日本市場向けの新メニューも搭載!ミルクをふわふわに泡立てられるデロンギの全自動コーヒーマシン


デロンギは全自動コーヒーマシン「ディナミカ(ECAM35055B)」をラインアップする。家庭におけるコーヒー需要の高まりを受け、特にカフェラテやカプチーノなどのミルクメニューが手軽に淹れられる「ラテクレマシステム」搭載で、本格的な11メニューを簡単に淹れられる点を訴求する。価格はデロンギ直営店価格で税込162,800円。発売は10月15日を予定する。

テレワーク経験者ほどコーヒーのニーズが急拡大

デロンギが9月に実施したインターネット調査によれば、以前より自宅でコーヒーを飲む頻度が増えた人は21.6%いるという。そのうち、リモートワーク経験者では39.4%が「増えた」と回答(「変化なし」が54.0%、「減った」は6.6%)。リモートワーク未経験者では12.2%が「増えた」と回答した(「変化なし」が84.4%、「減った」は3.4%)。リモートワーク経験者によってコーヒーの消費が顕著に増えているわけだ。

リモートワーク経験者の約4割でコーヒーを飲む頻度が増えている

年代別に見ると、特に増えているのが20代と30代。在宅業務の際の気分転換や、休憩、眠気覚ましに飲む場面が多く、飲むコーヒーの種類はレギュラー(ロングコーヒー)が圧倒的に多い。ただし、以前よりはカフェラテやカプチーノなどのミルクメニューの需要も増えている。これは男女別で見たときに、女性の利用の多いことが浮かび上がってくるという。デロンギではこうしたユーザー層の変化は、テレワークの機会が増えたことで、これまでコーヒーにあまり関心のなかった層が、関心を持つようになってきたことが背景にあると分析する。

なお、調査対象は、20~69歳の有職者のうち、週1回以上自宅でコーヒーを飲む男女400人(性年代別均等割付)だ。

さらに2018年12月の同社の調査では、約42%の消費者が「本格的なコーヒーとはどんなコーヒーのことか」という問いに「挽きたてのコーヒー豆を使って淹れたものであること」と回答している。コーヒーの美味しさを決める大切な要素として、コーヒー豆の重要性を認知する人が増えてきていることも分かる。

「本格的なコーヒーは豆から挽いて淹れたもの」という認識が高まっている

日本市場に先行投入されるスタンダードモデル

デロンギが新発売する「ディナミカ(ECAM35055B)」は、こうした市場のニーズの変化に即したモデルとして日本市場に先行投入される。同社のラインアップの中では「マグニフィカS(ECAM23260SBN)」と同じスタンダードモデルだ。

ディナミカ(ECAM35055B)の本体サイズはW240×D445×H360mm。水タンク容量は1.8Lだ

カフェラテやカプチーノが手軽に淹れられるラテクレマシステムを搭載する。ラテクレマシステムを備えるモデルは、ディナミカとマグニフィカSのほか、ディナミカより上位となる「エレッタ(ECAM45760B)」「プリマドンナXS(ETAM36365MB)」。エレッタとプリマンドナXSでは給湯ノズルを使った手動での泡立てにも対応する。

ディナミカとマグニフィカSとの違いは、ディナミカではミルクを泡立てる際に泡の大きさを任意で選択できることだ。

デロンギのコーヒーマシンは、コーヒー抽出機構がすべて同じものなので、どのマシンで淹れてもコーヒーは変わらない。それ以外の使い勝手やミルクメニューなどでラインアップを差別化している。

今回新製品の発表に合わせ、デロンギが表参道で運営するコンセプトストア「デロンギ表参道」で、ディナミカの試飲会が実施されたので取材してきた。

試飲会が行われた「デロンギ表参道」(東京都渋谷区神宮前5-1-9)

新メニューの「カフェ・ジャポーネ」やミルクたっぷりのカプチーノを試飲

ディナミカではメニューに新しく「カフェ・ジャポーネ」が追加された。日本支社のリクエストによって開発されたメニューで、現状では国内市場のみで展開するメニューとなっている。これによりメニュー数は11となり、デロンギ製品史上最も多いメニュー数となった。

カフェ・ジャポーネは間欠抽出方式を採用する。デロンギのコーヒーマシンでは、ロングコーヒー(レギュラー)はエスプレッソをお湯で割る方式なので泡が出る。カフェ・ジャポーネでは豆を蒸らしながら抽出することで、この泡を抑え、ハンドドリップのようなドリップを実現している。

実際にロングコーヒーとカフェ・ジャポーネを飲み比べてみたが、カフェ・ジャポーネのほうが酸味が引き立ち、口当たりも良い印象だった。今回の試飲ではマンデリンアラビカ100%の豆を使用していた。

ミルクメニューもカプチーノを試した。操作はタッチメニューに指で触れるだけと簡単だ。先にミルクがふわふわの泡状になってカップに注がれていき、最後に抽出ノズルからエスプレッソが投入される。そのまま飲むと、三口めくらいまで泡しか口に入ってこないほどしっかり泡立っており、ミルクの甘みもちゃんと出ていた。

カプチーノを抽出。ミルクのふわふわ具合が伝わるだろうか
コーヒー抽出のノズルが2つあるのは、一度に2杯淹れられるモードがあるため

ラテクレマシステムのタンクは別売もしており、ミルクに豆乳など複数種類を使う場合は、匂い移りを避けるためタンクを使い分けたほうが良いと言う。また、加工乳は泡立ちが悪く甘みも出づらいため、乳脂肪3.0以上の牛乳がオススメだそうだ。

このほか、国内向けデロンギ製品として初めて、軟水化フィルターを搭載している。日本の水は元々軟水なので装備されて来なかったが、コーヒーの好みが多様化していることや、マシン内部への石灰分の付着を軽減し、除石灰作業の頻度を低減できることから搭載に至った。コーヒーは軟水のほうが、コーヒー豆の持つ風味を感じやすいとされており、水が硬水の地方でもよりコーヒーを美味しく楽しめるという。

本体向かって右側面に搭載のタンクに軟水フィルターを搭載した

デロンギの製品が目当てのお客は、店頭での試飲を求めてやってくる

ディナミカは全国の家電量販店および、公式直営サイトや各種ECサイトで取り扱われる。デロンギの全自動コーヒーマシンの販売量は家電量販店のほうがECサイトよりもずっと多いが、お客は事前に自分の欲しいモデルを下調べして店を訪れる傾向が強いという。

10万円以上する製品が少なくないので、ネット等で調べていてもきちんと実物を自分の目と舌で確かめてから購入したいと考える人が多いのだろう。

在宅勤務中にコーヒーを飲む人が増え、どうせ飲むなら本格的な美味しいコーヒーをと望む人も増えている中、集客に貢献でき、メーカーが店頭での販売に力を入れる製品は家電量販店にとって有り難い存在だ。女性に人気の高いミルクメニューや、日本市場向けに開発されたカフェ・ジャポーネなど、日本人の飲みやすい本格コーヒーが飲めるのも魅力となっている。店頭ではいつでも試飲できるよう取り組みたい。