験者が集まって行うため、1箇所に大人数が集まることによる感染リスクがあったためだ。次の実施予定は9月。新型コロナウイルスに対しては、まだワクチンがなく、約3カ月先とはいえ感染リスクがゼロになるわけではない。そこで家製協では、トライアルとして9月試験を「CBT方式試験」で行う方針と発表した。
解答は筆記具からマウス操作になり、ガイダンスも画面で説明
CBTとはComputer Based Testingの略で、コンピューターを利用して行う試験方式のことである。従来の試験は印刷物である問題冊子を読み、マークシート方式の解答用紙に筆記用具で記述する方式だった。
「CBT方式試験」では、問題がパソコンの画面に表示され、解答はマウス操作で行う。ひとことで言うと、アナログからデジタルへの方式変更だ。従来、試験要領などは試験官が口頭で説明していたが、これもパソコンの画面に表示されるとのこと。人が発話しないので飛沫感染リスクがなくなるわけだ。
大きな変更はこれだけではない。人が集まることで感染リスクが高まるため、9月試験では多数の受験者を一室に集めるのではなく、全国200カ所を超える専用の試験会場(テストセンター)で一室には平均10人程度しか収容しない形で行うという。試験会場は換気などの設備が整い、一定水準以上の感染防止対策が講じられているところを選定中とのことだ。
試験日程は約2週間の中から自由選択制に変更
さらに試験日程も変更となる。従来の試験実施日は休日と平日の2日間のどちらかを選び、全国で同じ日時の一斉試験だった。これが9月試験では9月7日から20日までを試験実施期間として受験者が自身の都合に合わせて受験日を選ぶことができるようになる。
これらは現時点ではあくまで予定である。家製協では、今後のコロナウイルスの影響度合いや動向によって実施要項が変わることもありうるとしている。
今回の方針決定では3密を避けると同時に試験実施期間が長くなったことで、受験機会が拡大することになる。業務の都合で受験を諦めた人にとって資格取得のチャンスが大きく改善されることが期待される。
受験申請期間は8月10日~31日
現在のところ、受験申請期間は8月10日~31日が予定されており、7月中旬には家製協のホームページで詳細内容を告知する予定とのことだ。
家電販売員にとっての家電アドバイザー資格、家電製品の保守や修理者向けの家電エンジニア、そしてスマート化する住宅と暮らしを提案できる人材のためのスマートマスターは、家電業界においてそれぞれ唯一無二の資格だ。家製協では感染リスクを気にすることなく受験できる体制を整えつつある。さらなる詳細の発表を待ちたい。