総合的カメラ映像ショーのCP+が2年ぶりに開催 CP+2021はオンライン開催で国内外から20社が出展
CP+2021はコロナ禍でオンラインのみの開催
CP+は、カメラと写真映像のワールドプレミアムショーとしてカメラ映像機器工業会(CIPA)が2010年からパシフィコ横浜で開催。10回目のCP+2019では会期中に7万人弱の来場者を集めた。だが、昨年開催予定だったCP+2020は新型コロナウイルスの感染リスクから中止となった。現在も感染拡大に歯止めがかからない中、CP+2021はオンラインでの開催が決まった。
CP+実行委員会委員長の笠松厚雄氏は「新型コロナウイルスが猛威をふるっている中で、withコロナ時代のCP+は安全・安心への配慮と、会場開催とオンラインを複合した新しいショーの形態を考え、CP+2021をオンライン開催することを決定しました」と述べる。
昨年の春頃からさまざまな議論を重ね、会場とオンラインのハイブリッド開催を検討していた。しかし、昨年の12月から新規感染者が急拡大したため、今回はオンラインのみでの開催となったと笠松氏はオンライン開催にいたるまでの経緯を説明する。
オンライン開催により来訪者のさらなる増加を目指す
今後のCP+の方向性としては、伝統的な写真文化と新しい映像文化の両輪で“TRADITION & EVOLUTION”を掲げ、安全・安心で楽しく、ためになるグローバルなショーを開催していく考えである。同時にターゲットとなる層もオンライン開催のメリットを活かして新たな来訪者の開拓を目指すとしている。
CP+2021は2月25~28日までのオンライン開催となり、アーカイブの閲覧は3月31日まで可能。出展社は国内外からの20社で、内訳は国内メーカー14社と海外メーカー6社だ。前回開催のCP+2019の出展社/団体は124だったので、出展社は激減したが、「オンラインでの単独開催ということで、海外メーカーや国内の中小メーカーが参加を見送られました。規模は小さくなりましたが、主要メーカーは揃っていますので、内容の濃いショーになると考えています」(笠松氏)。
会場での聴講だったスピーチやセミナーもオンラインで配信
CP+2021のサイトは5つのブロックから構成され、主催者企画のキーノートスピーチやパネルディスカッション、セミナーがライブ配信される。
主催者企画では、このほかに日本の新進写真家を発掘するZOOMS JAPANのエディター賞とパブリック賞の受賞作品を掲載。いずれも昨年の4~6月にCP+の公式サイトで募集をした中からエディター賞はカメラ雑誌の編集長が選出し、パブリック賞は一般投票によって選ばれた作品だ。
また、新しい取り組みとして、カメラ記者クラブが毎年、期間内に発売された製品を対象として最も優れたカメラやレンズなどを選出するカメラグランプリとのコラボで、CP+2021のサイトから投票ができる企画も導入した。
1月20日から入場のための事前登録をスタート
出展社のサイトにアクセスする方法は2つ。トップページでランダムに変わるメーカーのバナーをクリックして入場するパターンと、トップページの出展社一覧からクリックして入場するパターンだ。
オンラインでの入場は無料だが、事前登録が必要。登録後に発行されるログインIDとパスワードでログインを行い、各コンテンツを閲覧するというスタイルである。この事前登録は1月20日から受付を開始した。
スマートフォンでの撮影が一般化し、コロナ禍で屋外での写真撮影の機会が減り、デジタルカメラ市場には厳しい向かい風が吹いている。ドイツ・ケルンで隔年開催だったフォトキナが70年の歴史に幕を閉じた今、CP+の開催意義は大きい。
国内の市場環境が厳しいことは言うまでもない。だが、先述のようにCP+は伝統的な写真文化とともに新しい映像文化も採り入れた内容を目指している。この“新しい映像文化”には、SNSや動画も含めており、CP+が次のステップに踏み出す、その第一歩がCP+2021といえるだろう。2月25日からのオンライン開催で、出展社と主催者がどのようなコンテンツを開示するのか期待したい。