AIoTを進化させたシャープのプラズマクラスター冷蔵庫 登録した店舗や指定の食品の特売情報が届く


新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式は変わってきた。特に大きく変わってきたのは食に関するスタイル。内食志向が強まると同時にまとめ買いのニーズも高まっている。また、人との接触を避けるため、献立や購入する食材を事前に決めておき、効率的に買い物を済ませる向きが増えている。シャープのプラズマクラスター冷蔵庫は、これらのニーズを踏まえた製品となっている。

新製品は500Lでドアはフレンチと左右両開きの2タイプ

シャープはプラズマクラスター冷蔵庫の新製品2機種5モデルを発表した。2機種の容量はいずれも500Lクラスで、フレンチドアタイプのSJ-AF50Gは3色のカラバリをラインアップ。扉が左右両開きで『どっちもドア』タイプのSJ-AW50Gのカラバリは2色だ。AF50Gの発売は8月6日、AW50Gは8月27日を予定している。

フレンチドアタイプのSJ-AF50G。3色展開で中央は新色のグラデーションファブリックブラウン
SJ-AW50Gは左右両開きのどっちもドアタイプ。カラバリは2色だ

冷蔵庫の出荷動向について、同社のメジャーアプライアンス事業部国内商品企画部部長の北川秀雄氏は、「2020年度の上期はコロナウイルスの影響で需要がダウンしましたが、給付金の活用と予想される猛暑で前年同期比は95.2%。下期は基礎需要の180万台と考えると2020年度は年間で387万台、前年比100.0%と見込んでいます」と述べた。

冷蔵庫の需要は年間390万台前後で推移。2020年度は前年比100%とシャープではみている

新製品は500Lタイプで、他社製品と比較すると決して大容量というわけではない。これに対して北川氏は「需要を考えると500Lゾーンはボリュームが大きいので、このゾーンに集中するということから新製品は500Lクラスとしました。これより上のゾーンは考えにくいが、下のゾーンへの展開は今後、検討していきたいと考えています」と話す。

AIoTによる情報発信でユーザーに豊かな食生活を提供

昨今のコロナ禍で、食に関する人々の意識は変わってきた。外食を敬遠して内食志向が強まり、飲み会も宅飲みが増えている。また、内食の増加は食材の購入量と購入費のアップをもたらしている。さらに衛生面では、より清潔性への意識が高まっているといえよう。

シャープは新製品でAIoT、プラズマクラスター、メガフリーザーの3つの要素を変化に対するソリューションとして提案。AIoTは単にネットにつながるだけでなく、クラウド上でAIを活用することでユーザーに豊かな食生活を提供するという考えだ。まとめ買いや作り置きはメガフリーザーで保存し、衛生面はプラズマクラスターが対応する。

新製品ではAIoTによる“特売機能”が進化。プラズマクラスターやメガフリーザーは前機種からの継続機能だ

特売情報とレシピ提案の合わせ技で日々の献立をサポート

食材の購入をより安く、時間をかけず効率的に済ませたいのは誰しもが思うところ。“特売情報”は食費の抑制とともに、毎日の悩みである献立のヒントにもなるため、料理を作る主婦にとっては非常に有益な情報だ。

献立のみの提案に対して、献立提案に特売情報も加えると閲覧数が約4倍になったという

そこで新製品ではお気に入りのスーパーをCOCORO HOMEに登録しておけば、そのスーパーの特売情報が届く機能を新たに搭載した。この機能は店舗の特売やチラシ情報を提供しているロコガイドの「トクバイ」と提携したもの。これまでは郵便番号で自宅近隣の店舗しか登録できなかった。これだと職場近くのスーパーと自宅近隣のスーパーとの使い分けには対応できなかった。しかし、新製品ではお気に入りとして登録することで、この使い分けも可能となったのだ。

COCORO KITCHENの「買い物メモ」食材を登録しておくと、その食材の特売情報を通知してくれる
液晶タッチパネル非搭載のSJ-AW50Gは天板部に付いている人感センサーにより、音声で情報を伝える

アプリのCOCORO HOMEに登録したスーパーの特売情報と提案メニューが届き、「メニューを見る」を選択すると、COCORO KITCHENと連動してメニューが表示される。そのメニューに必要な材料を「買い物リスト」に追加すると、買わなくてはいけない材料が一覧で表示され、買い物の際にメモをチェックしながら購入できる。

COCORO KITCENも新レシピサービスに生まれ変わり、従来のアプリではなく、ブラウザーで動作する仕様となった。つまり、アプリをインストールしなくてもよいということだ。このことにより、これまでCOCORO KITCHENはスマホしか対応していなかったが、PCやタブレットにも対応するようになった。アプリのCOCORO HOMEとの連携はこれまでどおりスムーズに使える。

冷凍室は3段収納と「4切り名人」のメガフリーザーを搭載

まとめ買いニーズに対応したメガフリーザーは深さの異なる3段構造で、内容積は170L。最下段は冷凍食品を立てて収納できる約22cmの深さがあり、中段は約6cmで小物や薄いもの用、最上段は深さ15cmで庫内を整理しやすい「4切り名人」が付いている。

メガフリーザーは3段構造で、冷凍食品のパッケージや食材そのものの大きさで収納する棚を使い分けてストックする

最近はコロナ禍で、オンラインでの宅飲みも増えている。自動製氷機能の「おうちでロック製氷」は透明度が高く、大きな氷が作れる。通常の氷よりも溶けにくいので、宅飲みが楽しめる機能だ。製氷皿とポンプ、給水タンクにはAg+イオン加工が施され、ボタン一つの洗浄機能と合わせて清潔性を保つ。

一般的な製氷時間よりも長い時間をかけて氷にすることで、透明度は高くなる

シャープ独自の特長であるプラズマクラスターは冷蔵室とチルドルーム、野菜室にそれぞれ専用のユニットを搭載している。冷蔵室はプラズマクラスターイオンを冷気に乗せて庫内を循環させるが、チルドルームと野菜室は風が当たることでの乾燥を防ぐため、風を送らないファンレス仕様だ。

野菜室はプラズマクラスターと天板を覆う“うるおいガード”で乾燥を抑え、鮮度を保つ

単なる特売情報ではなく献立サポートを訴求しよう

シャープは家電におけるAIoTを強化しており、新製品の大きな特長としても前述の特売情報やレシピ提案が挙げられる。店頭での商品説明の際は、店舗周辺にどんなスーパーがあるのかを事前に調べておき、お客がよく行くスーパーの特売情報が自宅にいながら入手できることを伝えたい。

最近ではSNS等で情報を発信しているスーパーも多くなってきたが、シャープのAIoTはそこにレシピ提案を含めて情報提供するところが大きなポイントだ。“食材が安い”だけでなく、その安い食材を使って献立を提案する。

毎日、献立を考えるのは結構大変な頭脳労働だ。その献立を特売情報と紐付けて提案されれば、主婦の負担は軽減される。お客がよく行っているスーパーを聞き、そこから特売情報とレシピ提案の説明をするとスムーズな商品説明につなげられるだろう。