ベルキンがワイヤレス充電機能付きスマートスピーカーを発表 二子玉川・蔦屋家電で発売に先駆け、体験イベントを開催


充電器や充電ケーブル、パソコン・スマートフォン関連商品のメーカーであるベルキンの商品は、家電量販店の都市型店舗やECで扱われている。コストパフォーマンスに優れた同社の商品は徐々にその商品カテゴリーを広げ、オーディオ系のラインアップも増加。10月2日に同社初のスマートスピーカーを発表するとともに、発売前の先行体験イベントも開催された。

ベルキン初のスマートスピーカーはデビアレ社の技術を採用

ベルキンが10月23日に発売するのは、同社初のGoogleアシスタント対応スマートスピーカー「SOUNDFORM ELITE Hi-Fi スマートスピーカー」。これはフランスの高級オーディオメーカーであるDevialet(デビアレ)社の音響技術を採用し、高品位な音を再生するスマートスピーカーだ。

デビアレの音響技術を搭載した同製品はブラックとホワイトの2色展開

同社によると、「日本でのスマートスピーカーの普及率は8%くらいと考えられ、ユーザーの用途としては半数以上が音楽をかけています」という。しかし、音楽を聴くためのツールだが、音質を重視したスマートスピーカーは少ないため、デビアレの技術を採用して音質にもこだわったスマートスピーカーを開発したと説明する。

32mmのフルレンジスピーカーを搭載し、クリアな音を再生。また、ドライバーサイズが70mmで60Wの2つのウーファーを外向きに配置したデュアルウーファー構造により、ウーファーから出る振動を消して迫力のある低音を再生する。「複数のスマートスピーカーをペアリングして使うこともできますが、音圧レベルは90dBなので、1台でも十分に迫力が感じられます」と同社では話す。

スピーカーとしての性能はデビアレの技術を採用しているので申し分なし。さらに同製品のユニークなポイントは、最大10Wのワイヤレス充電機能も搭載している点である。「スマートスピーカーで音楽を聴くだけでなく、Qi対応スマートフォンのワイヤレス充電器としても使っていただけます」(同社)。

天面部に充電クレードルを配置。凹みになっているため、スマートフォンはしっかりと固定される

ベルキン初の完全ワイヤレスイヤホンも体験イベントで披露

10月2日の発表日から10月4日までの3日間、二子玉川の蔦屋家電にポップアップストアを設けて先行体験イベントも行われた。

二子玉川の蔦屋家電2階で行われたポップアップストア形式の先行体験イベントでは実機を展示し、同社のスタッフが来場者に商品説明を行った

今回の新製品発表では、スマートスピーカー以外の2つの商品も同時に発表。一つは「SOUNDFORM 完全ワイヤレスイヤフォン」で、もう一つは「BOOST ↑ CHARGE ワイヤレス充電スタンド付きBluetoothスピーカー」。いずれも10月23日の発売だ。

完全ワイヤレスイヤホンもスマートスピーカーと同様に同社では初の商品となる

SOUNDFORM 完全ワイヤレスイヤフォンはBluetooth5.0対応で、IPX5の防滴機能を搭載。本体の重量は10gで、5時間の連続再生が可能。携帯用の充電ケースと合わせて使うと24時間の再生ができるという。

ケースの重量は43g。充電機能を搭載しており、ケースとの併用で長時間の使用が可能

マイクとスピーカーによるノイズキャンセル機能は搭載していないが、3サイズのイヤーチップを同梱し、耳とのフィット感を高めてパッシブノイズキャンセル効果を発揮する。また、本体にタッチセンサーを内蔵しており、直感的なタッチで操作をすることが可能だ。

ソフトなイヤーチップが外の音を遮断し、集中して音楽を楽しめる

Bluetoothスピーカーと充電器のハイブリッド商品も投入

BOOST ↑ CHARGE ワイヤレス充電スタンド付きBluetoothスピーカーはネーミングのとおり、Bluetoothスピーカーにワイヤレス充電機能を搭載した製品。Bluetoothでペアリングさせて音楽を聴きながら、スマートフォンにも充電するハイブリッド商品だ。

本体正面にスマートフォンを置いて充電しながら音楽を楽しめる
スマートフォンは縦置きにも横置きにも対応。横置きで画面に映像を映し、音声はスピーカーで再生できる

スマートフォンの保護ケースを装着した状態でもケースの厚さが3mmまでなら装着したままで充電が可能。動画視聴やゲーム、ハンズフリーのFaceTime通話などが楽しめる。

スマートフォンの保護ケースが3mm以下であれば、給電が可能。スマートフォンと比較すると、本体のコンパクトさが分かる

同社では以前からオーディオ系のラインアップ拡充を考えていたとのことで、「ここにきて、ようやく製品が出てきました。今回発表した3商品はいずれもオーディオの商品ですが、今後はこのオーディオの商品に力を入れ、さらにラインアップの拡充を図っていきます」という。

新製品のイヤフォンとスピーカーはコストパフォーマンスに優れたモデルで、エントリー層にもアピールできる

店頭展示での訴求力も十分で売り場の活性化も期待できる

本稿に掲載した商品は家電量販店のECでも販売されるようだが、ECだけにとどめておかず、リアルでの扱いも検討してみてはいかがだろうか。SOUNDFORM 完全ワイヤレスイヤフォンは純然たるイヤフォンだが、それ以外は本来の機能にワイヤレス充電機能が付加されたハイブリッド型の商品。店頭で展示することで興味や関心を持つお客は少なくないと思われる。

お客が来店するのは目的の商品の購入や下見はもちろんだが、それとともに店内を見て回ることでの発見も店舗に行く楽しみの一つだ。同社のユニークな商品はお客の関心を引くのに十分な訴求力があり、ついで買いも期待できる。

ただし、どの売り場に配置したらよいのか、という問題がある。これはECでも同様で、どのカテゴリーに入れるべきかが悩むところだ。だが、逆に考えると、現在の商品カテゴリー分けに加えて新しい商品の分け方が必要となっているのかもしれない。

先述のとおり、ベルキンはこれからさらにオーディオ系の品揃えに注力していく考えで、ユニークな商品が市場投入されていくだろう。販売サイドも今一度、多様化する商品の売り方を見直してみることが必要なのではないだろうか。